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≫ 2026-10-02 16:00:00 更新

大飯発電所3号機 「界磁喪失」警報発信に伴う発電機自動停止に関する原因と対策

大飯発電所3号機 「界磁喪失」警報発信に伴う
発電機自動停止に関する原因と対策


2 0 2 6 年 1 0 月 2 日
関西電力株式会社


大飯発電所3号機(加圧水型軽水炉:定格電気出力118万キロワット)は、定格熱出力一定運転中の2026年8月8日23時56分に「界磁喪失」警報※1が発信したことから、発電機が自動停止し、これに伴い、原子炉も自動停止しました。


その後、励磁機※2を対象に現場点検した結果、励磁機内の回転整流器※3において、ダイオードモジュール※4の一つに、放熱板※5の溶損、ダイオードの転倒、固定用絶縁ボルトの折損および接続線の断線があることを確認しました。また、近接する別のダイオードモジュールの一部にも損傷があること、回転整流器の周辺に黒い付着物が飛散していること、保護用ヒューズ※6全72個のうち36個が動作(溶断)していることを確認しました。


このため、励磁機をメーカ工場へ搬送し、回転整流器の内部点検、黒い付着物の成分分析および接続線の断線箇所の断面観察等の詳細調査を実施することとしました。


なお、本事象による、環境への放射能の影響はありません。


※1:発電機内の磁界が失われた際に発信する警報 ※2:発電機に磁界を発生させるための装置 ※3:励磁機でつくられた交流の電気を直流の電気に変換する装置 ※4:交流を直流に変換するため、電流を一方向にのみ流す半導体素子(ダイオード)と放熱板等を一体化した部品


※5:ダイオードで発生する熱を逃がすための部品 ※6:過大な電流が発生した際に回路を遮断し、機器を守る保護部品 (2026年8月9日、19日お知らせ済) 当社は、調査結果や原因と対策を取りまとめ、本日、原子力規制委員会に原子炉施設故障等報告書を提出しました。


1.調査結果


(1)工場調査


(外観および断面観察)


回転整流器の内部点検等を実施した結果、転倒したダイオードを中心に、複数のダイオード、整流器ホイール※7、放熱板、絶縁板等が溶損していること、絶縁板に粉じんが堆積していることを確認しました。


また、接続線の断面観察を実施した結果、熱で溶けて再凝固した痕跡を確認しました。加えて、回転整流器の損傷は、内径側(回転軸に近い側)よりも外径側(回転軸から遠い側)で著しいことを確認しました。さらに、回転整流器周辺を観察した結果、軸接地検出ブラシ※8の一部が欠損していることを確認しました。


※7:ダイオード等を取り付ける円筒状の部品 ※8:発電機の回転軸に定期的に接触し、励磁機に接地が生じていないかを確認するための部品 (成分分析)回転整流器周辺の黒い付着物の成分分析を実施した結果、回転整流器内部品と同一成分であることを確認しました。


また、絶縁板に堆積している粉じんの成分は、鉄、炭素、アルミニウム、シリカ等が含まれており、励磁機外から流入するタービン建屋内の空気中の粉じんと共通する成分であることを確認しました。なお、黒い付着物および堆積している粉じんは、いずれも導電性を有していました。


(流動解析)


回転整流器内部の空気の流れを解析した結果、励磁機に取り込まれたタービン建屋内の空気が、ダイオードモジュールに向かって流れ、絶縁板付近で流速が低下することを確認しました。


(2)設計、製作および管理状況に関する調査 ダイオードモジュール周辺の設計上の絶縁距離※9を確認した結果、必要な絶縁性能を満たす設計であることを確認しました。


また、製作時の記録から、回転整流器が設計要求に従って製作され、必要な絶縁性能を満たしていることを確認しました。


現地据付以降の定期点検においては、絶縁抵抗測定等の作業記録から、必要な絶縁性能が維持されていることを確認しました。加えて、回転整流器内部に付着する粉じんについては、作業員への聞き取り調査の結果、定期点検に合わせて清掃を実施していたものの、放熱板周辺の絶縁部は狭く、すべて除去することは困難であることを確認しました。


※9:短絡や絶縁破壊等を防ぐために確保する距離


2.回転整流器の損傷に至る過程の検証


(1)回転整流器内部の溶損 ダイオードモジュールの損傷が特に大きかったことから、放熱板下部の絶縁板付近において、放熱板と整流器ホイール間で沿面放電※10による短絡が発生し、これに伴うアーク放電※11により絶縁板、放熱板等が溶損した可能性があると評価しました。


また、回転整流器周辺の黒い付着物は、成分分析の結果、回転整流器の内部部品と同一成分であったことから、短絡に伴うアーク放電により回転整流器の内部部品が溶損し、周囲に飛散・付着した可能性があると評価しました。


※10:絶縁物の表面に沿って電気が流れる放電現象 ※11:気中の絶縁破壊が起こることで、通常では流れない異常な電流が短時間で流れる現象


(2)粉じんおよびブラシ片による放電の検証


放熱板と整流器ホイールの間には、絶縁上必要な離隔距離が確保されていることから、沿面放電の発生には、両者の間に導電性の物質が介在した可能性があると推定しました。今回の調査において、絶縁板への粉じんの堆積と軸接地検出ブラシの欠損を確認したことから、導電性を有する粉じんとブラシ片により放電が発生するかを検証しました。


検証の結果、堆積した粉じんとブラシ片の接触のいずれか一方では沿面放電は発生しないものの、これらが組み合わさった場合には、沿面放電が発生し、短絡しうることを確認しました。


3.推定原因


励磁機外から流入するタービン建屋内の空気中に含まれる導電性の粉じんが、放熱板周辺の絶縁部に付着し徐々に堆積しました。そこに、軸接地検出ブラシの欠損により生じた導電性のブラシ片が回転整流器内へ流入し、付着したことで絶縁が損なわれ、放熱板と整流器ホイール間で絶縁部の表面に沿って放電が起こり、短絡が発生したものと推定しました。


その後、短絡に伴うアーク放電により、回転整流器の内部部品が溶け、導電性を有する物質が飛散・付着することで短絡箇所が拡大した結果、複数の保護用ヒューズが動作し、発電機の界磁喪失に至ったものと推定しました。


4.対策


励磁機を取り替えます。取替えにあたっては、粉じんとブラシ片が付着した場合を考慮し、絶縁性能を確保するため、絶縁樹脂を放熱板側面に塗布します。


以上


公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2026/pdf/20261002_2j.pdf


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