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2026-06-19 16:00:00 更新

美浜発電所3号機 高圧タービンからの蒸気漏れに関する原因と対策

美浜発電所3号機 高圧タービンからの蒸気漏れに関する原因と対策


2026年6月19日
関西電力株式会社


美浜発電所3号機(定格熱出力一定運転中)において、2026年5月8日04時08分に「高圧車室上下部メタル温度差大(-側)」※1の警報が発信しました。04時10分頃に中央制御室において、運転員が高圧タービン周辺より蒸気が漏れていることをタービン建屋内の監視カメラで確認したことから、04時24分に原子炉を手動停止し、04時43分に蒸気の漏れが停止していることを確認しました。


その後、蒸気漏れ箇所特定のため、高圧タービン車室※2の上部を中心に外面から目視点検した結果、2つある上部車室閉止キャップのうち、調速機側の閉止キャップ(以下、当該閉止キャップ)の母材に縦約1cm、横約8cmの損傷があることを確認しました。また、当該閉止キャップについて、超音波による肉厚測定を実施した結果、損傷箇所を中心に周辺の厚さよりも薄くなっており、最も薄い箇所は約1mmとなっていました。


このため、当該閉止キャップを切り出して工場に搬送し、破面観察等の詳細調査を実施することとしました。


なお、本事象による、環境への放射能の影響はありません。


※1:高圧タービンを覆うカバー(車室:上下2分割)自体の温度を測定しており、上部と下部の温度差が生じた場合に発信する警報。上部温度-下部温度で温度差を監視しており、-側(マイナス側)は下部に比べて上部の温度が低いことを示す。


※2:蒸気発生器で発生した蒸気で回転するタービンの羽根(動翼)や固定翼(静翼)を覆うカバー


(2026年5月8日、12日お知らせ済)


当社は、調査結果や原因と対策を取りまとめ、本日、原子力規制委員会に原子炉施設故障等報告書を提出しました。


1.調査結果


(1)発電所における調査


高圧タービン車室の内面を目視確認した結果、当該閉止キャップの内面に表面荒れがあることを確認しました。


また、当該閉止キャップを除く高圧タービン車室内では、これまでの内面目視点検において、クレーター状の減肉があることを確認しています。


(2)工場における調査


(形状計測)


当該閉止キャップの形状計測(3D計測)を実施した結果、発電所での肉厚測定結果と同様に、損傷箇所を含むキャップの湾曲部において周辺部に比べて肉厚が薄くなっていることを確認しました。


(内面目視点検)


当該閉止キャップの内面目視点検を実施した結果、全面に流れ加速型腐食(以下、FAC)※3で一般的に見られる鱗片状模様※4があることを確認しました。


※3:FAC(Flow Accelerated Corrosion)


流れの影響により金属表面の保護皮膜が水中へ溶出することで、腐食が加速する現象。主に炭素鋼で発生する。


※4:魚のうろこのような細かな模様。FACが発生した金属表面で一般的に見られる特徴の一つであり、腐食が進行した痕跡を示すもの。


(断面観察)


光学顕微鏡により当該閉止キャップの断面観察を実施した結果、損傷箇所周辺の内表面にFACの特徴である波状の減肉形状があることを確認しました。


一方で、損傷箇所周辺には、液滴衝撃エロ―ジョン※5に見られる鋸刃状の減肉形状や応力腐食割れ※6による亀裂等は確認されませんでした。


※5:蒸気とともに加速されるなど、高速になった液体の粒が、配管などの壁面に衝突したときに、局所的に大きな衝撃力を発生させ、表面が侵食される現象。


※6:環境、応力、材質の3要因によって発生する割れ。


(成分分析)


当該閉止キャップの成分分析を実施した結果、材料の成分に問題はなく、材料不良ではないことを確認しました。


(流動解析)


高圧タービン車室内に流れる蒸気の温度や流速、湿り度※7などの運転条件をもとに流動解析を実施した結果、当該閉止キャップ内には、高温の湿った蒸気により流速約40m/秒の渦状の流れが生じ、FACが発生する可能性があることを確認しました。


※7:蒸気中に含まれる水分の質量の割合


(3)運転履歴等の調査


第26回定期検査(2021年10月)における前回点検以降の運転状態(主蒸気流量、高圧タービン圧力・温度、高圧タービン軸振動)や水質管理(pH等)を確認した結果、問題がないことを確認しました。


(4)過去の点検等の履歴調査


(補修・点検履歴)


高圧タービンについては、3定期検査に1回の頻度で車室を開放して内部の状況を点検しており、腐食状況(幅、深さ)については、 第1回定期検査(1977年9月)以降、スケッチにより記録していました。


当該閉止キャップの過去の点検実績を確認したところ、第8回定期検査(1986年12月)以降の内面目視点検において、表面荒れの状況をスケッチしていましたが、高圧タービン車室内の他の箇所で確認されているようなクレーター状の減肉ではなかったため、幅や深さは記録していませんでした。


また、至近の第26回定期検査での点検では、表面荒れの状況をスケッチしていませんでした。


なお、当該閉止キャップは、運転開始以降、取替えおよび補修実績がないことを確認しました。


(関係者への聞き取り調査)


第26回定期検査における高圧タービンの点検に関わった関係者 への聞き取り調査の結果は以下のとおりです。


・高圧タービン車室の内面には、広範囲にクレーター状の減肉やその周辺に表面荒れが確認されていました。このうち、クレーター状の減肉については、幅や深さを測定した上で、有意な腐食かどうかを評価し、スケッチとして記録していました。


・当該閉止キャップおよび発電機側閉止キャップの内面には、表面荒れがあり、その状態が第8回定期検査頃から継続していることを把握していました。


・閉止キャップ内面の表面荒れをスケッチしなかった理由は、閉止キャップ内面では、高圧タービン車室内面で確認されているようなクレーター状の減肉は確認されておらず、表面荒れは減肉が進行している状態と考えていなかったためです。


2.推定原因


当該閉止キャップの内面において、高温高圧の蒸気によるFACが発生し、内面から外面に向けて減肉が進行したことで、損傷に至ったと推定しました。


また、当該閉止キャップの減肉の進行を適切に把握できなかったことについては、高圧タービン車室内の腐食は、クレーター状に進行するものと認識していたため、当該閉止キャップの内面荒れを減肉の進行とは捉えず、クレーター状の減肉のみを管理すれば問題ないと判断していたことが原因であると推定しました。


3.対策


・上部車室閉止キャップ(発電機側・調速機側)について、内面にステンレス加工を施し、耐腐食性を向上させた閉止キャップに交換します。 また、今後は、閉止キャップを高圧タービン車室内面とは別の管理対象とした上で、目視点検の記録を画像でも保存するなど、減肉状態を把握・判断できるようにします。


・目視点検の着眼点などを整理したガイドラインを制定するとともに、当社の工事担当者を対象に、本事例を題材として、教育(事例研修)を実施します。


・本事象を踏まえ、美浜発電所3号機、高浜発電所1~4号機、大飯発電所3、4号機における高温・高圧の蒸気や水が流れるすべての機器を対象に、保全が適切に実施されていることを改めて確認します。


以 上


公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2026/pdf/20260619_1j.pdf


情報提供:JPubb

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