2026.4.3
NTT 株式会社
NTT アノードエナジー株式会社
NTTグループによる上下水道施設における 再生可能エネルギー電力の導入について ~再生可能エネルギーの導入拡大と環境負荷の低減に貢献~(NTTアノードエナジー)NTT 株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)と NTT アノードエナジー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岸本 照之、以下「NTT アノードエナジー」)は、上下水道施設における再生可能エネルギー電力の導入促進に向けた取り組みを開始しました。 本取り組みの第1号事例として、NTT アノードエナジーは、メタウォーター株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口 賢二、以下「メタウォーター」)が代表企業を務める特別目的会社「うべアクアフロント株式会社」(本社:山口県宇部市、代表取締役:森永 俊二朗、以下「うべアクアフロント」)が担う「宇部市公共下水道西部処理運営事業」において、全国で初めてレベル 3.5 以上のウォーターPPP ※1,2事業向けオフサイト型コーポレート PPA※3(以下「オフサイト PPA」)を導入し、2026年 4 月 1 日より再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来の電力※4の提供を開始しました。
1.取り組みの背景
国内の上下水道事業は、自治体の財政難や技術者不足、施設の老朽化など、さまざまな問題を抱えています。このような問題の解決に向けて、政府は 2023 年 6 月、従来のコンセッション方式に加えて、コンセッションに段階的に移行するための公民連携方式(管理・更新一体マネジメント方式)を新設した「ウォーターPPP」を公表し、その導入目標として 2031 年までに水道、下水道、工業用水道の 3 分野で計 225件を提示しています。ウォーターPPP の導入により民間企業の役割がさらに拡大し、事業の包括化や広域化も進むことが見込まれます。
加えて、上下水道事業は年間電力消費量が約 150 億 kWh と非常に多く、日本全体の電力消費量の約 1.5%を占めており、行政の中でも CO2 排出量が多い分野になります。国内には約 5,000 箇所の浄水場、約 2,200 箇所の下水処理場が存在するとともに、配水場やポンプ場等がこれとは別に相当数建設されている状況で、国は 2022 年度~2030 年度の期間中での太陽光発電の導入目標数値を、上水道では107,000kW、下水道では 160,000kW、合計 267,000kW の導入目標を掲げています。しかしながら、現時点では導入目標に対する進捗は約 35%に留まっており、さらなる普及が求められています。※5
このような事業環境の中、数多くの公民連携事業に参画してきた実績、事業運営と施設の維持管理で培った豊富な経験とノウハウおよび効率化を実現するさまざまなソリューションを有しているメタウォーターと、多くの地域で DX および脱炭素を推進してきた実績を持つ NTT グループとで、持続可能な水インフラの実現のため、両社グループの強みを活かした地域活性化の脱炭素化に貢献するべく、「宇部市公共下水道西部処理運営事業」における取り組みを開始しました。
2.第1号事例:宇部市西部浄化センターにおける取り組み
NTT アノードエナジーは、うべアクアフロントが担う「宇部市公共下水道西部処理運営事業」(以下「本事業」)において、オフサイト PPA を導入し、2026 年 4 月 1 日より再エネ由来の電力の提供を開始しました。
本事業開始にあたり、NTT アノードエナジーがうべアクアフロントと電力購入契約(PPA)を締結し、対象施設である宇部市西部浄化センターに対し、NTT アノードエナジーが保有する太陽光発電所の再エネ由来の電力を、オフサイト PPA の仕組みにより提供します。
【場所】宇部市 西部浄化センター(山口県宇部市大字沖宇部字沖ノ山 5272 番地 3)
【期間】2026 年 4 月 1 日 ~ 2057 年 3 月(予定)
3.本事業でのオフサイト PPA の概要
本事業で採用したオフサイト PPA は、敷地内に十分な設置スペースがない場合でも導入可能なスキームであり、再エネ比率の向上の手段として近年注目されています。
宇部市西部浄化センターの想定年間供給電力量約 224 万 kWh※6のうち約 23%は、NTT アノードエナジーが提供する再エネで賄う計画です。また、残りの補給電力についても、再エネ指定の非化石証書※7を活用することで、同センターの使用電力を実質 100%再エネ化しました。
これにより、年間約 1,231 トン(CO2 換算)※8の温室効果ガス削減が見込まれます。
4.今後の展開について
NTT グループは、本事例で得た知見を活かし、宇部市公共下水道西部処理区運営事業に止まらず、全国の上下水道施設における再生可能エネルギー導入促進を通じた温室効果ガスの排出量の削減、カーボンニュートラル経営の実現に努めてまいります。また、自治体のインフラ運営など様々な課題に対し、両社のノウハウを活用し、地域の課題解決をめざしていきます。
[注]
※1 ウォーターPPP
2023 年 6 月に政府より提示されたコンセッションに段階的に移行するために新設された新たな公民連携方式です。
※2 レベル
3.5 以上のウォーターPPP 水道・下水道・工業用水道などの水インフラについて、維持管理と更新を民間事業者が 10 年を基本とする長期契約で一体的に担う官民連携方式であり、性能発注と官民でのプロフィットシェア(成果配分)を特徴とするモデルです。
※3 オフサイト型コーポレート PPA
コーポレート PPA (電力購入契約:Power Purchase Agreement)とは、需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する契約です。オフサイト PPA はオフサイト型コーポレート PPA の略で、遠隔地の発電設備から送配電網を介して需要家(本件のケースでは宇部市西部浄化センター)へ送電するモデルです。
※4 再生可能エネルギー由来の電力
本電力供給は、NTT アノードエナジーグループの株式会社エネット(小売電気事業者登録番号:A0009)が行い、NTT アノードエナジーは取次店としてサービスを提供します。再エネ指定の非化石証書を組み合わせて調達することにより、実質的に 100%再エネを実現します。具体的には、太陽光発電所の電力はオフサイト PPA を活用し対象施設に供給され、太陽光発電所の電力で不足する分は、補給電力として卸電力取引所等の電力を供給します。なお、太陽光発電所の電力および卸電力取引所等の電力については再エネ指定の非化石証書を付与します。
※5 「上下水道事業への最大限の太陽光発電導入に向けて(2025 年)」(環境省ホームページ)
https://www.env.go.jp/content/000292948.pdf
※6 想定年間供給電力量
想定年間供給電力量とは、西部浄化センターにおける 2024 年度の電力使用量実績を基に算定した想定値です。
※7 非化石証書
非化石証書とは、石油や石炭などの化石燃料を使用していない「非化石電源」で発電された電気が持つ環境価値(非化石価値)を
証明するものです。電力と再エネ指定の非化石証書を組み合わせて提供することで、実質的に再エネ比率 100%の電力利用が可
能になります。
※8 温室効果ガス削減量
本試算は、スコープ2の算定に基づき、エネット令和 8 年報告用排出係数(0.000547 t-CO2/kWh)を適用し算出した参考値です。