2026 年 3 月 27 日
株式会社ジャパンエンジンコーポレーション
川崎重工業株式会社
株式会社商船三井
商船三井ドライバルク株式会社
尾道造船株式会社
一般財団法人日本海事協会
世界初、大型商船向け水素燃料エンジンの水素燃料運転を開始 ~水素燃料多目的船の実船実証に向けプロジェクトが本格加速~ 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション(以下「ジャパンエンジン」)と川崎重工業株式会社(以下「川崎重工」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の「グリーンイノベーション基金事業/舶用水素エンジンおよび MHFS(註1※)の開発」プロジェクトに、株式会社商船三井(以下「商船三井」)、商船三井ドライバルク株式会社(以下「商船三井ドライバルク」)、尾道造船株式会社(以下「尾道造船」)および一般財団法人日本海
事協会(以下「日本海事協会」)の協力のもと取り組んでいます。
本プロジェクトにおいて、ジャパンエンジンは水素を燃料とする純国産大型低速2ストローク
エンジンの開発に取り組んでおり、この度、世界で初めて(註 2※)フルスケールエンジン初号機
(実際の船舶に搭載するエンジン、6UEC35LSGH)での全筒水素燃料混焼運転を開始しまし
た。現在までに、100%負荷で水素混焼率 95%以上に到達しており、GHG 削減と安定運転を
確認しています。今後も水素混焼運転における性能最適化のための検証試験を継続します。
近年、国内外において水素を燃料とする船舶の開発・実証が進んでいますが、これらの多くは
圧縮水素を燃料とした観光船やタグボートなど、内航や港湾における比較的 短距離・短時間・
低出力での運航形態の社会実装が検討されています。これに対し本プロジェクトは、高効率・高
出力な低速 2 ストローク水素燃料エンジン 6UEC35LSGH と液化水素燃料を組み合わせるこ
とで、長距離・長時間・高出力な運航を可能とする推進システムである点に大きな特長があり、
水素を燃料とする大型商船の実用化に向けた重要な技術的ステップとなります。
ジャパンエンジンはこれまで、水素に係る材料・燃焼に関する基礎試験や、水素燃料噴射装置
の耐久試験を重ねてきており、本エンジンはこれらの知見を反映して開発しました。今後はフル
スケールエンジンとしての各種検証試験を実施したうえで、2027 年 1 月に出荷し、尾道造船が
実証船として設計・建造する 1 万 7500 重量トン型水素燃料多目的船(以下、「本船舶」)の主機
関として搭載される予定です。本エンジンへ水素燃料を供給するシステムである MHFS は川崎
重工が開発・製造を進めており、同じく本船舶に搭載される予定です。
また、商船三井および尾道造船は本船舶の建造について合意し、一連の契約を締結しました。
さらに、関係各社での協議を通じて、水素燃料船とするための各種設備仕様についても合意し
関連契約を締結しています。現在、本船舶の詳細設計は順調に進捗しています。
本船舶は、2028 年度から 3 年間にわたり、商船三井と商船三井ドライバルクの運航管理の
もと、実証運航を行う予定です。また、本エンジンや MHFS の開発、実証船の設計・建造・運航
の各段階を通して、日本海事協会が安全性に関する評価を行います。
NEDO 支援のもと、ジャパンエンジンおよび川崎重工は、商船三井、商船三井ドライバルク、
尾道造船、日本海事協会と連携し、「水素燃料による商船運航の実用化」という新たな挑戦を通
じて、持続可能な海運の未来を切り拓いてまいります。
(註1)MHFS: Marine Hydrogen Fuel System(舶用水素燃料タンクおよび燃料供給システム)
(註 2)ジャパンエンジン調べ
【参考リンク】
「舶用水素エンジンおよび MHFS の開発」が NEDO グリーンイノベーション基金事業に採択
~ゼロエミッション船の実現に向け前進~(2021 年 10 月 26 日)
https://www.khi.co.jp/pressrelease/news_211026-2_2.pdf 舶用水素燃料エンジンを搭載した実船での実証運航に関する基本合意
~ネットゼロ・エミッション船を目指して~(2021 年 11 月 9 日)
https://www.j-eng.co.jp/news/2021/l4le6t0000002cj5-att/J-ENGPressRelase20211109_JP.pdf 大型低速 2 ストロークエンジン用水素燃料噴射装置の試験を開始(2023 年 5 月 16 日)
https://www.j-eng.co.jp/news/2023/20230516.html 水素燃料船の実証運航に向けて基本設計承認(AiP)を取得(2023 年 10 月 19 日)
https://www.khi.co.jp/pressrelease/news_231019-1.pdf 世界初、コンソーシアムによる舶用水素エンジンの陸上運転に成功しました
~3 社技術の結集により、船の脱炭素化で世界をリード~(2025 年 10 月 20 日)
https://www.khi.co.jp/pressrelease/news_251020-1.pdf 「液化水素バンカリング自動化技術の開発」が NEDO グリーンイノベーション基金事業に採択
~水素燃料船の社会実装に向けて世界をリード~(2026 年 2 月 20 日)
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20260220_1.html 以上