2026年3⽉4⽇
NTTドコモビジネス株式会社
NTTドコモソリューションズ株式会社
NTTアーバンソリューションズ株式会社
株式会社NTTファシリティーズ
IOWN® APNを活⽤した新たなオフィスモデルの検証を実施
〜⾼度なICT機器をオフィス外に集約し、オフィスの省電⼒化と快適な働き⽅の実現に貢献〜 NTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下 NTTドコモビジネス)、NTTドコモソリューションズ株式会社(旧 NTTコムウェア株式会社、以下 NTTドコモソリューションズ)、NTT アーバンソリューションズ株式会社(以下 NTT アーバンソリューションズ)、株式会社 NTTファシリティーズ(以下 NTTファシリティーズ)の4社は、IOWN® APN※1を活⽤し、⾼度なICT機器をオフィス外に集約する新たなオフィスモデルの検証を⾏いました。
本検証は、これまでネットワーク帯域や遅延、応答性などの制約条件によりオフィス内に設置せざるを得なかったGPUマシンなどの⾼度なICT機器をオフィス外へ集約する取り組みです。これにより、オフィス内の消費電⼒や設置スペースなどの設備要件を緩和し、省電⼒化およびオフィススペースの有効活⽤を図ります。
本検証では、外部企業10社の協⼒のもと、映像品質、反応速度、業務への活⽤可能性、オフィス環境への影響、⼈材獲得への寄与といった観点から多⾓的な評価を実施しました。その結果、外部協⼒企業の皆様から⾼い評価をいただきました。本検証成果を踏まえ、オフィスの⽴地や環境に対する柔軟な選択肢を提供し、従来の制約にとらわれない新たなオフィスモデルの実現をめざします。
1.背景
近年、⾼度な計算機資源を活⽤した業務効率化や⽣産性向上に向けた取り組みがさまざまな分野で進展しています。建設・設計分野におけるBIM(Building Information Modeling)※2活⽤をはじめ、ゲーム・映像分野での⾼度な映像処理、製造業におけるAIを活⽤した素材開発など、計算能⼒の確保が企業競争⼒を左右する重要な要素となっています。
⼀⽅で、こうした⾼度なICT機器をオフィス内に設置・運⽤するには、消費電⼒や発熱対策、機器重量、設置スペースの確保など、オフィスに求められる設備条件は年々厳しさを増しています。加えて、オフィス回帰の動きが進む中、ワーカーのパフォーマンス最⼤化、円滑なコミュニケーションの促進、⼈材獲得のため、ワーカーへの⾼度なICT環境の提供やオフィス環境の整備がますます重要となっています。
このため、⾼度なICT機器をデータセンターに集約し、オフィスから遠隔利⽤する構成は、エネルギー効率やスペース活⽤の観点から有効な選択肢と考えられています。しかし、従来のネットワーク環境では、帯域や遅延制約により、⼤規模なデータを扱う業務や⾼速な応答性が必要な業務では求められる要件を⼗分に満たせないことが課題となっていました。
2.本検証の概要
本検証では、NTTドコモソリューションズの都内データセンターと NTTアーバンソリューションズの秋葉原UDX(千代⽥区)にある「未来のオフィス 4×SCENE®※3」、ならびにNTTファシリティーズの⽥町グランパーク(以下 ⽥町GP、港区)にある共創空間「FL@T®※4」をIOWN® APNで接続しました。データセンター側には⾼度なICT機器としてGPUマシンを設置し、建設・設計業務で利⽤するBIM環境などを構築しました。オフィス側には以下の通り3つの構成を構築しました。
<システム構成イメージ>
構成①︓Model-B※5を⽤いて⾼精細映像を⾮圧縮で伝送するIOWN® APN 100Gbps回線
構成②︓画⾯転送を⽤いて⾼精細映像を圧縮して伝送するIOWN® APN 10Gbps回線
構成③︓⽐較⽤に⽤意した⼀般的なインターネット回線
<デモ実施イメージ>
検証協⼒企業として計10社に、動画視聴やデータ転送、BIMソフトやPCゲーム操作を体感いただ
き、オフィスにおけるIOWN® APNの有⽤性を検証しました。
名称 IOWN® APN を活⽤した新たなオフィスモデルの検証
期間・場所 2025年10⽉〜11⽉ / 秋葉原UDX 未来のオフィス 4×SCENE®・⽥町GP FL@T®
検証協⼒企業 計10社(ゲーム制作、映像制作、製造業、⼈材、建設・設計、内装、娯楽施設運営、不動産)
検証内容 建設・設計業務およびゲーム開発をユースケースとしたデモコンテンツを操作し、映像品質、反応速度、業務への活⽤可能性、オフィスへの影響、⼈材獲得への寄与などの観点で5段階のアンケート評価を実施
各社の役割 ・NTTドコモビジネス︓
IOWN® APNテストベッド環境の提供、本検証におけるインフラ環境の構築・提供
・NTTドコモソリューションズ︓
IOWN® APNテストベッド環境の提供、GPUマシン動作環境および構成可視化環境※6の 構築・提供
・NTTアーバンソリューションズ︓
オフィス環境の提供、アンケート収集・分析、オフィス環境への影響検証
・NTTファシリティーズ︓
BIMの遠隔活⽤・サーバーレス空間の実⽤性検証、検証⽤建物モデルコンテンツ提供 、 アンケート収集・分析
3.本検証の成果
検証協⼒企業に対し、IOWN® APNによる遠隔作業の操作性について「画質」「映像の滑らかさ」「データ転送速度」等の観点からアンケートを実施した結果、IOWN® APN 100Gbps および IOWN® APN 10Gbpsのいずれにおいても好評価の回答が90%以上となりました。
〈検証協⼒企業からの主なコメント〉
「IOWN® APN 10Gbpsの安定した品質や⾼いレスポンス性能と、データセンター側で⾼性能なGPUマシンを⽤いることにより、データの⾮常に⼤きな BIM 作業での待機時間の短縮や⽣産性向上も期待できる」(建設・設計分野/検証協⼒企業)
「特に映像操作に対する性能・要求⽔準の厳しいゲーム開発の分野においても、IOWN® APN 100Gbps を活⽤した⾮圧縮映像の利⽤であれば、帯域や遅延を考慮してオフィス内に設置していた ICT 機器のデータセンター内設置化も期待できる」(ゲーム開発分野/検証協⼒企業)
このようなICT環境の実現について、操作性以外の観点からも影響や効果を確認した結果、検証協⼒企業からはサーバー室の⼤幅削減で創出された空間を価値あるワークプレイスへ再設計することによるオフィス環境向上や、⾼度なICT環境を利⽤可能なオフィスによる将来的な⼈材獲得への寄与について、80%以上が⽀持する結果となりました。
関連する効果については、本検証環境をモデルとして以下の通り推計しています。
➀オフィスでの省エネ︓約50㎡のサーバー室をオフィス外に集約することによって
年間約50t相当*のCO2排出量の削減効果
➁コスト構造の変化︓初期投資の抑制(オフィス内のサーバー室構築にかかる初期費⽤の削減)
*「環境省公表 2024年度実績報告⽤全国平均排出係数」を⽤いて試算
4.今後の展開
本検証の構成はNTTドコモビジネスが運営する共創ワークプレイス「OPEN HUB Park」(以下 OPEN HUB) ※7に展⽰し、ユーザー企業の声を集めながら本格導⼊に向けてさらに検討を進めていきます。本検証やOPEN HUBで得られた成果を踏まえ、オフィスにおけるIOWN® APN活⽤ならびにNTTが掲げる「光の街」づくり※8に向けた技術⾯およびビジネス⾯での検討を、今後も継続してまいります。さらに、将来的な光電融合技術等の活⽤を含めた圧倒的な超・低消費電⼒化の実現をめざし、本検証の成果を活⽤してまいります。
「NTTコミュニケーションズ株式会社」は2025年7⽉1⽇に社名を「NTTドコモビジネス株式会社」に変更しました。私たちは、企業と地域が持続的に成⻑できる⾃律・分散・協調型社会を⽀える「産業・地域DXのプラットフォーマー」として、新たな価値を⽣み出し、豊かな社会の実現をめざします。
https://www.ntt.com/about-us/nttdocomobusiness.html
※1︓IOWN® APNとは、NTTが提唱するオールフォトニクスネットワーク(APN)の⼀環で、従来の電気信号ではな く光信号を⽤いて超低遅延かつ⾼速な通信を実現する次世代のネットワーク技術です。「IOWN®」はNTT株式 会社の商標または登録商標です。
※2︓BIM(Building Information Modeling)とは、PC 上に3次元の建物モデルを構築し、壁や柱などの形状情報に加え、材料・部材、コスト、性能などの属性情報を付与して⼀元管理するシステムです。
※3︓「未来のオフィス 4×SCENE®」とは、NTTアーバンソリューションズの社員が⾃ら利⽤・運営し、データを取得解析し、ブラッシュアップし続けていく実験的ライブオフィスです。2022年5⽉の開設以来、国内・海外問わず多数のお客さまにお越しいただき、ご好評をいただいています。「未来のオフィス 4×SCENE®」は NTT アーバンソリューションズ株式会社の登録商標です。
( https://ntt-us.com/business/value_case/4scene/index.html )
※4︓「FL@T®」とは、2025年7⽉にNTTファシリティーズ本社内にオープンした共創スペースです。様々な活動 ⽬的に応じた部屋やスペースで構成されており、交流イベントや勉強会、タスク横断型の会議が開催され、リア ルコミュニケーション創出の場として活⽤されています。「FL@T®」は株式会社NTTファシリティーズの登録 商標です。( https://www.ntt-f.co.jp/news/2025/20250724-01.html )
※5︓Model-B とは、4K120Hz などの HDMI 信号や USB 信号を⾮圧縮のまま⻑距離転送信号へ変換する技術を採⽤し、1ミリ秒以下の処理時間で信号を変換する伝送装置です。
( https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/10/08/241008b.html )
※6︓「GPUマシン構成可視化環境」とは、パブリッククラウド環境におけるインフラの構築から運⽤までを統合的にサポートし、業務効率化や品質向上を実現するNTTドコモソリューションズのソリューション「SmartCloud®オーケストレータ」を活⽤して実現した環境です。「SmartCloud®」はNTTドコモソリューションズ株式会社の登録商標です。( https://www.nttcom.co.jp/orchestrator/ )
※7︓「OPEN HUB Park」とは、NTTドコモビジネスが運営する共創ワークプレイスです。先端テクノロジー体験環境や情報発信スタジオを備え、事業共創に向けたコミュニケーションを⽀援します。⼀般公開は⾏っておらず、招待制にて運営しています。( https://openhub.ntt.com/ )
※8︓「光の街」づくりとは、NTTが中⼼となって構想を推進する次世代情報通信基盤「IOWN®」を実装し、テクノロジーの進化とともに、これまでにない“新しい価値の提供”と、圧倒的な“超・低消費電⼒化”が実現される街の構想をさします。( https://group.ntt/jp/newsrelease/2025/12/08/251208a.html )