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第26022号
国内の電力小売市場、グリーン電力小売市場を調査
― 2040年度国内市場予測 ―
◆グリーン電力 6.0兆円
電力小売市場(21.7兆円)の27%超を占める
電力小売の内、新電力はシェア24.3%の5.3兆円
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 代表取締役 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、近年の燃料価格高騰が落ち着き、小売電気事業者による顧客獲得や提案が活発化する中で、新電力のシェアが増している電力小売市場や、環境価値への意識向上などで伸びが続くグリーン電力市場を調査した。その結果を「電力・ガス/グリーンエネルギー市場・企業戦略総調査 2026」にまとめた。
この調査では、国内の電力小売市場と、グリーン電力、市場連動型電力小売、国内発電量・電源ミックス推移、電力BPOサービス、CO2算定・可視化サービスの各市場を対象に最新の動向をまとめ、将来を展望した。さらに2016年の電力自由化以降に参入した新電力と呼ばれる小売電気事業者について、需要分野別やエリア別のシェア状況を整理したほか、主要新電力20社の事業動向や戦略、グリーン電力の展開状況などをまとめた。
◆注目市場
●グリーン電力
主に水力、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーにより発電された電力であり、小売電気事業者が需要家へ供給するものを対象とする。供給方法は二通りに大別され、電気事業者が再エネ電源を特定した料金プランを設定し供給するものと、環境価値証書(非化石証書、グリーン電力証書、J-クレジット)を活用することによりCO2フリー電力の供給とみなすものがある。FIT電気を活用した環境価値がない電力プランは対象外とする。
大規模需要家向けの特別高圧の規模が大きく、電力消費量やCO2排出量の多い産業施設や自治体・官公庁などの公共施設での採用が多い。また、参入企業は旧一般電気事業者が主体であり、法人向けを中心とした販売を行っている。一方で新電力は家庭向けを中心とした低圧領域で存在感を示しており、非化石証書によるCO2をオフセットしたメニューを提供することが一般的である。
2024年度の市場は前年度比42.1%増の9,762億円となり、高圧が前年度比80%以上の伸びで市場をけん引した。また、低圧は家庭需要を中心に前年度比60%以上伸びており、需要家の広がりがみられる。
市場は2025年度に1兆円を上回る見込みである。RE100やESG投資など環境価値への意識向上や政策動向を背景に、今後も市場拡大が続くとみられる。特に法人の需要家は2030年度や2050年度の再エネ電力導入、脱炭素目標達成が念頭にあることから、一度採用を決めた企業の離脱はほぼなく、今後も拡大推移が確実視される。
課題として、通常の電気料金メニューより従量料金単価が0.5円から3円/kWhほど高く、コスト増を許容する需要家はRE100参加企業など一部に限られるといった点がある。今後、より高い環境意識を持つ外資系企業などを中心に、付加価値に対する評価の高まりが期待される。
●電力BPOサービス
電力小売業務におけるバックオフィス業務である「需給管理」「電源調達」「顧客管理」のアウトソーシングと、差別化として営業支援や設立支援などのサポートを行うものを対象とする。
小売全面自由化開始から参入増加に伴って市場が拡大してきた。2022年度は電源・スポット市場価格高騰により、新電力の減少に伴う導入件数の減少がみられたが、市場は伸びが続いている。
参入サービス事業者は主要なサービスである需給管理代行に加え、電源調達や顧客管理でもメニューを拡大している。また、従来はフルパッケージでの提供が多かったが、近年は顧客のニーズに合わせたサービスのカスタマイズが増えているほか、需給管理代行のみを安価で請け負うサービスもニーズが増えている。コロナ禍以降、小売事業ライセンスの交付要件が厳格化されたため、設立支援サービスを含め新規のニーズが増加している。
2026年度から、電力取引システムの刷新に伴い、JEPX(日本卸電力取引所)会員費の値上げ、取引手数料の見直しが検討されている。見直しの方向性次第では、新電力が単独でJEPXから電源調達するメリットが減少するため、BG(バランシンググループ)加入増加などの電源調達が市場を後押しすると期待される。
2030年度より小売電気事業者に対して供給能力(kWh)の確保が義務付けられる予定である。販売量の小さい新電力では、単独で電力調達を行うメリットが減少することから、中堅・大手への販売量の集約が予想される。集約によって需要の裾野が狭まることや、バックオフィス業務の自社運用が増加するため、新電力の電力BPOサービス利用率は2025年度時点の72%強から、2040年度には約70%に低下すると予測される。しかしながら、電源調達のニーズ拡大に加え、顧客(新電力)が抱える顧客件数や契約電力規模が拡大することで1件あたりのサービス料金が上昇するため、市場拡大が続くとみられる。
●国内の電力小売市場における新電力シェア
2024年度は、近年高騰していた燃料価格が2023年度に落ち着いたことで、新電力が新規受付の再開や営業提案を活発化させたことにより、新電力は前年度比二桁増となった。燃料価格が低廉推移していることを受けて、高圧以上で連動プランの提案を積極的に行う新電力が増加し、高圧以上で大幅にシェアを拡大し、新電力シェアは22%となった。
2025年度も燃料価格は低廉推移しており電力自由化市場は活況である。特に、連動プランが競争力の高いメニューとして注目されている。新電力が法人向けの営業提案を継続していることや、家庭需要の獲得強化に向けてキャンペーンを再開しているケースも見られ、新電力のシェアがさらに拡大するとみられる。
新電力のシェアは2027年度には26%に達し、その後は横ばいから微減が予想される。市場に影響を与える動きとして、2030年度から開始予定の供給能力確保義務の取り組みがあり、制度開始に伴い電源調達戦略を見直す必要に迫られる新電力が現れると想定される。電力小売事業からの撤退や代理販売・取次化などビジネスモデルの変更に動くケースが一部発生する可能性もある。
◆調査対象
市場編2026/3/3
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。また、内容は予告なく変更される場合があります。上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。
情報提供:JPubb