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2025-10-24 00:00:00 更新

低温脱硝触媒粉末の販売開始について ~産業プラントでの省エネを通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献します~

2025年10月24日
中 国電力株式会社


低温脱硝触媒粉末の販売開始について
~産業プラントでの省エネを通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献します~


当社は、東京都公立大学法人東京都立大学(東京都八王子市、学長:大橋 隆哉、以下「東京都立大学」)と共同開発した低温脱硝触媒粉末について、ハルタゴールド株式会社※1(北海道札幌市、代表取締役社長:江本 慎治)と提携し、本日、同社による販売※2を開始しましたのでお知らせします。


このたび販売する脱硝触媒(以下「本触媒」)は、比較的低温(150℃~200℃)でも高い脱硝効果を有するため、産業プラントにおける排ガスの再加熱に係るエネルギーの削減を実現し、省エネルギー化に寄与するものです。2015 年から当社エネルギア 総合研究所と東京都立大学が共同で開発を進め、複数の特許を取得してきた中で、 幅広い業界の企業や機関から強い関心を寄せられていることを踏まえ、試験研究用等として少量規模での販売を開始しました。本日から注文を受け付け、本年11月10日から順次お届けします。


産業プラントでは、化石燃料やごみの燃焼時に排出されるガスに含まれる ばいじん※3や窒素酸化物(NOx)※4の大気放出を抑えるため、ばいじんを除去する除じん装置や窒素酸化物を分解する脱硝装置を備えています。


除じん装置では排ガス温度を低温(150℃~200℃)にする必要がある一方、後工程の脱硝装置では、同装置内に現在多く用いられている触媒※5が最も効果を発揮する 高温(200℃~400℃)で処理することが一般的です。そのため、多くの産業プラントは、排ガスを冷却してばいじんを除去した後、排ガスを再加熱して脱硝する設備構成と なっており、排ガスの再加熱に多大なエネルギーを要しています。


本触媒を導入することで、排ガスの再加熱が不要となり、省エネルギー化を図る ことができるものです。


さらに、研究・開発が進められている次世代発電システム(水素・アンモニア燃料)では、従来発電システムと比較してより多くの窒素酸化物が燃焼時に発生するとされており、本触媒の貢献が期待できます。


<低温脱硝触媒導入による省エネルギー化のイメージ>


今後は、販売を通じて本触媒の認知度向上を図るとともに、国立大学法人北海道大学(北海道札幌市、総長:寳金 清博)※6と共同で研究開発を進め、更なる高機能化 および速やかな社会実装を目指すことで、カーボンニュートラルの実現に貢献して まいります。


※1 世界の研究機関向けに研究用触媒の供給事業を展開するベンチャー企業。


※2 販売内容の詳細やお問い合わせ先はハルタゴールド株式会社HP(https://www.harutagold.com/)を参照


※3 工場や事業場における燃料やごみなどの燃焼等に伴い発生する粒子状物質。大気汚染や健康への影響を防止するため、大気放出を抑制する必要がある。


※4 物が燃えたときなどの高温状態において、燃料や空気中の窒素が酸化されることで発生する物質。光化学スモッグや酸性雨等の原因になるため、大気放出を抑制する必要がある。


※5 現在多くの産業プラントで使用されている脱硝技術は、窒素酸化物(NOx)を窒素(N2)と 水(H2O)に変換して無害化するものであり、触媒はこの反応を促進する役割を持つ。


※6 共同開発者(村山徹・現北海道大学触媒科学研究所教授)が東京都立大学から北海道大学へ 移籍されたことを受け、研究活動の一貫性を維持し、さらなる成果を追及する観点から、 共同研究先を変更したもの。


以 上

情報提供:JPubb

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