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2025-10-07 00:00:00 更新

実船試験でLNG燃料船からのメタンスリップ削減率98%を達成

舶用エンジン - ニュースリリース

実船試験でLNG燃料船からのメタンスリップ削減率98%を達成

2025年10月07日
カナデビア株式会社
株式会社商船三井
ヤンマーパワーソリューション株式会社

~2026年度末まで実船試験、2027年度以降の社会実装を目指す~

カナデビア株式会社(以下、カナデビア)、株式会社商船三井(以下、商船三井)とヤンマーパワーソリューション株式会社(以下、ヤンマーパワーソリューション)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)によるグリーンイノベーション基金事業「次世代船舶の開発」プロジェクトで採択された「触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ※1削減技術の開発(以下、本事業)」において、2025年5月より日本とオーストラリア間などの海域で実船試験を開始し、目標である70%を大きく上回る削減率98%を達成しました。

【実証船「REIMEI(苓明)」】

【船内のメタンスリップ削減システム(左:EGR※2システム、右:メタン酸化触媒層)】

本事業は、2021年度から2026年度までの6年間で、メタン酸化触媒とエンジンの改良を組み合わせ、LNG燃料船のメタンスリップ削減率70%以上を目標にするもので、メタンスリップ削減技術を世界に先駆けて社会実装することを目指しています。
本事業では、2022年3月に、陸上試験でのメタンスリップ削減率93.8%(100%負荷)達成の「鑑定書」を世界に先駆けて一般財団法人日本海事協会より取得しました。
この結果をふまえ、3社は陸上試験装置を実船用に改造し、2025年5月より商船三井が運航するLNG燃料大型石炭専用船「REIMEI(苓明)」による実船試験を日本とオーストラリア間の海域などで開始しました。実船試験は気象条件の影響ならびに実際の運航条件下でエンジンが使用されるため、機関室の環境条件やエンジンの負荷率が絶えず変化します。これらの条件下においても実用域(75%負荷)で陸上試験を上回る高い削減率を達成しました。
今後、実船試験は2026年度末まで装置全体の性能評価、触媒の耐久性に関する評価などを行い、2027年度以降の社会実装を目指します。

カナデビア、商船三井、ヤンマーパワーソリューションは、本事業を通じて早期にメタンスリップ削減技術を確立させ、海運分野における温室効果ガスの排出削減に積極的に貢献していきます。

  • ※1LNG燃料中のメタンの一部が未燃のままメタンとして大気中に排気されること。メタンはCO2と比較して温室効果が高く、GHG削減の観点からもメタンスリップ削減が求められている。
  • ※2Exhaust Gas Recirculation。エンジンの排気ガスを再循環させ未燃のメタンスリップやNOxなどを低減させる技術。

事業概要

公募実施者国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
事業名グリーンイノベーション基金事業「次世代船舶の開発」プロジェクト
実施者(幹事会社)カナデビア株式会社(大阪府大阪市、社長兼CEO:桑原 道)
(共同実施者)株式会社商船三井(東京都港区、代表取締役社長:橋本 剛)、ヤンマーパワーソリューション株式会社(兵庫県尼崎市、代表取締役社長:廣瀬 勝)
研究開発テーマ触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ削減技術の開発
実施期間2021年度~2026年度(予定)

【ご参考:本事業における各社の役割と社会実装に向けた取り組み】

プロジェクトのこれまでの取り組みについては、下記プレスリリースをご参照ください。

2021年10月27日付プレスリリース
「触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ削減技術の開発」事業がNEDOの「次世代船舶の開発プロジェクト」に採択

2022年3月16日付プレスリリース
「メタン酸化触媒システム」の基本設計承認(AiP)を世界初取得

2024年4月11日付けプレスリリース
陸上試験でLNG燃料のメタンスリップ削減率93.8%を達成し、世界初となる鑑定書を取得

  • ※記載内容は本リリース発表時点のものです。最新の情報とは内容が異なっている場合がありますのでご了承願います。

【報道関係者お問合せ先】

ヤンマーホールディングス株式会社
マーケティング部 コミュニケーション部 広報担当
E-mail: koho@yanmar.com


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