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知事記者会見
2025年8月8日(金曜)
16時15分~16時56分
【知事】それでは本日は、何件かこちらからもお伝えすることがございます。まず大雨が続いておりますね。気象庁は、今日の午前5時に鹿児島の霧島市に大雨の特別警報を発表し、現在は警報に切り替わっていますけれども、報道によりますと、浸水、家屋の倒壊などなど、被害が発生しているとのことです。被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。東京におきましても、突発的な大雨で、先ほどまで北区・板橋区に大雨警報(浸水害)が発表されておりまして、現時点で被害情報は確認されておりませんけれども、何でしょうね、もうこういうゲリラ豪雨というのが、ゲリラが、これが日常になるのかと思うとちょっとゾッといたしますけれども、引き続き情報収集を行ってまいります。気象庁によりますと、今日、この後もですね、雷を伴いまして激しい雨の降るところがある見込みとのことでございます。都民の皆さんにおかれましては、どうぞ気象情報、そして東京都、区市町村、それぞれ発する情報に十分ご留意いただいて、行動していただきますようによろしくお願いを申し上げます。それから、今日、先ほどですが第二回臨時会が開かれました。そして第53代議長に増子ひろきさん、副議長にかんの弘一さんが選任をされました。今、国際社会、そして日本、極めて不確実な局面を迎えております中で、知事と都議会、車の両輪となって都政を力強く前へと進めなければなりません。都議会の皆様と建設的な議論を重ねながら、東京大改革、加速させて、都民の負託に答えていきたいと存じます。
【知事】それから、暑さであります。今週は群馬の伊勢崎市でですね、国内最高気温を更新をいたしました。また、都内でも青梅などで40度超えということでございます。繰り返しになりますけれども、こまめな水分補給、迷わずエアコンを利用すること、そして「日傘男子」の言葉に象徴されますように、外出時の日傘・帽子の活用、さらにはクーリングシェルターのご活用、これらを基本にして暑さ対策を徹底していただければと思います。そして夏休み中は子供が外出する機会も増えるわけですけれども、去年の夏、18歳以下の子供が熱中症で緊急(正しくは、救急)に搬送された時、その際のですね、8割以上が運動場とか公園など、外出先での発生となっております。子供さんは、大人よりも背が低いということもあります。だから地面からの熱の影響を受けやすいということであります。また、新陳代謝が子供は大変活発なので、汗や呼吸などで水分を失いやすいということもあります。その結果とし体温が上がりやすいという傾向にあります。そのため、保護者、そしてまた周りの大人の方には、ぜひとも喉が渇く前のこまめな水分補給、エアコンの効いた場所、また日陰での計画的な休憩など、十分配慮していただきたいと思います。また、遊びに夢中になってですね、自分の体の異変に気付かないということも多い。そういうことからも、顔色とか汗のかき方、体調の変化にも注意をして、早めに対策をとるということが重要でございます。熱中症の予防に努めて、楽しい夏休み、過ごしていただきたいと思います。なお、夏休み期間中のイベント情報について、特設ページで、今ここありますけれども(スライド)、「東京都こどもスマイル大冒険」、こちらの特設ページではクーリングシェルターで開催されるイベントについても紹介をしておりますので、ご活用いただきたいと思います。東京消防庁、子供政策連携室が担当をいたしております。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)【知事】次に、太陽光発電に関する取組について3点ほどお伝えをしたいと思います。はじめに太陽光パネルなどの普及についてでありますけれども、今年の4月から大手ハウスメーカーの新築の住宅(等)を対象にしまして設置の義務化がスタートをいたしております。これを契機にして、太陽光パネルや、高い断熱性能を備えた「燃費のいい家」、これが広がっております。この「燃費のいい家」、これを多くの方に知っていただく、そのためにそらジロー、そしてハローキティがペアで登場する動画を作成いたしましたので、ご覧いただきたいと思います。どうぞ。
(動画放映)
【知事】はい、太陽光パネル、これを設置することで光熱費の削減になること、そして停電時の電源の確保といった防災面などで多くのメリットがあります。住宅をお選びになる際にはぜひご検討いただきたいと思います。また、太陽光パネルの設置に当たりましては、「台風や地震で大丈夫か?」とか、「リサイクルは大丈夫か?」「保険に加入できるのか?」といったような様々な心配のお声をいただくこともありますけれども、いずれもこれは大丈夫でございますので、安心して選んでいただきたいと思います。次に、小笠原村の母島で再エネ事業を行っております件についてお知らせいたします。離島であります母島ですけれども、電力はディーゼル発電に依存しているのですね。今、人口は420名程度でありますが、この離島でディーゼルに頼っているということで、環境負荷の低減、そしてレジリエンスの、強靭化ですね、の向上が課題となっているわけです。そこで、1年のうち半年程度の電力を太陽光発電のみで賄う、この実証実験を、今月29日(金曜日)から開始をいたします。小笠原村ですが、ご存知のとおり世界自然遺産の島でございます。自然や景観に配慮しての整備を行っております。ゼロエミッションアイランドの実現に向けて、島しょ地域の再エネ100%電力供給、その先駆けとして取組を進めてまいります。それから3番目の点でありますけれども、次世代型太陽電池のネーミングについて。以前もお伝えいたしましたようにですね、この太陽電池ですけれども、薄い・軽い・曲がるといった特徴を持つ日本生まれの技術でございます。ポイントとして、原材料のヨウ素でありますけれども、わが国はですね、世界で第2位の産出国であるということ。これもですね、安定的な供給体制が構築できるという点、これも強みになっているわけです。この太陽電池の普及に向けて、親しみやすい名前を投票で決めていこうということで、ネーミング総選挙を行ってまいりました。その結果、お知らせをしたいと思います。はい。ということで、ご覧のとおり(スライド)、総選挙の投票数、合計で1万5千票を超えておりまして、その四つの候補の中で、「Airソーラー」、これが4,388票、最も多くの票を獲得をいたしました。投票にご協力いただいた方、感謝を申し上げたいと思います。ということでこれ、Airソーラー。色々なタイプがこれからも出てくると思いますけれども、Airソーラーですけれども、ちょうどこのネーミング、お選びいただいたネーミングですけども、空気のようにあらゆる場所に設置できるということを表すというその点と、Anywhere、「どこでも」のA、それからInnovativeというのは「革新的」のI、それからRenewable energy「再生(可能)エネルギー」、その頭文字が、A、I、Rになるという、その頭文字をとった名前となっております。今後はSNSや動画を活用するとともに、世界陸上などのイベントとも連携して、この名称を広く普及させてまいります。こういう軽くて、そして曲がって、薄くてというその特性からも建物の壁、窓、それから車など、あらゆる場面でのですね、活用が期待されているところで、再エネ創出のゲームチェンジャーとなりえるかと思います。Airソーラー、ぜひその導入を推進をしまして、「発電する未来都市」の実現を目指してまいりたいと思います。環境局、産業労働局の担当でございます。
(会見で放映した動画は、こちらをご覧ください。)
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「そらジローとハローキティが初共演「燃費のいい家」夏篇を制作」は、こちらをご覧ください。)
(「母島における再生可能エネルギー100%電力供給実証事業開始」は、こちらをご覧ください。)
(「日本生まれの太陽電池の名前は「Airソーラー」」は、こちらをご覧ください。)
【知事】次に女性活躍ですね。育業とか、女性活躍、社会の意識変革・マインドチェンジを進める取組についてのお伝えをしたいと思います。10年前に、2015年なのですけれども、育業した男性の統計は都内でわずか4.5%でしたけれども、男性が育業するというと、当時はですね、「もう出世を諦めたのか」とかですね、「ちょっと変なやつ」とかですね、何か、せっかく子育てに参画しようと、ワンオペじゃなくてね、しようとしてもなんとなく後ろめたいような、「休む」という字がついていますしね。そういうネガティブな空気があったことは否めないと思います。ただ、育児休業というのは、決して休みではないわけで、ぜひその育業はですね、堂々と、そしてまた同僚の皆さんからも祝福されるような、そういう環境もつくりながらですね、「ただいま育業中」と胸を張って言えるような、そんな社会をつくっていかなければならない。そういう、私自身、そのことを信念を持って取り組んで進めてきたわけでございます。それが今、10倍以上の54.8(%)まで増えているというのは、皆さんそれに対して、この育業に対しての、何と言うのですかね、ネガティブというよりも、むしろそれを普通に進んで進めておられるんだということだと思います。時代とともにですね、また「非常識かな」と言っていたもの、そういう捉えられがちなことが普通になっていくというのは、社会の変革の表れなのかと思います。ということで、男性の育業は10年前の軽く10倍を超えているということ、54.8%、全国平均を10%以上も上回っております。男性の2人に1人が育業という、そういう計算になるわけであります。ぜひ育業の理念、社会のマインドチェンジにつながってきたことも、この数字が物語っているかなと思います。あらゆる場面で女性が当たり前に、また男性が当たり前に能力を発揮できて、お互いに高め合うと。そういう社会をつくり上げていくと、その旗振り役として都は、女性活躍の輪、Women in Action、「WA」ですね、として働く女性の活躍を促進する、そんな様々な取組を進めているところであります。今回、その一環として、「一人ひとりが性別にとらわれることなく、自分自身が希望するキャリアを歩むことができる社会」、これをテーマにしたイベントを開きます。Women in Action、「WA」ですね、でChoosing Your Career、キャリアを選べる、選択するというテーマになっております。8月25日(月曜日)にTIB、有楽町のTIBで開催をいたします。このイベントでは、ベストセラーとなっておりました「選択の科学」の著者として有名なコロンビア大学のビジネススクールの教授シーナ・アイエンガーさんに基調講演を行っていただきます。そのほか、ご覧の(スライド)企業のトップの方々を交えまして、パネルディスカッションを行ってまいります。私も参加を予定しております。ぜひとも将来を担う高校生との意見交換を予定しているので楽しみにしております。参加費は無料。ぜひ多くの皆様方、お申込みいただければと思います。子供政策連携室と産業労働局の担当となっております。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)【知事】それから、予定より早く、また小さく生まれた新生児の集中治療室、これをNICU、ICUの前にNがつくわけですけれども、ここに入院をしたお子さんに対して、成長や発達を記録できる手帳「のびのび」を、この手帳をお配りをいたしております。このたびですね、リニューアルをいたしました。ちょっと小さめになりまして、ただ中身は充実ということでご家族からは医師や看護師、保健師などの支えが大きな力になりますという、そういうお声もいただいておりまして、こうした方々も一緒に記録できるようにいたしております。また、入院中の期間から記録できるようにして、お子さんの成長の記録はここにまとめられるというような、そういう中身になっております。表紙のデザインもですね、かわいいですよね。ムーミン。家族愛とか個性の尊重を象徴するムーミンを使用しまして、周産期母子医療センター、また区市町村の保健センターなどで配布をいたします。どうぞこの手帳がですね、お子さんやご家族にとっての大切な成長記録となることを願っております。担当は保健医療局となっております。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)【知事】もう1本、最後になりますが、来年度の予算案に反映して、都民の皆さんから事業提案いただいております、その都民投票についてのお知らせであります。都では、都民の声や研究者の知見をですね、都の施策に反映する仕組みとして、都民提案、また大学提案を募集してまいりました。これまでにもですね、多くの提案が事業化されておりまして、例えばこちらに載っております(スライド)、インフラ運営の透明化に向けたICT・AIを活用した市民協働システム。ちょっと長いのですけれども早い話が、道路が損傷している、また何か不具合があるということをですね、道路局とかこちらの巡回カーでチェックをするというのではなかなか全部に行き届かないところを、実際にその道路を使って「ここちょっとガタついている」とかですね、そういったことを都民の皆さんがアプリを使って、写真をですね、写メをして、それを投稿していただく、そのアプリを開発・運用したのが、まず都民の皆さんからの提案で、それも都民の皆さんから投票していただいて高い点数のところにお願いをして、そして事業化しているということです。今、申し上げたこのアプリですけれども、今回ですね、道路だけじゃなくて公園、それから河川にも対象拡大をすることにしまして、これまで4千件を超える投稿をいただいてまいりました。このように道路などの迅速な補修に皆さんからの通報といいましょうか、教えていただくことによって、それが都民をまた守るということにつながっている、そういった実績も重ねてきたわけであります。今年度も創意工夫に満ちた提案、たくさんいただいております。特に都民提案ですけれども、1,094件と、平成29年度からこの制度を始めておりますけれども、今回、1千件を超える提案数となっております。その中から、都民提案として12件、それから大学提案で8件、この事業をまず、事業案を選定をいたしまして、現在、都民の皆様によるインターネット投票を実施をしているというところで、今月の31日(日曜日)まで、15歳以上の都内在住の方が対象になっております。スマホから簡単に投票できますので、「この案はいいね」と「こんなことが実現したらいいね」ということを皆さんから投票していただいて、そしてこの案を決めていきたいと思って、事業提案の中身を決めていきたいと思っております。ぜひ多くの方々に投票していただきたい。財務局の担当となっております。以上私の方から何件かお伝えをいたしました。どうぞ。
(会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。)
(「都民・大学研究者事業提案制度 都民投票開始」は、こちらをご覧ください。)
【記者】はい、幹事社のフジテレビから1問です。先日、総務省が発表した統計調査によりますと、日本人の人口が過去最大のですね、減少幅だったということで、少子化対策などを次々と実施されて、「都民の義母」とも呼ばれている小池知事のご所見をお願いします。
【知事】人口問題というのは、本当に国として大変大きな問題であり、これも長年、問題問題といって、ここまできているということであります。一方で、この人口については、東京一極集中という指摘を受けるわけですけれども、人の移動、社会増減ですけれども、その実態を見ますと、東京だけではございません。大阪、札幌、福岡、名古屋、要は大都市に人が集まっているということで、この大都市ということがポイントだということになると思います。また自然増減、これは出生から死亡を除いた数字になるわけですけれども、都を含みます全ての都道府県で減少しているということで、この課題はまさにいかに立ち向かうかという大きな課題になっているわけであります。そういうことはもう前から分かっているわけで、私は今はまさにポイント・オブ・ノーリターン、少子化もさることながら、母がいなくなると少子化対策になりませんから、少母化に対応しての無痛分娩とか卵子凍結とか、働き方そのものを変えるとか、先ほどお伝えしたような育業、制度を変える、そしてその制度をバックアップするための様々な方策を同時に行っていく。特に東京都では、細切れの政策ではですね、結局、一人の人生、色々なライフステージがあるわけですから、そこで一気通貫で、どれぐらいその人生として、また自分の選択として選ぶ、そのポイントがあるのかというのを、やはりそれぞれ女性も男性も、よく考えて見ているわけでありまして、シームレスに、まず出会いから結婚、出産、子育てまで、こういう流れがですね、シームレスな対応が必要だということを考えております。ただ、そういう中で出生数の先行指標と言われる婚姻数が全国を上回る水準で東京では増加しているというのは、これは明るい兆しだと、このように思います。これからも喫緊の課題である人口減少問題に正面から取り組んでいきたいと、このように考えております。
【記者】ありがとうございます。幹事社からは以上です。知事の指名があってから社名、氏名を名乗って質問してください。よろしくお願いします。
【知事】日経さん、どうぞ。
【記者】日経新聞の飯塚です。来週、8月15日の会見がございませんので、戦後80年に関連した質問をさせていただきます。日本は戦後80年間、幸いにして再び戦争の惨禍に巻き込まれることもなく、平和国家としての歩みを続けることができましたが、現在は中国の軍備増強や北朝鮮のミサイル発射など、戦後最も厳しい安全保障環境に直面するとも言われております。その中で防衛力の抜本的強化なども課題となっておりますが、防衛大臣も歴任され、安全保障政策にも精通される小池知事としては、戦後80年を迎えた現在の日本の安全保障政策の課題についてどのようにお考えになっていますでしょうか。また、現実的な安全保障政策を国会で議論するためには、かつて知事自身が希望の党という形でチャレンジされた政権交代可能な保守二大政党制の実現が、今でも望ましいとお考えでしょうか。よろしくお願いします。
【知事】一番最後の二大政党制というのは、今、非常に多党化しているということから考えると、なかなかハードルは高いのかなと思います。そして、そうですね、今、国際社会が大変分断をして、また、パラダイムシフトも起こっていて、それは色々な社会や産業、経済などで起こっていること。それから安全保障という点では、人口問題こそ安全保障の基の一つだというふうに思っております。今、何と言うのですかね、アメリカのトランプ関税の今回の、何と言うのすかね、非常にダイナミックな変化など、アメリカの存在感を感じざるを得ないわけですけれども、一方で、求心力が一体どこにあるのかというと、昔からイアン・ブレマーさんという、そのリスク格付けなどを行って世界を見ておられる方がかねてから、G7とかG8とかG20とか、そうじゃなくて、もう「Gゼロ」だと言っておられるのは、まさに今、私達が毎日目にしているような激動の時代の、一言で表せばそういうことなのだというふうに思います。東アジア情勢、非常に今、厳しいことはご質問のとおりであります。そういう中でどうやってそういったリスクに対して、わが国に対してのリスクを考えていくのか、まさに参議院選挙というのは、本来はそういう安全保障とか大きな課題で議論すべきではなかったかなと。都議選の後の参議院選挙でどっちも生活の話。それも大きな、個人の安全保障にもなるわけですけども、少しそういった視座が欠けていたのではないだろうかなと。それだけ生活も厳しいのだろうというふうに思います。私は、日米関係は、これはまた重要だと考えておりますし、これから一方で、冷徹な目で世界の動きを見定めて、戦略的に行動すること、求められているかと思います。私が、第一次安倍政権で、NSCの、今、国家安全保障政策会議(正しくは、国家安全保障会議)という、昔は、「国家」とかついていなかったと思いますけど、大体、事後報告をするような会議だった。そこで戦略的に考えていくという、そういう、それも小人数でという、そういう建付けを進める役を担っておりました。NSCという存在が、これまさに今、重要な役割を担っていくし、また政治も、そういった世界を俯瞰した中での日本ということを議論をしていただきたいと、このように思っております。NHKさん。
【記者】すいません。NHKの佐久間です。参議院選挙でですね、日本維新の会が首都の中枢機能を代替できるような規制緩和と大きな権限を与えるという副首都の構想を立ち上げていました。政府に求めていますけど、この前、予算委員会で石破総理もこれに対して、ある程度前向きな答弁を行ったところですけれども、今、東京都、首都の知事としてこの動きというのをどう考えているのか、教えていただければと。
【知事】災害時の首都機能の確保についてはですね、色々議論があるところだと思います。そもそもじゃあ日本中のどこが一番安全なのかということについて、これについても色々な切り口があるのだろうと思います。私は昨年も都知事選で、「首都防衛」という4文字を訴えてまいりました。都民の命と暮らしを守ると同時に、この首都を担っているという責務を感じてのことでございます。そこから建物の耐震化、インフラの強靭化、また首都を守ることからですね、東京都としてなすべきことをやっております。首都直下地震などへの災害リスクを理由に首都機能を分散させるような議論については、様々な観点からの議論が必要なのだと、このように思っております。東京新聞さん。
【記者】東京新聞の奥野です。2点お願いします。1点目は、都民大学提案制度について伺います。先ほどの知事の発表で、インターネット投票中とありましたけれども、一方で今年3月に大学提案での不正投票が発覚して、東京都と大学が事業を中断するということもありました。不正防止について対策など、知事のお考えをお願いします。
【知事】今、ご質問の案件は、むしろ大学内の話だというふうに理解をいたしております。以上です。
【記者】2点目なんですが、東京の夏の暑さ対策について伺います。先日、TBSの安住紳一郎アナウンサーが、ラジオ番組内で「私が都知事だったら」ということで、「湾岸部の高層マンションやビルを壊して風の通り道を作る」とか、「港区に田んぼを作る」とお話されて、SNS等で話題になっていました。これまでの、このまちづくりとか緑化という観点での意見、提案だと思うんですけれども、知事に改めて長期的な視点での気候変動対策ですとか、まちづくりについてお考えをお願いします。
【知事】環境大臣当時から、ずっと「風の道」ということについてまちづくりを進めるべきと、また東京都におきましても、「風の道」の確保という点で様々な開発について東京都としての姿勢も推し進めてきたところでございます。できること、そしてまた緑の確保、こういったことも念頭にしながら、これからも東京都が強靭化だけでなく、この「風の道」の確保や、また憩いの場の確保、そして一方で、昔、関東大震災の後のですね、(復興)小公園がいくつもできたという後藤新平さんの政策などもですね、いつも振り返りながら進めていきたいというふうに考えております。
【記者】ありがとうございます。
【知事】読売さん。
【記者】読売新聞越村です。どうぞよろしくお願いいたします。全国知事会の新会長に長野県の阿部守一知事の就任が決まったかと思います。この件の知事の受け止めをお願いします。また、現在の知事会の中では、人口減、地方経済活性化の文脈で東京一極集中の是正や税源移譲を求める意見が知事会の中で多く見受けられると思います。対して東京都の方では是正する偏在はない、パイを奪うより大きくした方がいいという主張を、小池知事もはじめ主張されていますが、なかなか知事会では理解が難しいところがあるのかなというふうに思っています。新会長の阿部新会長に、その点も含めて、どういったこの人口減とか一極集中の件について議論を求めていきたいかという、その期待とか注文とかあればよろしくお願いいたします。
【知事】はい。まず会長選挙、その阿部長野県知事以外に手が挙がっていないということから決まっていく。これについては、阿部知事には、これからも国全体の成長や発展に向けて手腕を発揮されることを期待をいたしております。平場の中では、それぞれ東京を、とにかくそこに質問とか、それから何ですか、発言をむしろ集中させておられるように思いますね。先ほど申し上げましたように、大都会への集中であったりしますので、そのことは皆、知事さんご存知です。それをあえて発言をされているのだろうなというふうに思っております。阿部会長には、国全体の成長や発展に向けて対応されることを期待をいたしております。
【記者】どうもありがとうございました。
【知事】日刊工さん。
【記者】日刊工業新聞社の楠です。本日もお話にありました、次世代型のペロブスカイト太陽電池への期待に関しての質問です。
【知事】Airソーラー。
【記者】Airソーラー。今月5日から、そのAirソーラー、ペロブスカイト太陽電池を。
【知事】いやいや、Airソーラー。
【記者】Airソーラー、はい。Airソーラーを組み込んだ建材一体型の内窓の実証実験がテレコムセンターで始まりました。内側に取り付けられるため、設置や清掃が簡単といったメリットがございます。この内窓が開発される前に、知事がたくさんある東京の建物やビルを生かせないかと発言されていたと伺いました。建物を発電に生かすということが実現に近づいておりますが、改めてAirソーラーの都市での利用に対する期待を伺えますと幸いです。お願いいたします。
【知事】基本的に、この国の大きな課題、さっきは人口問題について申し上げましたけれども、エネルギーにあまりというか、恵まれていないということ。そこを再生(可能)エネルギーでいかに確保していくのか。各国、それもかなり国策としても積極的に取り上げて進めてきて、当初はかなり日本の技術も取り入れられて、世界中で環境技術、日本の環境技術に対する信頼度とか期待というのはとても大きいものがありました。太陽光発電もですね、残念ながら今、この日本の技術というのは、住宅用のは今もそうなのですけれども、それに加えて屋根を直さなくとも、そのまま乗せられる、こういう軽いものですとね、Airソーラーですと。そういったことを活用していくという。今回、4月からの(太陽光発電設備設置)義務付けという案を実際に今進めているわけですけど、でも今、お話のように内側からつけるシステムとかですね、更に薄くするとかですね、色々なやり方、家だけではありません。車のですね、屋根とかボンネットにつけてもいいわけですし、だからまさにゲームチェンジなのですね。そのためにも、こうやってイノベーションを促して、そしてそれを、かつ普及をさせて、そしてコストや、またスケールメリットを確保していくというのが、まさにイノベーションだというふうに思っております。ですから、SusHi Techとよく言っておりますけれども、サステナブル(Sustainable)な、「Sus」ですね。それをハイテク(High-Tech)で持続可能な社会を、ハイテクを通じてというのは、一連の様々な都政の施策の背骨と言ってもいいでしょうかね。それについて、一つ一つの項目で都政として進めているということであります。これからもですね、日本の技術力というのをもう1回ですね、生かして、それが国益にもなり、またそれが世界にも広がっていくという、それによってですね、稼いでいく日本。そういう、そしてまたそれを都から牽引していくという役割をこれからも担っていきたい。その一つの例だというふうに思っております。これからも色々な技術力をですね、試していただいて、スタートアップで優れたものは、東京都はまた応援をしていきますし、これからもですね、日本の大きな課題、これを解決していくためのその先頭の役を担っていくのが東京。まさしく首都の役割というのはたくさんありますので、その一つでもあろうかと思います。ありがとうございました。
【記者】Airソーラー、しっかり活用させていただきます。ありがとうございます。
【知事】Airソーラーでお願いいたします。ありがとうございました。
※テキスト版については、読みやすさを考慮し、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどの整理や補足説明をしています。
(テキスト版文責 政策企画局戦略広報部企画調整課)
情報提供:JPubb