高浜発電所4号機の定期検査状況
(蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果等)2025年7月23日
関西電力株式会社
高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット)において、2025年6月18日から実施している第26回定期検査の状況について、以下のとおりお知らせします。
1. 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果 (添付資料-1、2、3参照) 3台(A、B、C)ある蒸気発生器(以下、SG)の伝熱管全数※1に対して渦流探傷検査(以下、ECT)※2を実施しました。
その結果、C-SGの伝熱管2本について、いずれも管支持板部付近に外面(2次側)からの減肉とみられる有意な信号指示※3が認められました。また、A-SGの伝熱管1本およびC-SGの伝熱管1本の高温側管板上部に内面(1次側)からの割れとみられる有意な信号指示が認められました。
伝熱管の外面減肉については、2018年以降、高浜発電所3号機および4号機の定期検査においても同様の事例が発生しており、原因はスケール※4による摩耗減肉と推定しています。
今後、SG内外の系統の調査や小型カメラによる損傷箇所の調査に加え、SG内のスケールの形状や性状の調査等※5を実施する予定です。
また、伝熱管の内面割れについては、これまでも類似箇所に同様の事例が発生しており、原因は応力腐食割れによるものと推定しています。このため、過去の調査結果の確認や運転履歴の調査を実施する予定です。
なお、有意な信号指示が認められた伝熱管4本については、高温側および低温側管板部で施栓し、使用しないこととします。
本件による環境への放射能の影響はありません。
※1:過去に有意な信号指示が認められ、施栓した管等を除き、A-SGで3,236本、B-SGで3,245本、C-SGで3,246本、合計9,727本。
※2:高周波電流を流したコイルを伝熱管に接近させることで対象物に渦電流を発生させ、対象物のきず等により生じた渦電流の変化を電気信号として取り出し、きず等を検出する検査であり、伝熱管の内外面の両方を検査している。
※3:割れを示す信号や20%以上の減肉を示す信号の指示。
※4:2次冷却水に含まれる鉄の微粒子が、SG内に流れ集まって伝熱管に付着したもの。
※5:外面減肉の発生を抑制させるため、4号機では第24回、25回定期検査において薬品洗浄を実施しており、今後の原因調査の中でその状態を確認する。
2. 原子炉補助建屋での協力会社作業員の負傷
(添付資料-4参照)
原子炉補助建屋(管理区域内)において、7月21日11時00分頃、Aほう酸タンク※6内に設置していた足場の解体作業中の作業員が、高さ約1.5mの足場板に腰かけ、タンク床面に降りようとした際、右手で掴んでいた足場材(単管)の接続金物が緩んでいたため単管が外れ、体勢を崩し前かがみで転倒しました。
その際、右脇腹を打ち付けたが、特に痛みを感じなかったため作業を継続していました。しかし、翌日7月22日に右脇腹に痛みを感じたことから病院で診察を受けた結果、約1~2週間の入院加療を要すると診断されました。
なお、作業員に汚染および被ばくはありませんでした。
今後、原因について調査を行い、再発防止に努めてまいります。
※6:高濃度のほう酸水を貯蔵するタンク。原子炉停止に必要な量のほう酸水が貯蔵されている。
以 上
公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2025/pdf/20250723_1j.pdf