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2025年7月1日
川崎汽船株式会社
川崎汽船株式会社(以下、「当社」)は LNG燃料自動車船「OCEANUS HIGHWAY」(以下、「本船」)において当社初となるバイオLNG燃料を使用した自動車船の運航を開始しました。
本船は6月16日(月)にベルギー・ゼーブルージュ港において、Shell Western LNG B.V.(英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル傘下、以下、「シェル社」)より約500トンのバイオLNG燃料の供給を受けました。
今回シェル社より供給されたバイオLNG燃料(液化バイオメタン、LBM)は再生可能な有機廃棄物を原料とし、製造から消費までのサイクルを通じてカーボンニュートラルと見なされます(注1)。またバイオLNG燃料は有機廃棄物からメタンを回収して燃焼させることで、大気中へのメタンの放出を防ぎ、温室効果ガスの更なる削減に繋がります。バイオLNGは既存のLNGサプライチェーンを活用できるため、船舶運航における脱炭素化に向けた有効な手段となります。
尚、今回使用するバイオLNG燃料は、ISCC―EU認証(注2)を取得しています。
シェル社 Dexter Belmar副社長のコメント
「バイオLNG燃料は足元からすぐに利用できる実用可能性の高い燃料です。シェル社は、バイオLNG燃料の導入をリードする“K” LINEのような世界的な海運会社と協力し、ともに、海運業界全体のクリーン代替燃料への移行を推進してまいります。バイオLNGの供給を拡大し、商業利用を進めることで、海運会社が運航する既存のLNG燃料船でもさらなるGHG排出削減が可能になることを荷主含むステークホルダーへ示してまいります。」
川崎汽船株式会社 新井 啓人 環境・技術戦略グループ長のコメント
「このたび当社はシェル社との協業により、自動車船におけるバイオLNG燃料の使用を開始いたしました。当社は2050年までにGHG排出ネットゼロを目指しており、海上輸送における温室効果ガス排出削減は最重要課題の一つとなっております。今回のバイオLNG燃料の使用開始はGHG排出ネットゼロに向けた大きな一歩となります。また、世界的な大手エネルギー会社であるシェル社との協業により、クリーン代替燃料への移行において海運業界全体へ大きな影響を与える役割を果たせていると感じています。当社は2050年GHG排出ネットゼロを実現するため、引き続きクリーン代替燃料導入に取り組んでまいります。」
当社の環境に関わる長期指針「“K”LINE 環境ビジョン 2050~青い海を明日へつなぐ~」 (注3)では、国際海事機関(IMO)が定める2030年目標である「CO2排出効率2008年比40%改善」を上回る「同50%改善」という目標を設定し、さらには2050年の目標としてGHG排出ネットゼロに挑戦していくことを掲げております。そのアクションプランとして当社は今後も環境負荷低減が可能な代替燃料導入に取り組み、目標達成に向け挑戦してまいります。
(注1) 炭素強度(エネルギー消費当たりの二酸化炭素排出量)は、燃料の製造から消費までのライフサイクルベースで欧州再生可能エネルギー指令(RED II)に準拠した方法により算出されます。バイオLNGは、成長過程で大気中のCO2を吸収するバイオマスを原料としているため、CO2排出量より削減量が上回ることで炭素強度はゼロ以下となります。
(注2) ISCC-EU認証(国際持続可能性カーボン認証)は、バイオマスや廃棄物を原料とする持続可能な燃料がEUの法的基準を満たしていることを証明する制度です。この認証は、持続可能性と温室効果ガス排出削減の基準をクリアしていることを示しており、RED IIに基づいています。
(注3) 「“K”LINE環境ビジョン2050 ~青い海を明日へつなぐ~」
GHG削減のアクションプランとして、アンモニア・水素燃料といったゼロエミッション燃料、およびバイオLNG、合成燃料等のカーボンニュートラル燃料の導入を掲げています。
https://www.kline.co.jp/ja/sustainability/environment/management.html
【バイオLNG燃料を用いて運航を開始した「OCEANUS HIGHWAY」】
【バイオLNG燃料供給の様子】
情報提供:JPubb