2025 年 5 月 23 日
NTT アノードエナジー株式会社
「蓄電所構築・運用おまかせサービス」の提供開始 ~全国9電力エリアで高収益、安定運用を実現する“蓄電所ビジネス”を一気通貫でサポート~ 「蓄電所構築・運用おまかせサービス」は商標登録を出願中です
NTT アノードエナジー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岸本照之、以下、NTT アノードエナジー)は、国内トップクラスの規模を誇る蓄電所オペレーターとして 2027 年度末までに全国 23 か所、合計 300MWh を超える系統用蓄電所(以下、蓄電所)の展開を進めています。そこで得られた豊富な構築・保守・運用の実績や 100 年以上にわたる通信ビルの電源システム構築・保守で培ったノウハウを活かし、蓄電所ビジネスへの参入を検討されているお客さま(以下、蓄電所オーナー)向けに、収益最大化を追求する新サービス「蓄電所構築・運用おまかせサービス」の提供を 今年7月から開始します。
●「蓄電所構築・運用おまかせサービス」のポイント ・ 構築から保守・運用までを一気通貫(ワンストップ)でサポート ・ 全国 24 時間 365 日の監視・駆付け体制による迅速なトラブル対応 ・ NTT 研究所などの技術を活用したエネルギー流通プラットフォーム(予測エンジン・最適化エンジン)による運用 蓄電所ビジネスの市場環境 政府は第 7 次エネルギー基本計画において 2040 年までに再生可能エネルギー(以下、再エネ)の比率を 40~50%程度に引き上げる目標を掲げています。再エネの主力電源化が進む中、火力発電などの安定電源とは異なり発電量が気象条件に左右される再エネの特性を踏まえると、電力系統の安定運用には充放電を柔軟に行える蓄電池の普及が求められています。2024 年度からは、需給調整市場の全商品化に加え、卸電力市場や容量市場など複数の市場での取引が可能となり、蓄電池の導入コストも安価になっています。
このような状況下、再エネ事業者にとどまらず金融や不動産など異業種からの蓄電所ビジネスへの参入が加速しており、経済産業省によると 2024 年 12 月末時点での蓄電所の接続検討の規模は約 9,000 万 kW に達し、対前年比で約 3.5 倍に拡大しました。
「蓄電所構築・運用おまかせサービス」の提供開始 NTT アノードエナジーは、NTT グループのデータ資産や AI などを活用し、太陽光発電量や電力市場価格の予測に基づき、蓄電池の充放電を最適化する「エネルギー流通プラットフォーム(予測エンジン・最適化エンジン)」を開発しました。さらに、2023 年7月に福岡県田川郡香春町に、NTT アノードエナジーとして初めてとなる蓄電所、田川蓄電所※1の運用を開始して以降、全国 9 電力エリア※2・23 か所において総蓄電容量 340MWh におよぶ自社蓄電所の構築を進め、保守・運用を通じて得られたデータや市場の変化を踏まえた取引ノウハウによりさらなる高度化を図ってきました。これらの実績や 100 年以上にわたる通信ビルの電力システム構築・保守で培った技術力やノウハウをもとに、蓄電所ビジネスを一気通貫でサポートする「蓄電所構築・運用おまかせサービス」を今年7月から提供開始します。
「蓄電所構築・運用おまかせサービス」の特徴・提供価値 本サービスは、FIT(固定価格買取制度)による太陽光発電事業に次ぐ収益源の確保や、遊休地の活用、蓄電所による地域への再エネ導入の後押しなど、新たな事業機会を求める事業者のニーズに応えるものです。蓄電所の構築から保守・運用までを一気通貫でサポートすることで、蓄電所ビジネスの安定運用と収益最大化を実現します。
構築・保守・運用の各フェーズにおける主なサービスの特徴と提供価値は以下の通りです。
①構築:マルチベンダーでの目利き、蓄電システムの設計・工事、セキュリティ対策により、トータルコストの削減とともに 安全性と可用性の高いシステムを構築
②保守:全国の保守拠点による 24 時間×365 日の監視・駆付け体制、複数ベンダーへのダイレクトコントロールに よるトラブル時の事業影響を最小化
③運用:NTT 研究所などの技術を活用し開発した「エネルギー流通プラットフォーム」により、高精度な市場価格予測や複数の電力取引市場への対応、ならびに蓄電池劣化コストを加味した充放電計画の策定により収益最大化をサポート
蓄電所オーナーが直面する課題・リスクとその対応 蓄電所ビジネスで安定した収益を長期的に確保するためには、単なる設備導入にとどまらず、構築段階から保守・運用まで全体を見据えることが求められます。具体的には、安全性と可用性の高い蓄電システムの構築に加え、事業への影響を最小限に抑える保守計画と体制の整備、さらに複数の電力市場における日々のタイムリーかつ効率的な取引が不可欠です。
こうした全体を見据えた高度な運用を実現するには、蓄電池・PCS・EMS ベンダー、EPC 事業者(設計・調達・建設)、保守事業者、アグリゲーターなど多様なステークホルダーとの連携が欠かせません。しかし、そこにはシステムの組み合わせ評価不足による工程のやり直しや、蓄電池の劣化を考慮しない運用による性能低下、トラブル発生時のベンダー間調整に時間を要し蓄電所が長期停止するなど様々な課題やリスクが存在します。これらを未然に防ぎ、迅速に対応するには、一気通貫でサポートしトラブル発生時には横断的に対応できるパートナーの存在が極めて重要です。
NTT アノードエナジーは、これまで蓄積した経験と知見を活かし、これらの課題やリスクに対応するための一貫したサポート体制を整えています。蓄電所オーナーに対し、蓄電所の構築から保守・運用までをトータルでサポートすることで、事業期間を通じた安定運用を実現し、収益性の最大化を支援します。私たちは、蓄電所オーナーの皆さまとともに、持続可能なエネルギー社会の実現とカーボンニュートラルの達成に貢献してまいります。
図 1 エネルギー流通プラットフォームの開発
図 2 自社蓄電所の構築、運用・保守事例
※1 田川蓄電所の運用開始
NTT アノードエナジーニュースリリース「太陽光出力制御の低減に向けて福岡県田川郡香春町で系統用蓄電池の運用を開始しました (2023 年 7 月 19 日)」 https://www.ntt-ae.co.jp/pdf/press20230719.pdf
※2 沖縄電力管内を除く
■本リリースは、NTT グループが展開する GX ソリューションブランド「NTT G×Inno(エヌティティ ジーノ)」※の取り組みの 1 つです。
URL: https://group.ntt/jp/group/nttgxinno/
※「NTT G×Inno」は、日本電信電話株式会社の登録商標です。
「NTT GX(Green Transformation)× Innovation」の略称であり、社会へのソリューション提供を通じて GX 分野で Innovation(変革)をおこし、2050 年カーボンニュートラルの実現に貢献していく取り組みです。
以上