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2025-04-28 00:00:00 更新

村田製作所とRohde & Schwarz社が共同でDigital Envelope Trackingの省電力効果を測定するRFシステムを開発

村田製作所とRohde & Schwarz社が共同でDigital Envelope Trackingの省電力効果を測定するRFシステムを開発

  • その他

2025/04/28

株式会社村田製作所
代表取締役社長 中島 規巨

株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG(本社:ドイツ・ミュンヘン、以下、「Rohde & Schwarz社」)と共同で、当社独自の電力制御技術であるDigital ET (Digital Envelope Tracking)※1の効果を測定するRF(Radio Frequency)※2システム(以下、「当システム」)を開発しました。当システムを使用することで、5Gや6Gなどの通信機器におけるDigital ETの省電力効果を高い精度で測定することが可能になります。

  • ※1Digital ET:RF信号を増幅する電圧を最適化し、消費電力を削減する電力制御技術。2021年に当社がEta Wireless, Inc.を買収したことにより獲得。次の3つの要素によって構成される。
  • ①RF信号のDPD(Digital pre-distortion)計算、およびPA(Power Amplifier)を高効率で動作させるDigital ET電圧の制御信号の生成を行うETAC(ETAdvanced Control)。
  • ②制御信号を基にDigital ET電圧を生成しPAに供給するPMIC(Power Management Integrated Circuit)
  • ③ETACとRMICを制御するシステム。
  • ※2RF:無線周波数

近年、通信機器の高性能化に伴い、消費電力の増加が課題になっています。消費電力を抑える手段として、Envelope Trackingと呼ばれる、RFIC※3から出力されたRF信号の変調に応じてPAへの供給電圧を調整する技術があります。しかしながら、Envelope Trackingは 5Gや6Gなどの広帯域の信号の伝送を行う場合は十分に消費電力を抑えられない課題がありました。当社のDigital ETは、Envelope Trackingをデジタルで行う技術であり、広帯域の信号の伝送を行う場合においても消費電力の大幅な削減が実現できます。

  • ※3RFIC:無線周波数信号の送受信と処理を行う集積回路。

そしてこの度、RF測定において高い専門性を持つRohde & Schwarz社と共同で当システムを開発しました。


当システムは、以下5つにより構成されます。

FPGA
設定した入力信号のDPD※4計算、およびPAを高効率で動作させるDigital ET電圧の制御信号の生成を行い、SMW200Aに入力信号と制御信号を伝送する装置(当社)

SMW200A
FPGAから受信した入力信号をRF入力信号としてPAに伝送するとともに、FPGAから受信したPMICへの制御信号をRF入力信号と同期させてPMICに伝送する装置(Rohde&Schwarz)

PMIC
制御信号を基にDigital ET電圧を生成しPAに供給する装置(当社)

PA
SMW200Aから伝送されたRF入力信号を、PMICから供給されたDigital ET電圧により増幅し、RF出力信号として伝送する装置(当社)

FSWアナライザ
PAから伝送されたRF出力信号を解析する装置(Rohde&Schwarz)
  • ※4 DPD:PAの出力を理想に近づけるために、入力信号を変化させる処理。

当システムは、通信機器の回路におけるDigital ETの消費電力削減量を高精度かつ簡便に測定できるため、消費電力を抑えた通信機器の開発プロセスを支援します。

当社は、Digital ETの普及を通して通信機器の消費電力の削減を目指してまいります。今後もエネルギー効率の向上を通じて持続可能な社会の実現に貢献していきます。


Rohde & Schwarz社について

Rohde & Schwarzは、ミュンヘンに本社を置く非上場企業です。テスト&測定、テクノロジーシステム、ネットワーク&サイバーセキュリティ部門を通じて、安全でつながりのある世界を目指しています。このグローバルテクノロジーグループは90年以上にわたり、最先端技術の開発を通じて技術的な限界に挑戦し続けています。同社の革新的な製品とソリューションは、産業界、規制機関、および政府機関のお客様が技術的およびデジタル主権を達成することを支援します。
2023年7月から2024年6月には29億3000万ユーロの純収益を計上しています。また、2024年6月30日時点で同社には14,400人以上の従業員が世界中で働いています。

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ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。

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