2025 年 4 月 21 日
東京電力エナジーパートナー株式会社
エコキュートを遠隔制御するデマンドレスポンスの実証を開始~再生可能エネルギーの有効活用等につながる調整力の創出を検証~ [東京電力エナジーパートナー株式会社]当社は、エコキュートを遠隔制御するデマンドレスポンス※1(以下、「DR」)の実証(以下、「本実証」)を 2025 年 4 月 23 日から開始いたします。
本実証では、三菱電機株式会社(以下、「三菱電機」)およびダイキン工業株式会社(以下、「ダイキン」)製のエコキュートを使用します。また、株式会社エナジーゲートウェイ(以下、「EG」)がエコキュートの制御計画を策定し、三菱電機およびダイキンのクラウドサービスを通じてエコキュートを遠隔制御することで、調整力の創出量などを検証します。
従来は、お客さまに機器を操作いただくことで需要シフトを実施しましたが、本実証では、遠隔操作によってエコキュートを制御し、昼間時間帯において、調整力を創出することを目指します。
<本実証の概要>
実証期間 2025 年 4 月 23 日~2025 年 6 月 30 日(予定)
モニター 三菱電機またはダイキン製の当社指定のエコキュートを設置したお客さま
➢当社にてモニター募集を行い、本実証への参加お申込みをいただいたお客さま約 150 件
検証項目
①エコキュートによる調整力の創出量
昼間時間帯における、再生可能エネルギー有効活用等のための調整力の創出量を検証
②遠隔制御に対するエコキュートの追従性などの技術性
エコキュートの応答の正確性・スピードや、あらかじめ策定したエコキュートの運転パターンに基づく制御実績等の確認
③電力調達コストの削減効果などの経済性
電力調達コストおよびお客さまの電気代に与える影響等の検証
<本実証を実施する背景>
昨今、再生可能エネルギー導入量の増加を背景に、太陽光発電などの出力制御を実施するケースが全国的に増えています。こうした中、電力需給バランスを維持するために、電力供給が電力需要を上回りやすい時期の昼間時間帯に、電力需要をシフト・創出する必要性が高まっております。
昨年度、当社は、通常夜間に行うエコキュートの沸き上げを昼間時間帯にシフトすることで、調整力の創出が可能であると考え、
「エコキュート昼シフトチャレンジ※2」を実施しました。当該取り組みには、約 3 万件のお客さまにご参加をいただき、エコキュートを使用した需要シフトが調整力の創出に一定程度有効であることを確認することができました。今後は、エコキュートを遠隔制御することで、お客さまに機器を操作していただくことなく、昼間時間帯における調整力の創出を目指します。
また、当社は、2024 年 6 月より、「エコ・省エネチャレンジ 機器制御オプション※3」にて、お客さまの家庭用蓄電池を遠隔操作する取り組みを実施しておりますが、今後はエコキュートを遠隔操作の対象に追加することを検討してまいります。家庭用蓄電池に比べてご家庭での普及率が高いエコキュートを対象とすることにより、ご参加いただけるお客さまの対象が広がることで、さらなる調整力の創出が期待できます。
当社は、本実証を通じて得られた知見をもとに、再生可能エネルギーの有効活用、電力の安定供給、お客さまのご負担軽減につながる新たなご家庭向けの DR サービスの検討を進め、2050 年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
以上
※1 デマンドレスポンス (Demand Response)は、需要家側が電力使用量をコントロールすることで、電力需給バランスを調整する仕組み。
※2 エコキュートの設定時刻をお客さまご自身で変更いただき、昼間時間帯(8 時~14 時)の電力需要が実施期間以前の電気使用量と比較して、一定以上増加した場合、特典(くらし TEPCO ポイント)を進呈する取り組み
(2024 年 1 月 16 日お知らせ済み)。
※3 電力の需給状況等に応じて、蓄電池等の機器の充電・放電のタイミングを遠隔制御する取り組み。
(2024 年 6 月 21 日お知らせ済み)。