2025 年 4 月 15 日
東京電力エナジーパートナー株式会社
再生可能エネルギーから水素を製造する「ワンパック P2G システム」
の実証運転を住友ゴム白河工場で開始
当社は、山梨県、住友ゴム工業株式会社(以下「住友ゴム」)等とともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業※1の採択を受け、水素を熱源とした脱炭素エネルギーネットワーク「やまなしモデル※2」の技術開発事業に取り組んでいます。その一環として、2024 年 6 月 19 日に、住友ゴム 白河工場(所在地:福島県白河市)へワンパック P2G システム※3(以下、「本システム」)を導入し、水素を活用して産業部門のカーボンニュートラルを目指す実証(以下「本実証」)に関して、基本協定書を締結※3しました。
(2024 年 6 月 19 日お知らせ済み)本年 4 月 1 日より、住友ゴム 白河工場へ設置した本システムの実証運転を開始しましたので、お知らせいたします。
水素は、燃焼時に二酸化炭素(CO2)が発生せず、再生可能エネルギーで発電した電気により製造できるため、カーボンニュートラル実現に向けた新たな選択肢として注目されています。
本実証では、本システムで製造した水素を活用して、住友ゴム 白河工場におけるタイヤ製造工程で必要なボイラーを稼働させ、工場の安定操業を保ちながらカーボンニュートラルを実現する工場※4のモデル化を目指します。本システムを導入することで、年間最大約 100トンの水素製造が可能となり、当該工場におけるタイヤ製造時のサプライチェーン全体で、約 1,000 トン/年の CO2 削減につながる見込みです。なお、本システムの導入は国内で 2 例目となります。
今後、当社は山梨県、住友ゴムとともに本実証を進め、再生可能エネルギー等由来の電力と水素を活用することで産業部門における CO2 排出量を削減し、2050 年カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
以上
※1「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発」における「地域モデル構築技術開発事業 (2021 年 12 月採択決定)
※2 山梨県等が進めてきた既往の実証成果を発展させた新たな水素の利用モデル
https://www.tepco.co.jp/ep/notice/pressrelease/2022/pdf/220302j0101.pdf ※3 P2G システムとは、再生可能エネルギー等由来の電力を活用し水の電気分解から水素を製造する技術であり、カーボンニュートラル社会の実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大と温室効果ガスの削減において、世界的に期待されています。ワンパック P2G システムとは、小規模パッケージ化したP2G システムを指します。
※4 本システムから製造される水素、配達水素、系統電力、場内太陽光発電及び既存燃料の5つのエネルギーを調和させ、タイヤ製造工場の脱炭素化を実現する工場
■本システムの概要
本システムは、水素製造に必要な機器や設備をコンテナに収納することで小型化を実現し、お客さま敷地内への設置を容易にするとともに、大規模な水素製造拠点から水素を輸送する際の安全面やコスト面での課題解消として期待されております。
500kW の電力で 120Nm3/h の水素を製造することができ、電圧 6kV の高圧受電の需要家さま等に最適なサイズと考えております。
<住友ゴム 白河工場に導入した本システムのモデル>
コンテナのサイズ
基本パッケージ:幅 12.2m×奥行 2.5m×高さ 2.9m
補機パッケージ:幅 6.1m×奥行 2.5m×高さ 2.4m
収納した機器や設備
遮断器・変圧器・整流器・P2G_EMS・水電解装置・気液分離管・冷却塔・純水製造装置
入力
定格:500kW
型
固体高分子(PEM)型
重量
35t
水素製造能力
定格:120Nm3/h
別紙:「ワンパック P2G システム」の構成