2025 年3月 18 日
Green Earth Institute 株式会社
木質バイオマスからバイオエタノールを生産するプロセスに関する
テクノロジーパッケージの提供契約を締結
Green Earth Institute 株式会社(以下「GEI」)は、木質バイオマスを原料として、効率的にバイオエタノールを生産するプロセスに関する技術について、当該プロセスを社会実装しようとするエンジニアリング会社(社名は非公開※1)とテクノロジーパッケージの提供契約を締結しました。
2025 年2月 18 日に閣議決定された「第 7 次エネルギー基本計画」では、自動車分野や航空分野における燃料のバイオ化を進めるための施策が示されており※2、それらのバイオ燃料の素材としてのバイオエタノールには高い期待が集まっています。一方、現在、世界で使われているほとんどのバイオエタノールは、トウモロコシやサトウキビ等から生産されており、食料との競合の問題が指摘されています。そうした問題を回避するため、食料との競合のない木質バイオマスをはじめとするリグノセルロース系のバイオマスを原料としてバイオエタノールを生産する研究は数多くされてきましたが、技術面では、大きく2 つの課題がありました。一つ目は、一般的なアルコール酵母はリグノセルロース系のバイオマスに含まれるヘミセルロースから得られるC5 糖※3をバイオエタノールにすることが難しいこと、二つ目は、バイオマスをエタノールの原料となる糖に変換するために必要な酵素のコストが高いことです。
GEI は、効率的に C5 糖をエタノールに変換できるアルコール酵母を開発し、当該アルコール酵母を使いつつ酵素をリサイクルすることで酵素の使用量を大幅に減らすことが出来るプロセスにより、生産効率の向上と低コスト化を実現しました。
このたび、GEI は、当該プロセスを組み込んだプラントを設計・建設しようとするエンジニアリング会社に当該プロセスに関する技術情報やノウハウ等をテクノロジーパッケージとして提供する契約を締結しました。
GEI は、「グリーンテクノロジーを育み、地球と共に歩む」を経営理念(ミッション)として、地球の様々な問題の解決に取り組んでおり、テクノロジーパッケージの拡大を通じて、バイオエコノミーの実現に向けた取組みを進め、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
本件による売上高は2024 年 11 月 14 日に公表した「2024 年9月期決算短信〔日本基準〕(非連結)」における2025 年9月期の業績予想に織り込まれているため、2025 年 9 月期の業績に与える影響は軽微です。
※1 当社は、バイオものづくりの社会実装を実現するプラットフォーマーとして、今後テクノロジーパッケージ型のビジネスモデルを拡大すべく、複数のエンジニアリング会社との提供契約を企図しているため、社名は非公開とさせていただく。
※2 第7 次エネルギー基本計画(2025 年 2 月 18 日閣議決定)からの抜粋
(5)バイオ燃料、合成燃料
「バイオ燃料は植物、廃食油や廃棄物から製造され、原料の植物等が、成長過程で大気中のCO2 を吸収するため、化石燃料と比べ低炭素な燃料である。今後、次世代バイオ原料の国産化に向けた技術開発に関する取組を進めるとともに、次世代バイオ原料の資源国との連携を深め、サプライチェーンの構築・強化を進める。
自動車分野では、制度等の必要な環境を整備しながら、2050 年カーボンニュートラル実現に向けて、2030 年度までに一部地域でガソリンへの直接混合も含めたバイオエタノール導入拡大により、最大濃度10%の低炭素ガソリン供給開始を目指す。また、対応車両の普及状況やサプライチェーンの対策状況等を見極めて地域や規模拡大を図り、2040 年度から最大濃度 20%の低炭素ガソリン供給開始を追求する。
航空分野では、SAF※4導入拡大のため、GX 経済移行債を活用した大規模な SAF 製造設備構築に係る設備投資支援や「戦略分野国内生産促進税制」による税額控除等の先行投資支援、2030 年のSAF の供給目標量を「2019 年度に日本国内で生産・供給されたジェット燃料の GHG 排出量の 5%相当量以上」と設定するなど、中長期的な規制・制度的措置により国際競争力のある価格で安定的にSAF を供給できる体制を構築する。また、今後バイオ由来の SAF は原料の争奪戦が予想されるため、非可食原料の開拓による原料の多角化、安定的な原料確保に向けたサプライチェーンの構築・強化を行う必要がある。」(52 ページ)
※3 C5 糖:キシロース等の単糖で、植物の細胞壁に含まれるもの。植物の細胞壁には、セルロースを構成するC6 糖のグルコースのほか、単子葉系植物や広葉樹細胞壁ヘミセルロースを構成する主成分としてC5 糖のキシロースが存在する。バイオものづくりに利用される微生物の多くは C6 糖を原料として利用できても、C5 糖を利用することができない。
※4 SAF:Sustainable Aviation Fuel の略語。持続可能な航空燃料。生産・収集から、製造、燃焼までのライフサイクルでCO2 排出量を従来燃料より大幅に削減し、既存のインフラをそのまま活用できる持続可能な航空燃料のこと。
以上