大飯発電所3号機
排気筒ガスモニタの一時的な指示値の上昇に関する原因と対策 2025年3月6日
関西電力株式会社
大飯発電所3号機(定格熱出力一定運転中)において、2025年 2月27日12時53分に排気筒ガスモニタ(以下、モニタ)※1の指示値が上昇(最大値1,191cpm、通常値約480cpm)し、その後 13時12分に指示値が通常値まで下がっていることを確認しました。
当日は3、4号機廃棄物処理建屋でガスサンプリングラック※2(以下、ラック)取外し工事、4号機の体積制御タンク(以下、VCT)※3でガスサンプリングが実施されていたことを確認しました。
今回排気筒から排出された放射性気体廃棄物(以下、ガス)の放射能量は、約1.38×109Bqと評価※4しており、保安規定に基づく発電所の放出管理目標値 (1.0×1015Bq/年)に比べ十分低く、周辺環境への影響はありません。
また、大飯発電所周辺に設置している環境放射線モニタリングポストの指示値に有意な変化は認められず、その他のプラントパラメータや運転状況にも異常はありませんでした。
※1:運転に伴って発生する放射性気体廃棄物を監視するモニタ。大飯3号機の原子炉周辺建屋および、廃棄物処理建屋からの排気を監視している。
※2:ガスを排気筒から排出する前に、濃度確認のための試料を採取する装置
※3:化学体積制御系の設備で、原子炉容器や配管内の一次冷却材の量を調整するためのタンク
※4:2025年2月27日時点の速報値は約1.60×109Bqであったが、正確な排気風量を算出して修正
(2025年2月27日お知らせ済)
1.調査結果
モニタの指示値が上昇した要因について、3、4号機廃棄物処理建屋のラック取外し工事、4号機のVCTガス分析作業との関連性を含めて調査を行いました。
(1)モニタの調査
モニタは2台あり、ガスが排出された際、いずれの指示値も上昇していることを確認しました。
また、モニタについては、2025年1月に月例点検を行っており異常は認められませんでした。
事象発生当日は、ラック取外し工事とVCTガス分析作業以外にモニタ付近での溶接作業や高線量作業等はなく、モニタの指示値に影響する作業がないことを確認しました。
(2)3、4号機廃棄物処理建屋のラック取外し工事の状況
ラックは3号機の運転開始(1991年)から使用していますが、内部部品の製造中止への対応等を検討し、取替えを行うこととしました。
(作業当日の状況)
作業計画書に基づき、2月27日の午前にガス分析器※5に接続されているラックを取り外しました。取り外し後、ガス分析器と接続された配管の開放端については、異物混入防止と凝縮水を受けるため、テープと袋で養生していました。作業は午前中に終了し、モニタの指示値が上昇した期間(12時53分~13時12分)に現場に作業員はおらず、作業は行われていませんでした。
※5:1次系タンクの気相部ガスに含まれる酸素および水素の濃度を測定する装置
(工事準備段階の状況)
工事所管課の担当者は、ラックの定期点検(圧力計の健全性確認等)では、隔離範囲を工事所管課で決定しており、今回のラック取外し工事においても、同様の対応で問題ないと考え、運転員への連絡は行いませんでした。
工事所管課の役職者は、作業計画書承認の際、運転員への隔離範囲の調整を含めた連絡が必要であることを認識していましたが、その後の確認は行いませんでした。
(3)4号機VCTのガス分析の状況
運転員は、4号機VCTの減圧準備としてガス分析を行うため、運転操作手順書に基づき12時49分にガス分析器を中央制御室から起動し、測定対象の水素濃度と酸素濃度の指示値を確認した後、13時07分に停止しました。
(4)再現性確認
ガス漏えい箇所を特定するため、ガス分析器の入口配管にヘリウムガスを注入した結果、ラック配管の開放端の養生袋から漏えいしていることを確認しました。
2.推定原因
モニタの指示値が上昇した原因は、廃棄物処理建屋のラック取外し時に、十分な隔離ができていなかったため、VCTのガス分析の際、ガスが開放端の養生袋から室内に漏えいし、換気系を通じて3号機排気筒から排出されたものと推定しました。
3.対策
・再現性確認で漏えい箇所と特定された開放端については、閉止プラグを取り付け、当該箇所から漏えいしないことを確認しました。
・今回の事例および過去の放射性物質の排出に係る事例を題材に社内教育資料をまとめ、工事所管課(美浜・高浜発電所も含む)を対象に系統隔離の重要性と放射性物質の計画外排出に至った場合の重大性について、再認識させる研修を継続的に実施します。
・放射性物質を含む設備の取替・改造工事においては、工事所管課の役職者と担当者が一緒に作業計画書を確認します。
以 上
添付資料:大飯発電所3号機排気筒ガスモニタの一時的な指示値の上昇の原因
公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2025/pdf/20250306_2j.pdf