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2025.02.20
リゾート/ホテル 再生可能エネルギー インフラ・インダストリー
東急不動産株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:星野 浩明、以下「東急不動産」)、株式会社東急不動産R&Dセンター(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:大川 朋宏、以下「R&Dセンター」)、国立大学法人電気通信大学(所在:東京都調布市、学長:田野 俊一、以下「電気通信大学」)は、共同研究契約を締結し、ニセコにおける環境取組みの一環として雪発電の実証実験を実施することをお知らせいたします。
■雪発電について~国内初の最新発電技術で雪が降る地域の課題解決に寄与~
雪発電は、高温熱源と低温熱源の温度差から発電するスターリングエンジンを用いた温度差発電です。高温熱源には太陽熱、バイオマス熱など化石燃料に依存しない燃料から得られた熱エネルギーを、低温熱源には雪により冷却された不凍液を熱媒体として利用します。不凍液は高温熱源からの熱エネルギーで90℃ほどに加熱され、その熱を道路・屋根などに積もった雪と熱交換で放出し、雪を溶かすと同時に雪によって冷却されます。このサイクルを繰り返すことで、発電と広範囲の融雪の両立できることが、雪発電の特徴となります。
日照時間が短く太陽光など再生可能エネルギーの取組みが難しい豪雪地帯であるからこそ、これまで資源と見なされなかった雪を活用した高効率な発電が可能です。この技術が実用化されれば、地域におけるエネルギー自給の向上や環境負荷の低減にも大きく寄与すると考えられます。
■積雪を利用した発電事業の社会実装実験
豪雪地帯の生活課題である「積雪」を利用した発電取組みの社会実装にかかる実験を、倶知安町との包括連携協定における「サスティナブルリゾート形成」に向けた取組みの一環として、昨年度に引き続き倶知安町内で実施します。昨年度は1.0 kWであったエンジンの発電能力を7.0 kWに拡大し、1日に最大で168kWhの電力を発電することができます。これは、冬季の一般家庭の使用電力が1日あたり平均14.2 kWh (※)であることから、この雪発電を使用することで約12軒分の電力量を供給できることになります。さらに今回の実証実験では、新たな取り組みとして、発電施設を設置する建屋の屋根に積もった雪を融雪し、その融雪水を集水するシステムを考案し導入しました。これにより、人力での雪下ろしを低減または不要とするだけでなく、得られる融雪水を集水・ろ過して活用することで、水不足という地域課題の解決にも寄与できる技術となり得るかを検証します。この融雪水の使い方については、散水融雪に利用することも視野に、最も有効に活用できる方法を検証します。
以上の通り、今回の実証実験では発電量の拡大と融雪水の再利用を加えることで、昨年度の実験より機能を増強・拡張した検証を実施し、今後の活用に向けた基礎データを確立していきます。
(※)資源エネルギー庁より
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情報提供:JPubb