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日本製紙株式会社
住友商事株式会社
Green Earth Institute株式会社
日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:野沢 徹、以下「日本製紙」)および住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員CEO:上野 真吾、以下「住友商事」)、およびGreen Earth Institute株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:伊原 智人、以下「GEI」)、は、「木質バイオマスを原料とするバイオエタノールおよびバイオケミカル製品の製造販売事業(以下「本事業」)」に向け、合弁会社「森空バイオリファイナリー合同会社」の設立(2025年3月を予定)に合意しました。
合弁会社を通じて推進する本事業では、宮城県にある日本製紙・岩沼工場内にセミコマーシャルプラントを建設し、製材端材などの東北地域の持続可能な森林資源を原料に、GEIが開発した低炭素、低コストを実現できるバイオエタノール生産プロセスを用いて、2027年から年産1,000kL以上のバイオエタノールを製造する予定です。その後、日本において持続可能な航空燃料(以下「SAF」/※1)の本格的な導入・普及が見込まれる2030年頃をターゲットに、年産数万kL以上のバイオエタノールおよびバイオケミカル製品の製造が可能となる、コマーシャルプラントの稼働を目指します。
日本製紙、住友商事およびGEIは、2023年2月3日に発表した「木質バイオマスを原料とする国内初のセルロース系バイオエタノール商用生産およびバイオケミカル製品への展開に向けた協業に関する基本合意書」(以下「基本合意書」)に基づき、3社で「森のチカラを空飛ぶチカラに®」をスローガンとする「森空プロジェクト®」を発足しました。同プロジェクトでは、SAFの普及・拡大を目指すオールジャパンの取組み「ACT FOR SKY」への加盟や、SAF官民協議会認証タスクグループ内のパイロット事業者として採択を受けるなど、主にSAFを中心とした協働を進めてきました。
また、GEI、日本製紙で国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「バイオものづくり革命推進事業(第2回公募)」において、「純国産木材バイオリファイナリーによる世界最高クラスの低炭素バイオエタノール生産プロセスの開発」を実施テーマとする助成および委託事業を開始しました。
本事業で製造されるバイオエタノールは、東北地方の木質チップを原料とする低炭素かつ非可食原料由来バイオエタノール(E2G)であることが特徴です。
原料調達過程では、近隣で生産される木質チップを使用することで、輸送により発生するCO2排出量を低減します。製造過程では、木質バイオマスの成分であるリグニンから得られるカーボンニュートラルなエネルギーを使用することで、化石由来のCO2排出量を大幅に削減し、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献します。なお、バイオエタノールはSAF向けだけでなく、ガソリン直接混合や燃料電池用途、化粧品、および化学品原料としても幅広く活用される予定です。
製造過程で副次的に発生するバイオジェニックCO2(※2)や発酵プロセスで生まれる残渣の有効活用も同時に検討していきます。また、森のチカラの活用だけでなく、森のチカラを高める取り組みとして、東北地域のエリートツリー苗(※3)の普及も同時に進め、更なる脱炭素化や地産地消、国産森林資源循環の取り組みに貢献していきます。
日本製紙は、これまで培ってきた紙パルプの製造技術を活用し、「木質由来のバイオエタノール」の万キロリットル単位の大量製造技術と本格的な供給体制を早期に確立することで、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、バイオケミカル分野への市場参入を加速し、脱炭素社会の構築や地球温暖化対策に貢献していきます。
住友商事は、2050 年の事業活動のカーボンニュートラル化を目指し、社会の持続可能なエネルギーサイクルの基盤となる事業開発に多角的に取り組んでいます。本事業を通じて原料の安定調達を可能にし、国産SAFの普及拡大、ひいては国内のエネルギー安全保障に貢献します。加えて本事業で得た知見を、グローバルでのSAF製造・販売事業の開発に生かし、地域特性を踏まえた原料・製造方法で複数のプロジェクトに参画・推進することで、航空業界の脱炭素化、低炭素バイオ燃料の安定供給を目指します。
GEI は、これまで培ってきたバイオものづくり技術を活用し、非可食バイオマスを原料としたバイオエタノール量産プラントにおける商用生産を実現することで、「グリーンテクノロジーを育み、地球と共に歩む企業」として、脱炭素社会の実現に貢献しつつ、日本におけるバイオものづくりの社会実装を進めていきます。
※1 生産・収集から、製造、燃焼までのライフサイクルでCO2排出量を従来燃料より大幅に削減し、既存のインフラをそのまま活用できる持続可能な航空燃料のこと
※2 生物由来の原料から発生するCO2のこと
※3 成長性が在来系統と比較して1.5倍以上で、花粉量が一般的なスギ・ヒノキの半分以下、幹の通直性の曲がりがないものなど、成長に係る特性の特に優れた苗木のこと
■関連情報
木質バイオマスを原料とする国内初のセルロース系バイオエタノール商用生産およびバイオケミカル製品への展開に向けた協業に関する基本合意書の締結
以上
情報提供:JPubb