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2025-02-17 14:00:00 更新

木質バイオマスを原料とするバイオエタノール等の製造販売を行う合弁会社設立へ

2025 年 2月 17日
Green Earth Institute株式会社
日本製紙株式会社
住友商事株式会社


木質バイオマスを原料とするバイオエタノール等の製造販売を行う合弁会社設立へ
~Green Earth Institute、日本製紙、住友商事、国産SAFの原料安定供給を目指し
2027年に製造開始~


Green Earth Institute株式会社(以下「GEI」)、日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:野沢 徹、以下「日本製紙」)および住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員CEO:兵頭 誠之、以下「住友商事」)は、「木質バイオマスを原料とするバイオエタノールおよびバイオケミカル製品の製造販売事業(以下「本事業」)」に向け、合弁会社「森空バイオリファイナリー合同会社」の設立(2025年3月を予定)に合意しました。


合弁会社を通じて推進する本事業では、宮城県にある日本製紙・岩沼工場内にセミコマーシャルプラントを建設し、製材端材などの東北地域の持続可能な森林資源を原料に、GEIが開発した低炭素、低コストを実現できるバイオエタノール生産プロセスを用いて、2027年から年産1,000kL以上のバイオエタノールを製造する予定です。その後、日本において持続可能な航空燃料(SAF※1)の本格的な導入・普及が見込まれる2030年頃をターゲットに、年産数万kL以上のバイオエタノールおよびバイオケミカル製品の製造が可能となる、コマーシャルプラントの稼働を目指します。


GEI、日本製紙および住友商事は、2023年2月3日に発表した「木質バイオマスを原料とする国内初のセルロース系バイオエタノール商用生産およびバイオケミカル製品への展開に向けた協業に関する基本合意書」(以下「基本合意書」※2)に基づき、3社で「森のチカラを空飛ぶチカラに®」をスローガンとする「森空プロジェクト※3」を発足しました。同プロジェクトでは、SAFの普及・拡大を目指すオールジャパンの取組みである「ACT FOR SKY」への加盟※4や、SAF官民協議会認証タスクグループ内のパイロット事業者として採択※5を受けるなど、主にSAFを中心とした協働を進めてきました。


また、GEI、日本製紙で国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「バイオものづくり革命推進事業(第2回公募)」において、「純国産木材バイオリファイナリーによる世界最高クラスの低炭素バイオエタノール生産プロセスの開発」を実施テーマとする助成および委託事業を開始※6しました。


本事業で製造されるバイオエタノールは、東北地方の木質チップを原料とする低炭素かつ廃棄される国産非可食原料由来バイオエタノール(E2G)であることが特徴です。原料調達過程では、木質バイオマスの成分であるリグニンから得られる、カーボンニュートラルなエネルギーを使用することで、化石由来のCO₂排出量を大幅に削減し、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献します。なお、バイオエタノールはSAF向けだけでなく、ガソリン直接混合や燃料電池用途、化粧品、および化学品原料としても幅広く活用される予定です。


製造過程で副次的に発生するバイオジェニックCO₂※7や発酵プロセスで生まれる残渣の有効活用も同時に検討していきます。また、森のチカラの活用だけでなく、森のチカラを高める取組みとして、東北地域のエリートツリー苗※8の普及も同時に進め、更なる脱炭素化や地産地消、国産森林資源循環の取り組みに貢献していきます。


日本製紙は、これまで培ってきた紙パルプの製造技術を活用し、「木質由来のバイオエタノール」の万キロリットル単位の大量製造技術と本格的な供給体制を早期に確立することで、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、バイオケミカル分野への市場参入を加速し、脱炭素社会の構築や地球温暖化対策に貢献していきます。


住友商事は、2050 年の事業活動のカーボンニュートラル化を目指し、社会の持続可能なエネルギーサイクルの基盤となる事業開発に多角的に取り組んでいます。本事業を通じて原料の安定調達を可能にし、国産SAFの普及拡大、ひいては国内のエネルギー安全保障に貢献します。加えて本事業で得た知見を、グローバルでのSAF製造・販売事業の開発に生かし、地域特性を踏まえた原料・製造方法で複数のプロジェクトに参画・推進することで、航空業界の脱炭素化、低炭素バイオ燃料の安定供給を目指します。


GEI は、これまで培ってきたバイオものづくり※9技術を活用し、非可食バイオマスを原料としたバイオエタノール量産プラントにおける商用生産を実現することで、「グリーンテクノロジーを育み、地球と共に歩む企業」として、脱炭素社会の実現に貢献しつつ、日本におけるバイオものづくりの社会実装を進めていきます。


本件によるGEI の業績に与える影響は軽微です。


※1 SAF:Sustainable Aviation Fuel の略語。生産・収集から、製造、燃焼までのライフサイクルでCO2排出量を従来燃料より大幅に削減し、既存のインフラをそのまま活用できる持続可能な航空燃料のこと


※2 2023 年2月3日 当社ニュースリリース「木質バイオマスを原料とする国内初のセルロース系バイオエタノール商用生産およびバイオケミカル製品への展開に向けた協業に関する基本合意書の締結」


※3 森空プロジェクト:GEI、日本製紙、住友商事3社による国産材由来のバイオエタノール製造を検討するプロジェクト名称


※4 2024 年5月27日 当社ニュースリリース「森空プロジェクトの3社が国産 SAFの普及・拡大に取り組む「ACT FOR SKY」にACTメンバーとして加盟」


※5 2023年8月9日 当社ニュースリリース「純国産SAF(持続可能な航空燃料)用原料の国際規格登録・認証取得に向けた本格的な取組みを開始」


※6 2025年1月24日 当社ニュースリリース「NEDOバイオものづくり革命推進事業(第2回公募)「純国産木材バイオリファイナリーによる世界最高クラスの低炭素バイオエタノール生産プロセスの開発」の交付決定通知」


※7 バイオジェニックCO₂:生物由来の原料から発生するCO₂のこと


※8 エリートツリー苗:成長性が在来系統と比較して1.5倍以上で、花粉量が一般的なスギ・ヒノキの半分以下、幹の通直性の曲がりがないものなど、成長に係る特性の特に優れた苗木のこと


※9 バイオものづくり:遺伝子技術を活用して微生物や動植物等の細胞によって物質を生産すること


以上

情報提供:JPubb

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