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2025年1月21日(火曜日)
11時08分~11時21分
於:本館10階記者会見室
私から二つございます。
明後日の23日になりますが、熊本県に出張いたしまして、TSMC等が設立したJASMに伺ってまいります。経済産業省としても1号棟、2号棟建設に対する支援を行っているところであります。先月、1号棟が量産段階に入ったということで進捗を確認するとともに、TSMC本社の幹部の皆さんとも意見交換を行う予定であります。
加えて、地方自治体、産業界、大学を交えた車座での意見交換でありますとか、地元の中小企業への訪問を行ってまいります。TSMCの進出が地域経済にどのような影響をもたらしているのか、現地の関係者の声を伺ってこようと思っております。
そして、二つ目でありますが、価格転嫁や取引適正化の関係で、二つ御説明をさせていただきます。
一つ目ですけれども、昨年9月の価格交渉促進月間がございましたが、企業リストを公表させていただきます。今回は民間211社に加えまして、初めて国と自治体が発注者として掲載をされたところです。
評価が芳しくない発注企業の経営トップには、今後、事業所管大臣からの指導・助言を行います。各企業は、受注者からの評価を真摯に受け止めていただいて、取引方針を改善いただきたいと思っております。
二つ目ですけれども、先週、車座対話を官邸でさせていただきました。石破総理から各大臣への指示があったところでありますが、この機に、今後の取引適正化対策の全体像を、この場で簡単に御説明させていただきたいと思います。
スクリーンを御覧ください。3枚のスライドを使って御説明させていただきます。
最初のスライドですけれども、取引段階ごとの課題に応じた対策を講じてまいります。まず、価格転嫁ですね、1枚目、スライドの中央をご覧ください。「協議に応じない価格決定」を新たに禁止する下請法改正を検討し、更なる交渉、転嫁を促します。
次に、今度は左側の方を御覧ください。
頂点企業から次の取引先、そして更に深い階層へと「1つ先」の取引先を意識した価格転嫁の浸透が重要であります。これは、今までの調査でもいろいろと御指摘を受けていたところであります。従来の社名公表に加えて、「下請振興法の改正」あるいは「事業所管大臣からの要請」、「行政指導の強化」などを行いたいと思っております。
最後に、一番右側ですけれども、サプライチェーンの深い取引段階での価格転嫁については、下請法・下請振興法の対象拡大ですとか行政指導の強化によって対応いたします。
2つ目のスライドです。上に書いてありますように、価格転嫁以外の重点課題、具体的には代金支払等にも対応させていただいています。
今度は左側ですけれども、特に手形等について、次回の価格交渉促進月間で、割引料の受注者負担の実態を調査し、下請法対象外の取引でも、支払早期化を促してまいります。
続いて、中央です。下請法の対象取引では、手形による代金支払いを禁止いたしまして、支払いを迅速化するほか、型の対象拡大も行ってまいります。
3つ目のスライドであります。商慣行を含めた業界全体の課題にも対応してまいります。支払いから一定割合を差し引く「歩引き」などの根強い商慣習を一掃するよう、私を含む事業所管大臣が、所管業界への直接要請をさせていただきます。
これらの対策を総合的に講じながら、中小企業の構造的な賃上げを後押ししてまいります。詳細は、後ほど、また事務方にお問合せをいただければと思います。
私からは以上でございます。
Q:トランプ氏の大統領就任について2点お伺いします。
トランプ氏は就任演説でアメリカの国民を豊かにするために外国に関税を課すと話し、改めて関税強化の方針を示しました。先ほどカナダとメキシコに対して2月1日から25%の関税を検討すると述べられたとのことですが、関税強化に対する大臣の受け止めと日本経済への影響についてどうお考えでしょうか。お願いいたします。
A:今、刻々と署名を続けておられているという話でございましょうが、具体的な関税措置は発表されていないと、正確なところをまだ承知しているわけじゃないので、実際いろんな形でこれまでもいろんな情報流れている中でありますし、関税措置の内容を踏まえて、日本企業への影響、これは十分に精査していかなきゃいけないということだと思います。まさに、こういうものに対して適切に対応できるかどうかということにかかっていると思いますので、しっかりこれを重要だと受け止めながら対応させていただきたいと思います。
いずれにしましても、我が国の国益に資する形で日米の経済関係を進化、そして発展させるべく、米国政権と緊密に意思疎通を図っていかなきゃいけないと思っているところであります。
Q:もう一点、トランプ氏はパリ協定からの離脱も発表しました。離脱を契機に世界で地球温暖化対策の機運が後退することも懸念されますが、大臣としての御所感をお願いいたします。
A:トランプ大統領がパリ協定からの離脱を表明したことは承知をしているところです。気候変動というものは人類共通の待ったなしの課題でありまして、全ての国の取組が重要であるということには変わりはないと思います。各国で政策の変更がある中でも、世界の脱炭素化に向けた取組は着実に前進させる必要があると思っていますし、我が国といたしましては、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)も通じて、これからもしっかり貢献をしていかなくてはいけないと思っております。
Q:今の質問に関連して、トランプ大統領が今後、半導体政策について保護主義を強めるのではないかと懸念の声が上がっています。この点について、今後政府としてトランプ政権にどのように対応していくかお聞かせください。
A:米国とは、これまでも長い期間にわたって半導体については協力体制を組んできております。関税等がかかる等々いろいろ懸念はありますけれども、今までも日米企業による双方向の投資に対する支援をやってきたり、ラピダス、IBMとの日米連携をやってきて研究開発の事業もあります。半導体政策における日米連携というのは、引き続き世界の中でも大変重要なポジショニングにあると思っておりますし、新政権としっかり意思疎通を図りながら、協力・連携を継続していきたいと思っています。
Q:私から2点お伺いします。
まず1点目がトランプさんについてなんですけれども、就任演説の方で、エネルギー政策に対してエネルギー非常事態宣言というのを出されていて、化石燃料の生産ですとか輸出の拡大に取り組むという姿勢を示されました。
従前から、特にLNG火力について、バイデン政権で凍結していた新規の計画の審査について再開する方針を示されています。日本政府としては、さきのエネルギー基本計画の方でも、LNGをトランジション期における重要なエネルギー源というふうに位置付けていると思うんですけれども、LNGの輸入元の多角化ですとかコスト削減につながるという産業界の期待の声も聞かれるんですけれども、これについての政府としての受け止めをお伺いしたいのが1点です。
あともう一点なんですけれども、話は変わるんですけれども、1月10日にアメリカの方でロシアに対する追加の経済制裁が発表されました。この中で、いわゆる「影の船団」と呼ばれている100隻以上のタンカーについても新たに制裁対象に加わりました。国内では、これに関連してサハリン2のプロジェクトについて影響が出るんじゃないかという懸念も出ていると思うんですけれども、この点について政府の見解をお願いします。
A:まず、最初の御質問でありますれども、トランプ新大統領は、新規LNGの輸出許可の停止措置を撤廃するという方向性を示していることは承知をしておりますし、今おっしゃったように、これからどんどん掘れ掘れという形を進められている報道も入ってきているのも承知をしています。ただ、実施が正式に決まっているわけじゃないので、状況を注視していかなきゃいけないところだと思います。
仮に実際に撤廃されるとすれば、需給は構造的にタイトな世界のLNG市場に対する影響、供給量が増大をし、市場の安定化にも寄与する可能性もあると認識しています。日本のLNG調達の予見性を高めることにもつながると思いますので、いずれにしましても、我が国のLNGの安定的な確保の観点からいえば、米国新政権のLNG政策の方向について引き続き注視をしていかなくてはいけないだろうと思います。
そして、ロシアとの関係の話で、サハリン2の話が今ございました。
サハリン2プロジェクトは、日本のエネルギー安全保障上極めて重要なものであると思います。今回の米国制裁、サハリン2プロジェクトの操業に制裁の影響は及ばないことを、これまで米国政府には確認をし、同プロジェクトの操業に影響はないと認識をしているところであります。引き続き、今回新政権になって、また、新政権とも米国政府との連携を更に深めながら、ここも日本への供給量の安定的な確保に支障を来さないように万全を期していくというのが私どもの役割だと思っています。
以上
最終更新日:2025年1月21日
情報提供:JPubb