2024年11月26日
住友商事株式会社
四国電力株式会社
カタールにて発電造水事業を開始
カタール送電水道公社と長期売電売水契約を締結
~カタールのエネルギー安定供給と低炭素化に貢献~住友商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役 CEO:上野真吾、以下「住友商事」)と四国電力株式会社(本社:香川県高松市、取締役社長 社長執行役員:宮本喜弘、以下「四国電力」)は、韓国南部電力(以下「KOSPO」)とKorea Overseas Infrastructure & Urban Development Corporation (以下「KIND」)(以下総称して「4社」)と共に、カタール送電水道公社(以下「Kahramaa」)が実施した国際入札にて、Facility E発電造水事業(以下「本事業」)権益を受注し、このたび、4社を代表して住友商事とKahramaaとの間で長期売電売水契約を締結しました。今後4社は、カタール発電造水会社(以下、「QEWC」)、カタール国営石油会社(以下、「QE」)と共同で事業会社を設立します(注1)。
事業概要
本事業は、カタールの首都ドーハから約25km南のRas Abu Fontas 地区にある発電所跡地に、天然ガス火力発電所(2,400メガワット)と海水淡水化設備(49.5万トン/日(110 MIGD)(注2))を新設し運転する民活型発電造水事業です。既設ガス火力発電所と比べ、ガス消費量やCO2等の排出レベルが低い高効率なガスタービンを採用し、カタールにおけるエネルギーの安定供給と低炭素化に寄与します。今後、事業会社は更なるCO2排出量の削減に向け、カタール政府と共にCCS(注3)設備の新設計画を検討していきます。
住友商事と四国電力が海外で協業する案件としては、アラブ首長国連邦シャルジャ首長国Hamriyah発電事業に次ぐ2件目の案件です。また、カタールで取り組む発電事業としては、住友商事にとっては初めて、四国電力にとってはRas Laffan C発電造水事業に次いで2件目となります。
住友商事はこれまで、クウェートやアラブ首長国連邦などの中東地域において民活型の発電事業(IPP)と発電造水事業(IWPP)のマネジメントに携わり、保守・運営に関するノウハウを蓄積してきました。本事業でもカタールにおける電力及び水の安定供給に貢献していきます。
また、四国電力は、中東地域におけるIPP/IWPP事業として本事業が6件目であり、これまで国内外の電気事業で培ってきた技術・ノウハウを活かして、事業の着実な推進に貢献していきます。
住友商事と四国電力は、今後も需要の拡大が見込まれる国々における電力事業に積極的に取り組むことで、各国の経済発展及び低炭素化社会の実現に貢献していきます。
(参考)カタールの低炭素化に向けた取り組み
カタールはパリ協定を批准しており、Kahramaaが発行するQatar National Renewable Energy Strategyにて、ガス火力発電所の新設を通じ、老朽化した既設発電所の退役計画が進められているほか、太陽光発電やCCUS(注4)等の導入が計画されています。また、同国では2040年時点の電力需要が2021年比で58パーセント増になると見込まれており、エネルギーの安定供給に向けた取り組みが本格化しています。
(注1)出資比率
住友商事: 17%、四国電力: 11%、KOSPO: 6%、KIND: 6%、QEWC:55%、QE:5%
(注2)MIGD
million imperial gallon per dayの略称。
(注3)CCS
Carbon dioxide Capture and Storage
の略称。産業活動などから排出されるCO2を回収・貯留すること
(注4)CCUS
Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略称。産業活動などから排出されるCO2を回収・貯留・利活用すること
【Facility E発電造水所の位置】