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2024-11-22 00:00:00 更新

北海道知事記者会見 2024年11月22日 - 【知事からの話題】 ●原子力発電環境整備機構(NUMO)からの文献調査報告書 【記者からの質問】 ●高レベル放射性廃棄物(1) ●高レベル放射性廃棄物(2) ●観光振興を目的とした新税 ●「年収の壁」見直し(1) ●「年収の壁」見直し(2)

知事定例記者会見(令和6年11月22日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和6年11月22日(金)14:04~14:39
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/18名(テレビカメラ1台)

会見項目

知事からの話題

  1. 原子力発電環境整備機構(NUMO)からの文献調査報告書について

記者からの質問

  1. 高レベル放射性廃棄物について(1)
  2. 高レベル放射性廃棄物について(2)
  3. 観光振興を目的とした新税について
  4. 「年収の壁」見直しについて(1)
  5. 「年収の壁」見直しについて(2)

知事からの話題

原子力発電環境整備機構(NUMO)からの文献調査報告書について

話題1:「原子力発電環境整備機構(NUMO)からの文献調査報告書について」のYouTubeはこちら

私から一点お話しさせていただきます。
原子力発電環境整備機構NUMOでは、令和2年11月から寿都町および神恵内村において、最終処分法に基づく文献調査を実施してきたところでございます。その結果について、このたびNUMOの報告書として取りまとめられたということから、本日16時15分からフルオープンという形で、NUMOの山口理事長から私に対して、報告書の提出をいただきます。併せて、昨年末に道からNUMOに対して、文献調査の内容について丁寧な説明を行うため、道内14振興局ごとや、希望する自治体でも説明会を開催するとともに、国民的な議論が必要な問題であるということから、全国でも説明会を開催するよう要請しております。本日、理事長からこの要請に対する回答もいただけるということであります。
私としてはこの場を通じて、山口理事長に対しまして、文献調査終了後、仮に概要調査に移行しようとする場合には、現時点で反対の意見を述べる考えであるということに変わりはないことや、最終処分の問題は国民的議論が必要な問題であり、できるだけ多くの国民の皆さまに広く関心を持っていただくため、説明会を機会に丁寧に説明していただきたいといった私の思いを、直接理事長にはお伝えしたいと考えています。
道では本日から、本庁および全ての振興局に報告書を配架し縦覧するとともに、その期間や場所などにつきましても北海道公報に登載したというところでございます。また、NUMOが開催する報告書に関する説明会に参加するなど、会場での質疑応答状況を確認するほか、道の広報紙なども活用して道の考え方について、道民の皆さまにお伝えしていくということを考えています。なお報告書の縦覧場所などについてでありますが、道のホームページでも本日から公開しています。さらに報告書や説明会の開催場所、3月5日までNUMOが行っている報告書に対する意見の提出などについても、道のホームページからNUMOのホームページにリンクも貼っていますので、併せて皆さまにはご覧いただければと思っています。
私からは以上です。

記者からの質問

「質疑応答」のYouTubeはこちら

(北海道新聞)
質問が四つあるので、まとめて申し上げます。まず、一つ目が寿都町で磯谷溶岩という第四紀火山であるという新知見が浮上しました。今回の文献調査報告書のほうには、その本文として盛り込まれていないのですが、今後、その文献調査として収集対象になった場合、町内の大部分が処分場建設の不適地になります。知事としてのこの所見、NUMOに求める対応などあれば教えてください。
二つ目、NUMOによる寿都町での対話の場の振り返りを巡って、町民への聞き取りで、不適切な対応がございました。NUMOが謝罪する事態になったのですが、知事としての所見、そしてNUMOに求める対応などあれば教えてください。
三番目、珊内川中流の岩脈についてです。文献調査の報告書では、第四紀火山と記載しながら、積丹岳と一体の活動とみなして周辺15キロが除外範囲になっていません。仮に別の火山活動となった場合、その岩脈を起点に周囲15キロ圏が除外対象となります。陸域の処分場適地がなくなることになるわけですが、知事の所見をお聞かせください。
最後です。寿都町と神恵内村では、住民投票の実施なども想定されているわけなのですが、経産省から意向をそれぞれ首長、知事も含めて聴取された際は、住民投票の結果を待たずに、直ちにこれまでどおり先ほどおっしゃった、反対の意向をすぐに表明されるのでしょうか。それとも住民投票の結果、これを待ってから、あらためて意向を表明するのかその辺を教えてください。

(知事)
四点ご質問いただきましたけれども、最後のご質問が全体の考え方の話なので、そちらからお話ししたいと思うのですけれども、まずある種、節目の機会なので、皆さんとあらためて共有したいと思います。道の条例については、幌延深地層研究の受け入れにあたって、道民の皆さまの中の不安や懸念、そういうものがある中で、研究を進めるための担保措置ということで、平成12年の道議会での議論を踏まえて、道内に処分場を受け入れる意思がないとの考えによって制定されたというものです。ですので、道としては、これまでもその役割を果たしてきたことは尊重すべきだと考えています。
そして、道としてはこれまでも両町村とさまざまなレベルで対話を重ねてきました。対話を重ねるとともに、この条例を遵守していただきたいということを伝えてきたというところでありますので、まずこのことを理解していただきたいと思います。ですから、両町村には条例の遵守をまず、これまでもお伝えしてきたということです。その上で、この概要調査に移行しようという場合については、この条例制定の趣旨も踏まえて、現時点で反対という意見を述べる考えでありまして、そのことに変わりはないということです。ですから住民投票などについては、両町村長ともに具体的なスケジュールなどについて言及している状況にはないと思っておりますので、そこは当然、町村においてさまざまお考えになられるということかと思いますけれども、今申し上げたように、これまでも既に条例の遵守をしていただきたいということ、そして移行する場合は反対の意見を申し上げるということを繰り返し申し上げてきましたので、そういった考えの基、対応していくということです。
それと、それぞれ具体的な課題などについてお話がありました。まず磯谷溶岩に関する指摘ということです。これは報告書の中では、概要調査以降に詳細を確認するということで、報告書に記載というか取りまとめたということです。ですから、こういった懸念というか課題については、概要調査以降に詳細を確認するという表現になっているということも踏まえて、しっかり説明してもらうことが大事だと思います。国民の皆さま、そして道民の皆さまに対して丁寧に説明していただくということが大切だと思っています。繰り返しですけれども私としては、移行するという場合には反対の意見を述べるということです。
それと、NUMOが謝罪したということについてです。これも今、質問にありましたけれども、この対話の場の振り返りの中で、そういった参加住民等への聞き取りの際、調査の際に不十分な対応があったということが明らかになりました。そして8月の取りまとめの中では、「地域対話の基本的な検討に向けた留意事項集」ということで、小委員会の意見なども踏まえて再発防止策ということで盛り込まれたということなのですが、再発防止ですから、今後気をつけますということなのですが、そもそも今回の振り返りですから、今回の中でそういった問題が指摘されたわけで、そのことに対する対応がどうなっているのかということをあらためて確認しました。その中で、国によれば、先般、NUMO幹部が関係住民の方3名に直接面会し、謝罪を行ったということです。その謝罪を受け入れられたのかということについても併せて確認をしたところ、国によれば、それは受け入れていただいたというふうに聞いているところです。いずれにしても、対話の場などでの評価を踏まえつつ、留意事項集については、今回これで終わりということではなくて、より良いものになるように、不断の取り組みが求められるということだろうと思います。全国で初めて報告書がまとまっているわけですから、そこで出てきたそういった課題については、真摯に受け止めた中で、これで終わりということではなくて、不断の取り組みということをやってほしいと思っています。
それと、珊内川中流の岩脈に関する点についても、先ほどと同じ表現になっています。これも、報告書取りまとめにあっては、概要調査以降に詳細を確認するということです。だから、これが一つの考え方ということだと思います。ですからそこに対して、いろいろな意見があるということだと思います。だからそのこともちゃんと、そういう懸念の声などもあるけれども、概要調査以降に詳細は確認するということが報告書に書いてあるわけですから、そういったことも、しっかり説明会などでお話をしていった中で、いろいろな意見が出ると思います。そういう意味では。これはまずはちゃんと調べるべきではないかとか、いろいろなお話がでると思いますけれども、そういったこともやはり丁寧に国民、道民の皆さまに対しては説明すべきと考えていますので、先ほど言ったような点と同じなのかと思っています。
ただ、いずれにしても、これを繰り返して3回目ですけれども、仮に概要調査に移行するという場合については、反対の意見を申し上げたいと思っています。

(NHK)
今の質問に関連してなのですけれども、一応言葉遣いの関係で伺いたいのですけれども、今、知事のおっしゃった言葉遣いでいうと、現時点では反対の意向に変わりはないという、これまでと同じような発言だったと思うのですけれども、例えば、NUMOのほうに道として提示しているいろいろな説明会の場とかの回答などによっては、今後、今の反対の意向というものが変わりうる可能性が含まれている現時点でのということなのか、それとも基本的にはやはり、条例の趣旨がずっとあるので、その条例が変わらない限りは、もうその反対の意向には変わりないということなのか、その辺ちょっと確認させてください。

(知事)
現時点についての解釈というか、このお話についてもこの記者会見でたびたび申し上げてきているところなのですが、今、意見を聞かれているわけではないので、現時点で反対の意見を申し上げる考えですということで申し上げてきました。また、意見表明に当たっても、これは必要な手続きが取られた後に、意見が聞かれるということになっています。ですから道議会でのそういった議論だとか、さまざまな機会を通じて得られた道民の皆さまのそういったご意見を踏まえた中で、しっかりと対応していくということで申し上げているということです。

(NHK)
もう一点、これもちょっと再確認になってしまうのですけれども、他社さんの質問にあったと思うのですが、その寿都町と神恵内村で住民投票が一応行うという話はされていますが、おっしゃるようにまだスケジュールなど具体的な話というのは一切ありません。多分、知事の今のご意向としては、やはり念頭にあるのは反対という意向は変わりないということだと思うのですけれども、その住民投票が仮に行われて、その結果が仮に賛成だったとしても、やはりそれは条例の趣旨を踏まえて、いわゆるこの条例の趣旨をまず重んじて、反対という意向に変わりはないという理解をしていてもいいのかどうかというところ、繰り返しですが。

(知事)
住民投票そのものがいつ行われるのか、どういう形式なのか、どういうやり方をするのか、それはそれぞれ首長の皆さん、町長・村長もいらっしゃる、またそれぞれの議会がある、住民に対するさまざまな説明、そういったものを踏まえた中で、それはそれぞれ基礎自治体の長としてご判断されるということだと思います。ただ私の、(概要調査に)移行する場合反対の意見を述べるという考え方の基礎は、先ほど申し上げたような、幌延町で深地層研究を受け入れるに当たっての措置としてこの条例が制定されて、今日まで尊重されてきた。こういうことについては、この両町村にもお伝えしてきたわけです。遵守すべきであるということでお伝えしてきました。そういう状況の中で、仮にこうする場合は反対の意見を述べるいうことを一貫して申し上げてきたわけですから、そういった私の基本的な考えの基で適切に対応していくということです。

(北海道新聞)
宿泊税の関係で教えてください。道は来週26日開会の定例道議会に宿泊税の条例案を提出すると表明されています。その中、先行導入している倶知安町が道の段階的定額制に反対されています。これから議会議論も始まりますが、知事として倶知安町さんとどのように向き合いながら条例成立を目指していくのか、まず教えてください。

(知事)
まずは、来週26日から開会となる第4回定例道議会においては、北海道宿泊税条例案を提案させていただきたいと考えています。この宿泊税の導入の必要性について、今回少し質問があるのではないかということで、用意させていただいた資料を今お配りさせていただいています。分かりやすい例としてお話ししたいのですけれども、東京都は全国に先駆けて宿泊行為に対する課税を導入しました。ですからマスコミの方々も、道民の皆さんもそうですけれども、北海道から東京都に行く、東京都内の宿泊施設を利用する場合は皆さん宿泊税を負担しています。一方で、例えば北海道の素晴らしい観光資源を(求めて)多くの方が東京都から来ていただける時にはそういった宿泊税を取るという手段が北海道は無いですから、取れません。また、今、道民だけではなくて、海外からインバウンドがどんどん来てくれています。東京都では、インバウンドがすごい人数来ています。北海道にも来ています。東京都では、海外のそういうお客さまからも宿泊税を取れます。北海道は取れません。ですから、例えば道外の皆さん、海外からお越しになる方、道民の皆さんにも(宿泊税を)ご負担いただくわけですけれども、(現状は)宿泊税が整備されていない中で、ご負担いただけないという状況になっています。皆さんご承知のとおり、今、コロナを経て、国内外の多くの方々が素晴らしい観光資源を求めて、海外から日本に来ている、また、北海道に来ている、国内(から)も北海道に来ていただいてます。そういう状況の中で、やはりより魅力的な北海道観光、観光立国北海道を実現していくために、東京都の方も、海外からの方も、そして道民の方も、みんなにしっかりと負担いただきながら、この裾野の広い観光関連産業、一次産業への波及効果も大きいわけですけれども、そういった観光立国北海道を実現していくために、私はこれは必要だと思っていますので、ぜひ宿泊税をいただいて、さらに魅力的な観光地、観光立国北海道をつくって、さらに多くの方に来ていただいてという好循環をしっかりつくっていくことが大事だと思っていますので、これは引き続き、しっかりと議論を深めていきたいと思っています。その上で、今、倶知安町といろいろ意見交換させていただいています。そこもある意味、初めてこうやって条例の提案と合わせて説明させていただくので記者の方は皆さん分かっていると思うのですけれど、記者の皆さんを通して道民の方も知るというところがあるので少し分かりやすいように説明させていただきたいのですけれども、倶知安町は定率制なのです。2パーセントということです。北海道のほうは、段階的定額制ということで、100円、200円、500円ということです。この導入時期については、倶知安町が最も早く、令和元年11月から既に導入して、徴収しているという状況です。一方、北海道のほうは、早ければ令和8年4月からの導入を検討しているという状況です。こういう違いがあります。それとともに今、北海道だけではなくて、宿泊が最も多いのは札幌市なのですけれども、札幌市などを含む約20の市町村も、道と同様に定額制を導入しようという状況になっています。ではなぜこの定額制がいいのだという話ですけれども、これは宿泊する方々の分かりやすさです。100円とか200円とか。定率だとパーセントをかけていくので、どうしてもその金額に応じて変わってきますので、そういう分かりやすさだとか、簡素な制度ということから、事業者の皆さんの声、また、市町村でもさまざまなご検討された中で、定額制がいいのではないかということで、今、約20の市町村とともに、これを導入していければと考えています。ただ、倶知安町としては定額制ではなくて定率制なのです。そう考えると、定額と定率が2つの制度になるという状況がありますので、そうすると、町内の事業者の方々が、負担が多いのではないか、だから、ここはやはりきちんと軽減しないと、これは駄目なのだということを倶知安町の皆さんがお考えになられています。これは当然のことだと思っています。それと、町内としては、定額制ではなくて定率制にしてほしい。2つ(制度が)存在するのではなくて、道についても定率制にしてほしいということですね。だから極端な話、178市町村は定額制だけれども、倶知安町については(定率制に)道も合わせてほしいということです。その点について、道としてはどうしたらできるのだということで考えたのです。倶知安町のみを定率制度、ほかはみんな定額制度ということは可能なのかということで検討を重ねてきました。その結果として、道の税制度においてはどうしても実現できないということで判断せざるを得ないということになりました。ただ、そうは言っても、これは一つ、税制度としてはそうなのだろうと。ただ、倶知安町が困るということ自体はあるわけですから、やはりしっかり倶知安町の負担をどうやったら減らせるのだと。制度としてはそういうことなのだけれども、どうやれば負担を減らせるのだと、こういうことを徹底的にやっていかないといけないなと思っています。今こういったことに取り組んでいかなければいけないと思っています。また一方で、さっき東京都の話もしましたけれども、この宿泊税を導入しながら魅力的な観光地づくりというのをさまざま、他の都府県などでもやっている。北海道はやはり観光、これは非常に大きな魅力のある地域なので、そういうところにもやはり遅れを取るわけにはいかないというところもあります。ですから、本定例会において、この条例の提案をさせていただきたいという考えであります。まず、いち早く導入されている倶知安町の負担をとにかくどうやったら減らせるのか。これは徹底的に考えていきたいと思っています。マスコミの方は多分そんなの分かっているよというふうに思ったと思うのですが、税制度となるとなかなか難しいので、この会見を通して道民の方にも、分かりやすいように説明させていただきました。

(北海道新聞)
今の関連で、宿泊税の条例が道議会で可決されたとしても、倶知安町が仮に反対を続けた場合、総務省の同意手続きの段階で同意が得られない可能性も否定できないと思います。
知事としていつまでに倶知安町さんの同意を得ていきたいとお考えですか。

(知事)
総務省の同意については、予断をもって申し上げることはなかなか難しいというところはあろうかと思いますけれども、基本的には課税自主権というのがそれぞれ、北海道にもあります。知事、また、これは当然のことですけれど、道民の皆さまから選ばれて道議会があります。倶知安町も同じように、倶知安町民の方々が町議会の皆さんを選んで、町長を選んでいるその中で、その課税自主権の下で倶知安町としては、町としての宿泊税を決定しています。ですから、道は道として、道議会、そして知事の下で、倶知安町のみならず、北海道全体に対する宿泊税としてのこの課税自主権に基づく議論はしっかりやっていくということが基本的スタンスになると思いますし、総務省もその点は課税自主権のそれぞれに存在する、これは当たり前のことですけれども、そういった視点に立った中で考えていくということが基本になるのではないかなと思っています。いずれにしても、先ほど申し上げたような負担をとにかく減らしていく、これがもう極めて大事ですから、ここを徹底的にやっていくということを、われわれとしては進めていきたいと思っています。先ほど申し上げたような導入の必要性については、私はあると思っています。そして、他の地域においても、海外、国内含めて、やはりできるだけ多くの方にそれぞれの地域に観光客として来てほしい、こういうことに取り組んでいる中で、やはり北海道のそういった宿泊税を道内、道外、海外、そういう方々にご負担いただきながら、しっかりと、さらに観光立国北海道としての魅力を高めていく。このことは、私は遅れをとることなく、しっかり対応していく、これが重要だと思っています。

(北海道新聞)
最後に、倶知安町さんの反対が続いた場合は2026年4月という道が思い描いていた導入のスケジュールに影響が出かねないかなと思います。倶知安町さんの反対が続いた場合は、税の導入時期を後ろ倒しすることも選択肢としてお持ちなのか、現時点でお考えを教えてください。

(知事)
早ければ、今申し上げたようなスケジュールの中で当然やっていきたいということを念頭に置いた上で、そこはしっかりお話を続けていくということが基本になると思います。

(北海道新聞)
年収103万円の壁についてお聞きします。今週は政府の経済対策に引き上げが明記されることが決まり、年末の税制改正で議論がされる予定です。知事はこれまで道の税収にも相当程度の影響が生じるとの認識は示されておられますけれども、具体的にどの程度税収が減る見通しなのか、もし検討が進んでいるようでしたら、それについて教えていただきたいのと、その結果、行政サービス等にもたらされる影響について現時点での認識を併せてお聞かせください。

(知事)
これは会見でも申し上げて、いろいろなところが試算を出したり出さなかったりしているという状況なのですが、まず政府の試算の前提条件が明らかになっていないというところであります。また、こうした制度改正に伴う経済的な変動要素、これによる増収効果、こういったものが加味されていないということがありますので、対応に慎重を期していたというところです。ただ、仮に住民税の基礎控除額等を現行の103万円から178万円まで、75万円引き上げた場合については、これは仮の話ですけれども、令和5年度の納税義務者数に、税率を乗じて、あくまで機械的に計算した道の個人住民税の減収額については500億円台後半になると見込まれます。先日、札幌市も(減収額を)出したと思うのですけれど、北海道と市町村は別ですから。北海道として500億円台後半、札幌市も500億円と言っていました。だからこれは単純に北海道だけの話なのです。それで、数字が独り歩きする可能性があるので、少し言うかどうかも迷ったのですが、記者の皆さんには、後ほどこの積算に対する考え方の資料を配付させていただくので、いろいろな取り扱いをこの金額についてされると思うのですけれども、こういった前提条件の下で計算されていますということを、資料配付させていただきたいと思います。また、必要な疑問などがあれば、説明も追加でさせていただきたいと思っています。
いずれにしても、全体像が見えないという状況があるので、あくまでも仮の試算だということでご留意いただければありがたいと思います。これは会見が終わった後に、積算の紙と、もし、そういった細かい積算の考え方に対する質問があれば、担当のほうでご説明させていただきますので、お願いします。

(HBC)
今の他社さんからの質問でもありましたけれども、具体的に500億円台後半の減収が見込まれた場合に、影響が出る行政サービスというのはどのようなものが考えられるのかというところと、あと先週、先々週ともこの話いただきましたけれども、知事としては、この103万円の壁の見直し引き上げというのは、賛成なのか反対なのかというところをお聞かせください。

(知事)
まず、何の影響が出るのですかというのは、それこそ独り歩きすると思います。結局、(減収)金額としてはもう相当な額ですから、そういった意味では道の財政に与える影響というのは極めて大きい。さらにそれは一過性のものではなくて、継続していくということであれば、まずは道民の皆さまに影響を与えないように全力で道政運営をする、これはいかなる状態であっても、当然のことだと思います。
ですから住民の方々に影響がないように、さまざまな努力はするのですが、ただ規模がやはり500億円の後半になってくるという状況になりますと、これはどうしても行政サービスの影響を懸念せざるを得ないという点については申し上げて差し支えないと思っています。
ただ、私も前回お話しした時に、マスコミの皆さんの多分(報道時間の)尺の関係だと思うのですけれど、行政サービスの低下によって相対的に政策効果が減退するというお話をして、その前半の部分というのが全く切り取られてしまっているということがあるのですけれど、この103万円の壁と言われる問題、今さらに130万円の壁など、課税だけではなく社会保障も、一体的な課題なども指摘されている。これは、(課題として)ずっと抱えてあったのです。今、急に出てきたわけではないのです。この問題というのは、ずっと指摘されてきたのだけれども、選挙で、ある意味では皆さんに可視化した中で、民意を得て、(国民民主党が)議席を得たという中で関心を集めた話だと思います。この議論というのはまさに国会が議論してこなかったことなのです。今、時間がない中で急いで議論していると私からは見えるということです。そういった課税のあり方、また社会保障も含めた中での壁については、大いに議論してもらって、今の働き方ですとか、学生も含めた中での働き控えなどにつながっている、そういった懸念などについてはしっかり解消してもらう、これはぜひ国会でしっかり議論してほしいと思います。
ただ一方で、それはしっかり議論して答えを出す、あとは、地方は関係ない、地方の税収については知りませんというのは、あまりにも乱暴だし、さらには、そこには同じ国民が住んでいるのです。だから手取りが増える話に反対なんて誰もしないですよ。手取りが増えると言ったらみんなが喜ぶし、ここにいるみんなだって手取りが増えることに反対ですかと言ったら、みんな、賛成です、ぜひ増やしてくださいとなるはずです。社会的に出てきたそういった課題についても、今まで議論しなかった国会のツケが回っているのだと思います。だからしっかり議論する。これをしっかりやってほしいと思います。ただその上で、国民の皆さんにはいいことばかりではなくて、こういう課題もあるのだと、そのことに対してこう対応しようとしているのだということをしっかり国民の皆さんに示すことが政治の責任なのではないかと思います。それは、国民にとっていいことを言えばみんな喜びますし、それはいいということになると思うのだけれど、ただそういった中で、財政的に制度としてどう組んでいくのか、こういうことは考えなければいけないわけですから、だからそこはしっかり議論していただく。ただ一方で時間がタイトということで、ある意味、方向性が決まったのだと思いますから、そこは、これまで議論してなかったことで、そういう状況になっているという意味では、責任がまたわれわれに降ってくると考えると少し恐ろしいなと思います。ただしっかりそこは議論していただきたいと思うし、また今後も課題があれば、国に対してしっかり申し入れていきたいと思います。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)

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