2024 年 11 月 18 日

東京電力リニューアブルパワー株式会社

ドローンの遠隔操作によるダムの臨時点検の実証について～DX推進による水力発電事業のスマート保安の実現に向けて～ [東京電力リニューアブルパワー株式会社]

当社は、国内水力発電事業において、DX を取り込んだ業務の高度化を日々検討しています。このたび、葛野川ダム（山梨県大月市）において、ドローンの遠隔操作による地震発生後の臨時点検※を想定した自律飛行の実証に成功しました。

地震発生後の臨時点検は、ダム等への移動経路の安全状況が不明な中、人が出向しなければならず、人身災害の発生リスクが潜在しています。また、最寄り事業所から山間地帯にあるダム等への移動には一定の時間を要することから、ダム等の健全性を迅速に把握することが困難なケースもあります。

今回の実証では、通信キャリアの電波が届かないダムにStarlink 受信設備、LTE 基地局、及びドローンポートを設置し、ダム堤体から半径約2km 圏内でドローンの遠隔操作可能な環境を構築しました。

これにより、従来の点検方法と比べ、ダムの健全性を出向レス、且つタイムリーに把握できることを確認しました。出向レスに関しては、人身災害の発生リスクを回避できる点において最大の成果と言えます。

今後、当社が保有するダム等の臨時点検について、関係官庁等との協議を進めるとともに、出向時の安全面や通信環境の整備等の諸条件を踏まえながら、2025 年度以降の早期の業務適用を目指してまいります。また、将来的には、様々なシーンを想定したドローンの撮影画像と3D モデルの組み合わせによって、人による目視点検からの脱却も図ってまいります。

＜別紙1＞本実証におけるシステムイメージ
＜別紙2＞スマート保安の実現に向けた当社が取り組む DX マップ

※ダム等における地震発生後の臨時点検
堤高15m 以上のダム及び当社がマニュアルで点検対象と定めたダムの地震観測点において、震度4 以上もしくはダムの基礎部に設置した地震計で 25gal 以上の加速度を計測した場合にダムの健全性を確認するもの

以上