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2024-10-28 15:00:00 更新

美浜発電所3号機における国際原子力機関(IAEA)のSALTOチームからの報告書の受領

2 024年10月28日
関西電力株式会社


美浜発電所3号機における国際原子力機関(IAEA)の SALTOチームからの報告書の受領


当社は、IAEA※1のSALTO※2チームから美浜発電所3号機の「長期運転に向けた安全評価に係る報告書※3」を受領しましたのでお知らせいたします。


本報告書は、2024年4月16日~4月25日に美浜発電所で実施された調査結果であり、経年劣化管理および安全な長期運転に向けた活動について、概ねIAEAの安全基準の推奨どおりに管理されていることや今後、改善が計画されていることについて評価いただきました。一方で、一部の取組みについては、IAEAの安全基準や国際的な良好事例に対し、さらなる改善に向けた助言をいただきました。


今後、2026年度にSALTOチームのフォローアップ訪問※4を受ける予定です。


当社は、今回の調査で得られた知見を、今後のプラント設計や設備保全に反映していくことで、原子力発電所の安全性・信頼性の向上に取り組んでまいります。


※1:IAEA(International Atomic Energy Agencyの略)


1957年に国連加盟国により、世界的な“平和目的の原子力”組織として設立された。当機関の役割は、加盟国および世界各国が協力して、核技術の安全、保障および平和利用の促進を図ることである。


※2:SALTO(Safety Aspects of Long Term Operationの略)


IAEAが行う安全な長期運転のための支援プログラムであり、長期運転に対して、各発電所の経年劣化管理等の活動がIAEAの最新の安全基準を満足しているかどうか評価し、事業者に更なる改善に向けた推奨事項、提案事項を提供することで、安全な長期運転に役立てることを目的としている。


※3:長期運転に向けた安全評価に係る報告書


2024年4月16日~25日まで実施された美浜発電所3号機の安全な長期運転に対する客観的、国際的な評価に関する調査結果。


※4:SALTOチームのフォローアップ訪問


現地調査での提案事項、推奨事項に対する発電所の対応状況について、SALTOチームのリーダーおよび副リーダーをはじめとする数名の体制で実施されるフォロー調査。


以 上


添付資料:長期運転に向けた安全評価に係る報告書の概要


<添付資料>


長期運転に向けた安全評価に係る報告書の概要


1.評価概要


・関西電力が安全な長期運転に向けた対策をタイムリーに実施している こと、また、発電所の職員がプロフェッショナルかつオープンな姿勢 で、改善のための提案を受け入れていることを観察した。


・経年劣化管理と長期運転活動の大半は、すでにIAEAの安全基準を満たしている。


・プラントがレビュー結果に対処し、安全な長期運転に向けて残りのすべての活動を計画どおり実施することを奨励する。


2.評価結果


(良好事例:6件)


・設備等の設計の古さ※1を特定し、管理するための総合的な方法を開発・導入している。


・故障時に安全系設備へ悪影響をおよぼす可能性のある機器について、資料調査・ウォークダウンにより特定し、管理している。


・原子炉格納容器の経年劣化管理等に関するベンチマーキングを行い、経年劣化管理を強化している。


・建物の定期点検の報告書において、点検結果を部屋単位でも評価している。


・人事異動等を考慮し、重要な役割を担う候補者の事前選定、力量管理を行っている。


・社員の能力とスキルを向上させるために退職者をメンター(相談者)として効果的に活用している。


※1:時間の経過により設計や運用等が最新の考え方と比較して古くなっていくこと。


(推奨事項:7件)


・長期運転プログラム※2のさらなる発展・実施を推奨する。


・効果的な経年劣化管理プログラム※3の評価について推奨する。


・機械、電気、計装制御機器、土木構造物の経年劣化管理レビュープロセス※4の充実・実施を推奨する。


・経年劣化傾向を把握するためのデータ分析・管理の改善を推奨する。


・過酷な条件に対する機器の耐性を確認するためのプログラム※5の改善を推奨する。


・土木構造物の補修要否を判断する基準のより明確な具体化等の改善を推奨する


・ナレッジマネジメントプログラム※6のさらなる発展・実施を推奨する。


※2:40年を超えて運転するために必要となる点検・改善工事や定期安全レビュー等
※3:IAEAの安全基準では、効果的な経年劣化管理プログラムについて、経年劣化管理の対象範囲や予防措置等9項目の属性で整理している。
※4:経年劣化管理が効果的に行われていることを検証するプロセス(経年劣化事象の特定、機器・構造物の現状把握等)
※5:重大事故等が発生した際に、機器が確実に機能することを確認するための手法や手順
※6:プラント運営に必要となる知識、情報の維持管理等に関するマネジメント


(提案事項:4件)


・安全性向上の充実に向けて中長期的な評価の実施を提案する。


・長期運転および経年劣化管理に関する指標等の充実を提案する。


・長期運転のための経年劣化管理の対象範囲を特定する社内ルールの改善を提案する。


・国内外の知見のさらなる活用について提案する。


3.今後の予定


今回いただいた提案・推奨事項に対する改善を進め、2026年度に SALTOチームからフォローアップ訪問を受ける予定です。


以 上

情報提供:JPubb

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