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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
はじめに「県立スポーツセンターにダイナボアーズがやってくる!」についてです。三菱重工相模原ダイナボアーズがラグビーリーグワン開幕に向け、県立スポーツセンターで合宿を実施します。
実施にあたり、本日は石井晃ゼネラルマネージャー、細田隼都選手にお越しいただきました。
ダイナボアーズと県は令和2年に協定を締結して以降、ラグビーを通じた県内のスポーツ振興において連携を深めてきました。
今回の合宿期間中もダイナボアーズと連携し、県民の皆さんがラグビーを「観る」、「知る」、「触れる」機会を創出します。
具体的には、まず、どなたでもご参加いただける練習見学会を実施します。
普段見ることのできない迫力あるプロラグビー選手の練習を間近で観ることができるだけでなく、ダイナボアーズスタッフによる練習の解説により、選手の特徴やラグビーの魅力を深掘りできます。
また、ご来場いただいた方にはチームからオリジナルノベルティのプレゼントを用意しています。
さらに、県内のラグビースクール生を対象としたスキルアップ教室や藤沢市と連携した小学校でのタグラグビー教室も実施します。
この機会に多くの方にラグビーに触れていただければと思います。なお、県立スポーツセンターで、プロスポーツチームが本格的な合宿を実施することは今回が初めてです。
司会: それでは、続きまして石井晃ゼネラルマネージャーからお話をいただきます。
石井ゼネラルマネージャー: 皆さんこんにちは。三菱重工相模原ダイナボアーズの石井です。ゼネラルマネージャーをやっております。よろしくお願いします。今回、神奈川県の連携協定ということで、善行のスポーツセンターを利用して合宿を行わせていただくことになりました。私たちは神奈川県を代表するチームとして、この場所で、次のリーグワンに向けて、しっかりと準備ができるということを非常に嬉しく思っております。知事もおっしゃいましたけれども、このときに、子どもたちに少しでもラグビーボールに触れてもらおうと思いまして、ラグビー教室を行うことになっております。このときには、選手総出で対応させていただきます。選手、スタッフ非常に楽しみにしておりますし、何とかこういう機会をもって、神奈川県内のラグビーを盛り上げてまいりたいと思います。また、私ども、ジャパンラグビーリーグワン ディビジョン1で戦っておりますが、今シーズンで3年目になります。トップ6、プレーオフ圏内を目指して、皆さんのご期待にこたえられるように頑張ってまいりたいと思っております。応援のよろしくお願いいたします。
司会: 石井ゼネラルマネージャーありがとうございました。続きまして、細田隼都選手よりお話をいただきます。
細田選手: 三菱重工相模原ダイナボアーズの細田隼都と申します。私は神奈川で生まれ、育ち、ずっと神奈川でラグビーをしてまいりました。ですが、今回、善行の県立スポーツセンターで合宿をさせていただくということで、神奈川県で合宿をするのはキャリアの中で初めてになります。なので、大変感慨深く思っております。また、ラグビースクールだったりで、学校の方々、ファンの方々とも交流する機会がありますので、しっかり交流を深めてまいりたいと思います。それと、12月22日の開幕戦に向けてしっかり研鑽を積んでいきたいと思いますので、引き続き、応援よろしくお願いいたします。
司会: 細田選手ありがとうございました。それでは、ここでフォトセッションに移ります。知事、細田選手、ご移動をお願いします。
~フォトセッション~
知事: ラグビーリーグワンの開幕を12月に控え、これから本格的なラグビーシーズンが到来します。ダイナボアーズには、この合宿を通じてチームを強化していただき、来るシーズンで選手の皆さんが大活躍し、多くの県民に感動を与えていただきたいと思っています。この件について、ご質問があればどうぞ。
記者: 石井ゼネラルマネージャーにお伺いしますけれども、県立スポーツセンターで合宿は初ということですが合宿地に選ばれた理由、魅力とかそういったところをお伺いできればと思います。
石井ゼネラルマネージャー: ありがとうございます。まず11月というタイミングで毎年合宿を、シーズン前の調整も含めて行っておりましたけれども、それまで遠方の開催が多く、なかなかよいタイミングがなくできなかったのですが、われわれにとって一番コンディションよく調整ができる場所を探したときに、善行のスポーツセンターが最適ではないかというところがあって、これまで、なかなかタイミングが合わなくてできていませんでしたが、今回、県の方々にもご協力いただいて、ご理解いただけて良かったかなと思います。
記者: 知事にご質問なのですけれども、知事自身は、ラグビーにどのような魅力があるとお感じになられているかという点をお伺いできればと思います。
知事: ラグビーワールドカップ日本開催のときに開催地ということで、われわれは一生懸命盛り上げたのをよく思い出しています。最終的には日産スタジアムがメイン会場になったわけです。本来であれば、新しくできる国立競技場がメイン会場のはずだったんですけれども、たまたま設計変更というのがあって、オリンピックには間に合うけれども、1年前のラグビーワールドカップには間に合わないということになって、それで、一時は日本開催そのものが取り消されるかもしれないという状況になったときに、私自身もロンドンの大会の会場に行って、世界の会長に直訴して、何とかして、われわれ一生懸命やるから、横浜のスタジアムもすごいからと直訴したということをよく覚えていますけども、あのとき、われわれが行く直前に日本が南アフリカに勝ったという、日本の存在感、ラグビーが世界に轟いたという直後に行ったものでありますから、われわれ日本人が会場にいるだけで、「日本、すごい、すごい」といった声がかかってくる状態でありまして、日本開催を何とか実現することができた。横浜がまさにメイン会場になったということで、「盛り上げていこう」と思ったのですが、残念ながら最初のころは、日本のラグビーでお客さんがいっぱいになるかということが非常に不安視されておりまして、何とか盛り上げていこうということで、必死の思いでやっていたことをよく覚えています。ところが始まってみるとどんどん皆さんの注目度が上がって、今までラグビーを見たことがない。ルールも分からないといった人たちが「ラグビー、ラグビー」となって、あっという間に日本ラグビーというものが日本中の国民の皆さんのハートをわしづかみにした。そういったことがあって、日本のチームも決勝リーグまで進んで、大活躍してくれたということがあり、ラグビーの歴史が思いっきり変わったという思いがあるので、私自身、非常に思い入れが強いです。ただラグビーワールドカップが終わってから、人気が維持できるのかどうかといったことも若干心配ではありましたけども、ダイナボアーズさんも頑張っていただいて、そして去年、またワールドカップがあって、日本は決勝リーグには行けなかったですけど、かなり頑張っていただいたということで、再びラグビー熱に火が付いたと思っているところであります。そういう中で、われわれの仲間である、ダイナボアーズさんが頑張ってくださるということが、せっかく火がついたこのラグビー熱を盛り上げていくために非常に重要だと思っていますので、今回合宿をしてくださるということをきっかけにして、より多くの県民の皆さんに再びラグビーといったもの、その魅力を味わっていただきたいと心から思っているところであります。
記者: 知事にお伺いしたいのですが、改めてダイナボアーズというチームが神奈川県にある意味合いの大きさだったり、重要な部分だったりってところを教えていただけますでしょうか。
知事: ラグビーというのは、先程申し上げたように、日常的に一般の国民が例えば、野球、サッカーのように親しんでいるということではまだまだないとは思うのです。しかし、神奈川の相模原のど真ん中にプロチームが頑張ってやってくれるということ。これは非常に大きな意味があると思います。ラグビーというのは見ていて、非常に面白い。見ていて面白いけど、私が最初見たときは、これ自分でできるかという思いもありましたけど、小学生でもできるタグラグビーというのがあって、みんなで楽しめるきっかけにもできるので、今回のこういった試み、ダイナボアーズさんが一般の皆さんに触れ合うということを非常に前向きにとらえてくださっているということは非常にありがたいことだと思っていて、今、サッカーは、神奈川は非常に強いというか、サッカーの神奈川となっていますけど、こういった県民の皆さんとしっかりとタッグを組んでやるということによって、ラグビーも神奈川だという時代をつくっていきたいと思っています。
次に、「県が初の大型障がい者アート展『かながわともいきアート展~生きること、表現すること~』を開催します」についてです。
県では、津久井やまゆり園事件以降、障がい者が描くアートを「ともいきアート」と称し、独創的で魅力あふれる作品を通じて、ときに「天才的」と思える彼らの才能をより多くの方に知ってもらえるよう、県立施設やショッピングセンターなどで作品展示を行ってきました。
今年は、それをさらにパワーアップして、横浜赤レンガ倉庫で県としては初の100を超える作品を一堂に展示する大型の展覧会を開催します。
今回は「生きること、表現すること」をテーマに公募を行い、480を超える応募がありました。その中から厳正なる審査を通過した80点以上と、招待施設展として県内の障害者アート団体から20点以上を展示します。
また、会場では、障がいの程度にかかわらず誰もが楽しめるイベントやワークショップも実施します。
一例をご紹介しますと、損害保険ジャパン株式会社の協賛による「白鳥さんと一緒に“ともいきアート”鑑賞会」では、全盲の美術鑑賞家、白鳥さんと一緒に会話をしながらアートを耳で観るという常識を覆す楽しみ方を体験できます。
付けてもらえますか。
これは「ときめき」を可視化する「e-lamp」というもので、ドキドキが増すと脈拍に応じ、青から緑、赤へとLEDの色が変化する、誰でも使えてコミュニケーションを促す楽しいツールです。株式会社JTB横浜支店の協賛で、この「e-lamp」が体験できる「e-lamp DAY」を開催します。
さらに、株式会社アイネットの協賛で、会場内にビーズクッションを設置して寝転んで休憩できるスペースを設けるなど、自分のペースでのんびり鑑賞できて、可能な限り制約が少ない環境をつくります。
11月23日の表彰式では、受賞者の皆さんのほか、特別審査員である俳優の小林涼子さんやタレントのセイン・カミュさんも登壇する予定です。
詳細は、お手元の資料や県のホームページをご覧ください。アート好きな方も、これまで「ともいきアート」をご覧になったことのない方もぜひ、お越しください。
次に、「令和6年度第73回『神奈川文化賞』『神奈川文化賞未来賞』受賞者が決定!」についてです。
この賞は、神奈川の文化の向上発展に尽力し、その功績が顕著な個人又は団体に対し「神奈川文化賞」を、今後の活躍が期待される若い世代の個人又は団体に対し「神奈川文化賞未来賞」を毎年度贈呈しているもので、神奈川新聞社と共同で実施しています。
このたび、今年度の「神奈川文化賞」及び「神奈川文化賞未来賞」の受賞者が決まりましたので発表します。
まず、「神奈川文化賞」は、芸術の分野から、濱口竜介さん、45歳です。映画監督及び脚本家として、『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞国際長編映画賞を受賞するなど、国際的に高い評価を得るとともに小規模映画館への支援に尽力されています。
続いて、芸術の分野から、山本理顕さん、79歳です。建築家として、国内外で地域社会の活性化に貢献するとともに後進の育成に尽力されています。
次に、無形文化財の分野から、杵屋響泉さん、109歳です。長唄三味線の演奏家として精力的に活動するとともに後進の育成に、貢献されています。
また、科学技術の分野から、宮坂力さん、71歳です。世界に先駆けて、ペロブスカイト太陽電池を発明するとともに研究開発に取り組み、科学技術の発展に貢献されています。
続いて、「神奈川文化賞未来賞」の受賞者です。
まず、ヴァイオリニストの橘和美優さん、23歳です。国内外の音楽コンクールで、優れた成績を収めるなど県内はもとより、広く活躍が期待されています。
もう一方は、俳優の古川琴音さん、28歳です。数々のテレビドラマやCM、映画、舞台、ミュージカルに出演し、その演技力は専門家から高い評価を得るなど近年目覚ましい活躍をされています。
賞の贈呈式については、11月3日「文化の日」に神奈川県民ホールで開催する予定です。
また、式典後に行う祝賀演奏では、今回「神奈川文化賞未来賞」を受賞される橘和美優さんが神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演します。
なお、毎年、神奈川文化賞とともに贈呈される「スポーツ賞」受賞者につきましては、改めて発表させていただきます。
次に「『湘南伊勢原のさかもとのたまご』を『かながわブランド』に登録!」についてです。
県と生産者団体で構成する「かながわブランド振興協議会」は、県内で生産される新鮮で安全・安心な農林水産物などを「かながわブランド」として登録し、県民の皆様にアピールすることで、消費の拡大を図っています。
「かながわブランド」として登録されるためには、統一の生産・出荷基準を守り、一定の品質を確保するなどの複数の条件を満たす必要があります。
この度、「かながわブランド振興協議会」による審査会が開催され「湘南伊勢原のさかもとのたまご」が「かながわブランド」に新規に登録されました。
こちらが、今回新たに登録された「湘南伊勢原のさかもとのたまご」です。この「湘南伊勢原のさかもとのたまご」は、飼育する鶏の飲み水に丹沢山系の地下水を使用し、餌にはカルシウムが豊富な貝化石を加えており、ミネラルたっぷりの卵です。
「毎日食べる卵だから安全安心おいしいもの」をモットーに、その日の朝に取れた卵を手作業で選別、洗浄を行い、鮮度の良い卵を、湘南地域で直売を中心に販売しています。
購入できる店舗は、JA湘南の農産物直売所の「あふりーな」と「あさつゆひろば」や、湘南地域の量販店「しまむらストアー」の各店舗のほか、生産している坂本養鶏の直売所やオンラインストアで通年お買い求めいただけます。
私も卵かけごはんと目玉焼きを実際に食べましたけれども、非常に風味があって栄養満点だと感じるようなとても良い卵だと感じました。
次に、発表項目ではありませんが、9月26日にお知らせしました「電気自動車と電動キックボードのシェア・レンタルサービス『西湘・足柄レンたび』を開始します」について、コメントします。
あした、10月10日から西湘・足柄エリアにおいて、周遊促進、移動の利便性向上と環境にやさしい交通手段の普及を目的に、電気自動車と電動キックボードのシェア・レンタルサービス「西湘・足柄レンたび」を開始します。
乗り捨て可能な電動キックボードのシェア・レンタルサービスは、西湘・足柄エリアにおいて初の取組みです。
ステーション設置場所は、公式ホームページで公開していますので、そちらをご確認ください。サービス開始に当たり、初回利用者向けの割引キャンペーンなども実施しますので、多くの皆様のご利用をお待ちしております。
なお、あしたは、小田原市役所正面玄関前広場において、11時から12時までの間、電気自動車や電動キックボードの撮影・取材が可能です。電動キックボードは試乗も可能ですので、ぜひお越しください。
知事出席主要行事については、事前に送付した資料のとおりですが、そのうち、1件お知らせがあります。10月19日(土曜日)に「かながわハイスクール議会2024」最終日の本会議に出席します。
当初、8月16日(金曜日)に開催予定でしたが、台風7号の影響により中止となり、このたび、主催者である日本青年会議所が改めて実施することになりました。
本会議では、8つの委員会からの質問と政策提言という形で、高校生議員から発表していただきます。
今年で18回目になりますが、若い世代が政治に関心を持ち、真剣に議論する場を継続していることは大変意義深いものと思っています。高校生ならではの、新鮮な提案を楽しみにしています。私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。
記者: テーマを「生きること、表現すること」に設定したとおっしゃっていましたけれども、その理由をお伺いできますか。
知事: これまで県では、障がい者アートを「ともいきアート」と称してクローズアップし、民間商業施設や県立施設だけでなく、知事執務室にも展示し、私自身が率先してPRしてきました。「ともいきアート」をもっと多くの人々に知っていただき、ファンになってもらえるよう、今回、大きな集客が見込める横浜赤レンガ倉庫で大規模な展覧会を開催することにしました。私も「ともいきアート」を毎日私の執務室で見ていますけど、本当にすごいなというか、魅力を感じます。皆さん、作者お一人お一人が、独自の世界感を持っていて、それを自由な形で発想されて表現されているという、まさに、アートです。こういったものをより多く皆さんに見ていただきたい、知ってもらいたいとずっと前から思っていますので、そういった機会になると、まさに生きること、そして表現すること。皆さんの持っている障がい者と言われているのだけれど、実はこれだけのパワーを持っているのだという、そのことにも目を向けるきっかけになっていただければと思います。
記者: 細かいのですけれども、審査員の方2名、特別審査員の方2名、計4名で、賞の種類の中に神奈川県知事賞という賞があるのですけれども、これは知事が選ばれるという意味合いの賞なのでしょうか。
知事: そうです。何点か選んでもらった中で、最終的にどれがいいですか、ということで、私自身が選ばせていただきました。
記者: 県議会でカスタマーハラスメントについての議論があったと思います。県としての調査を行われて、その調査の結果を改めてお伺いしたいのと、お隣の東京都ですと、条例を制定していると思います。神奈川県としてそういう条例づくりを検討するお考えがあるのかどうか教えていただけますでしょうか。
知事: カスタマーハラスメントについてのアンケートを県庁職員に行って、その結果を発表したところでありますけども、私自身もそういうことはあるだろうと思いながら、改めてアンケートの結果を見て、相当衝撃を受けました。県庁職員が、まさにカスタマーハラスメントに本当に苦しんでいる現実というものが浮かび上がってまいりました。苦情処理をするセクションにかかってくる電話だけではなくて、直接担当部局に電話がかかってきて、場合によっては5時間も怒鳴り続けられるといったことが実際に起きている。実際の業務そのものに支障が生じている。そして心が折れるといいますか、そういった状況に追い込まれるということが今あるということを何とかしなくてはいけないと強く思っているところです。今どうするか具体策を練っているところではあります。そういった中で、東京都は条例をつくられたようでありますけども、実は、国でも、法制度化に向けた検討が進んでいるということで、その成り行きというのを見守りながら、今の段階では、県としてカスタマーハラスメント条例をつくるということは、今のところ考えていません。
記者: 県議会で、中井やまゆり園の一連の問題の中で、健康被害とか、低栄養のお話について、今回、知事が結構厳しく問題だということを答弁されたと思います。問題自体は昨年度からずっと検証を進めてきたと思うのですけれども、ここで改めてそのお話を指摘されているという点。どういった理由からかというのを教えていただけないでしょうか。
知事: 中井やまゆり園については、かつて虐待事案というと90何件上がってきて、そして委員会の皆様にも入っていただいて、そして、全部膿を出そうということで、外部からの有識者も入って、アドバイザーのメンバーにも入っていただいて、改革に取り組んでいた中で、改革が目に見えて進んでいるという報告を受けていました。しかし、その実態の中からまた改めて、さまざまな虐待事案だけではなくて、よく見てみると、要するに、医療といったものが本当に届いているのかという新たな課題が見えてきたわけです。普通、皆さん、具合が悪くなったときには、病院に行って、診てもらってどうこうするというごくごく当たり前の対応。これがどうもできていないのではないかということが浮かび上がってまいりました。このこと自体は、今まで見ていた虐待とは少し違うのです。虐待というのは、まさに身体的に拘束をかけたりする、そういったものを虐待と言っていますけど、本来なら病院に行かなくてはいけない人を連れて行かなくて、適当な薬でごまかすような、そのようなことが当たり前にある。これは、今までの従来の虐待と少し違った内容で、こんなことがあったということは、私は、新たな課題だと思います。そのときにわれわれは何を目指しているのかという原点です。当事者目線の障がい福祉を目指していこうと言っているときに、熱が出た、具合が悪いといった人に対して、熱が出たらこの薬飲ましておけみたいなことで済ませた。例えば、自分の親がそういう状況になったときにはどうしたのかといったときに、熱が出て様子がおかしいなと思ったら、病院に連れて行くとか、一緒について行ってあげるだとか、普通します。そういったことがどうも行われていないといった中で、当事者目線ということが全く徹底してないということを感じたわけです。ここの問題についてしっかりとメスを入れていかなければと思います。
記者: 医療へのアクセスのお話なのかなと思うのですけども、それを検証ですとか、今後どう運用を改めていくかというところについて、知事のお考えですとか、県として決まっているところがあれば教えていただけないでしょうか。
知事: 今どのようにしてその問題に対して向き合っていくかという準備を進めているところです。やはり医療の目線が入っていないです。それをしっかりと検証していかなくてはいけないと思います。これはおそらく中井やまゆり園だけの問題ではないと思います。これは日本の障がい福祉全体に、実は目に見えていなかった課題があるのではないかと思っている。この問題をどのようにして切り込んでいくかといったことはこれからしっかりと体制を整え、真剣に取り組んでいきたいと思います。
記者: 本日まもなく衆議院で解散が行われますが、これから選挙戦に入っていくということで、きょうの解散に向けての知事の受け止めと今回の選挙は解散から投開票までが戦後最短という超短期決戦と言われていますが、それを踏まえてどうお感じになっているか、所見を聞かせてください。
知事: 石破総理が誕生してすぐの解散ということになります。今回解散総選挙をやる状況の中で、私が選挙の流れに影響を及ぼすような発言をすることは差し控えたいと思います。ただいろんな課題が浮かび上がっている中で、国民の皆さんがどのように判断されるのかということを私もしっかりと見届けていきたいと思っています。政治と金の問題等々が言われているといったものは私自身のキャスター時代を思い出します。細川連立政権が誕生に至ったあのときの選挙。発端は政治と金の問題でしたから。東京佐川急便事件が起きて、政治と金という問題が浮かび上がって、それがきっかけで、そして選挙になって、まさかまさかという、あのときは誰もそのようなことを想像していなかった政権交代が起きた。それくらい大きな、実は爆発的な力があったのですけれども、今回も政治と金という問題はありますが、それぐらいの流れになるのかどうか、それに対応する野党側はどのような形になってくるのか、今のところは予断を許さない、大変重要な選挙であることだけは間違いないと思っているので、しっかりその流れを見ていきたいと思っています。
記者: 新首相になって出ている関係で、日米地位協定の関係で伺いたいのですけれども、この間県内でも基地からのPFOSの流出とかコロナの関係の対応とか、地位協定に関わる事案があったと思うんですが、これまでも渉外知事会で改定の要望とか出されていると思うのですが、改めて地位協定に関わる課題をどのようにとらえていらっしゃるかと、改定に向けての考え方を伺えたらと思います。
知事: 在日米軍に係る事件・事故等の問題が起きた際に、国から自治体に対して適時適切に情報提供を行うことは、自治体の対策に必要であるだけでなく、基地周辺住民の方々の安全・安心の確保のためにも重要です。一方で、これまで、自治体に対する情報提供には、しばしば問題が生じており、最近では、今年6月に明らかになった沖縄県での性犯罪事件において、本来、日米合同委員会合意に基づき行われるべき、自治体に対する情報提供がなかったことが明らかになっています。こうした問題が生じる背景には、自治体等に対する情報提供を日米両国政府に義務付けるような規定がないという日米地位協定上の課題があります。このため、日米地位協定を改定し、自治体への情報提供に関する規定を設けるよう、国にこれからも求めてまいります。日米地位協定には、これ以外にも、米軍に対し、我が国の国内法令が適用されないことなど、さまざまな課題があることから、今後とも私が会長を務めている渉外知事会等を通じ、日米地位協定の改定を強く国に働きかけてまいります。石破総理が自民党総裁選のプロセスの中で、日米地位協定の問題に対して言及されて、われわれも注目しておりますけれども、その後、総理になられてから、「日米地位協定が一朝一夕に変わるとは思っていない。そういうことは着実に取り組んでいく。」こういうご発言がありました。確かにこの問題は一朝一夕に済む問題ではないということを私も理解をするところでありますけども、しかしそういうことを思いとして持っていらっしゃる石破総理の今後の取組みは、しっかりと期待を持って見守っていきたいと思います。
記者: やはりPFASの問題とかって結構周辺住民の関心が高いと思うのですがPFASをめぐる対応とかで地位協定に関して、これまで感じてこられた部分、環境協定に関してもおそらく要望の中で触れられていると思うのですが、そのあたりも少しお伺いできますでしょうか。
知事: 日米地位協定そのものは1度も改定されないまま、その都度起きた問題、PFOSの問題も含めていろいろと要望してきた中で、国は運用という形で対応してきたということです。環境問題については環境補足協定で、日米地位協定の本体の変更ではありません。環境補足協定といったものがあり、それと一体となって対応しているというところはありますが、しかしこういった問題が繰り返されることの根本は、やはり日米地位協定の改定が必要だと思う。ですからこの問題は、しっかりと取り組んでいただくよう、総理もそういう思いを持っていらっしゃるわけですから、国に強く働き掛けていきたいと思います。
記者: 約1か月ぶりの記者会見だったと思うのですけども、自民党総裁選と立憲民主党代表選がありまして、それぞれ新しいリーダーが決まったのですが、キャスター時代も通じて、お二人との関わりがあるかどうかというのをお聞きしたいのと、お二人に期待することがあれば教えていただきたいです。
知事: 今ちょうどここに来る直前に、今もそうかもしれませんけど、党首討論が行われました。石破総理と野田代表が一対一で向き合っている。なかなか、本格的な論戦が行われているという感じはしました。やはり野田さんは総理経験者でありますから野田代表の切り込み方はなかなか堂々たるものだなと思いましたけれども、それに対する石破総理もまさに論客らしくしっかり答えている、そういった印象を持ったところで、途中で出てきましたから、その後どうなったかは分からないですが、お二人とも、私は非常にご縁があります。いずれも、キャスター時代に報道2001という番組をやっているときに、お二人とも何度もゲストで出ていただいた方でありました。石破さんは、私がやっていた報道2001ではおそらく最多出演された政治家ではなかったかなと思います。どのような課題であろうと対応できる、そういうマルチなところがあって、それをしっかりと論をもって答えているということで、私もそういう意味での近しい間柄であることは間違いないと思います。野田代表は、実は早稲田大学政治経済学部で、隣のクラスの人だった。同学年だったのです。実は、後から知ったのですけれども。 私は浪人をしているので歳は上ですけども、早稲田の同級生。総理大臣になったとき、みんなでお祝いしようと集まったこともありましたけれども、それだけではなくて直接酒をくみかわしたこともありますし、非常に落ち着いたまさに論客でもありました。 だから与野党にそういった論客が揃っているという状況の中で政治の世界、選挙の世界、どういった展開をするか分かりませんけども、非常に注目をして見ていきたいと思っています。
記者: 数か月前にJR東海のリニア中央新幹線神奈川県駅を視察されて、文化施設、一時的な文化ホールとして、使いたいというご意向あったかと思うのですが、その後の検討状況を教えていただきたいのと、大雨で、盛土が少し崩れたということもあったので安全性についての対策のお考えがあれば教えていただきたい。
知事: 今、着実にその構想実現に向けて動いているところです。もうすぐ発表になると思いますけれども、オープニングイベントといったものを用意しています。そこでこれからある種のエンターテインメントの拠点としてやっていきますということを宣言する場にしたいと思っています。そして今、JR東海といろいろと協議しながら、図面を書いて、そして、このエリアはこんな感じ。このエリアはこんな感じ。皆さんが選択できるように、そういう資料を作って、これから、そういうことを希望されるエンターテインメントご専門の皆さんに実際に見ていただいて、ここのところこう使いたい、自由な発想でやっていただきたいと思います。安全面等々につきましてはJR東海がこの工事を担っている、現場を統括されていますから、こういったことがなくても安全といったことは、皆さん、まさに一番気をかけられているのですから、そこにお客様が入ってこられて、エンターテインメントやるといったことについて、しっかりと、JR東海と緊密に詰めていきたいと思います。
(以上)
政策推進グループ
情報提供:JPubb