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2024年9月24日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
NEDOが推進するグリーンイノベーション基金事業「浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業」の一環で、浮体式洋上風力発電設備の安全かつ効率的な係留施工を目的とした「浮体式洋上風力発電設備建設のための浮体曳航及び係留施工ガイドライン」(以下、本ガイドライン)が、一般財団法人 日本海事協会の監修の下、同協会より発行されました。
本ガイドラインは、ケイライン・ウインド・サービス株式会社(以下、KWS社)が、浮体式洋上風力発電設備の風車浮体設置に関する低コスト施工技術の研究開発を実施し、その成果の一部を取りまとめたものです。
本ガイドラインは浮体式洋上風力発電設備の係留施工を計画、遂行する際の指針として、係留施工技術の社会実装、国際展開の促進に寄与するものと期待されます。
図1 「浮体式洋上風力発電設備建設のための浮体曳航及び係留施工ガイドライン」の表紙
グリーンイノベーション基金事業※1「洋上風力発電の低コスト化」プロジェクトの一環として、KWS社はジャパン マリンユナイテッド株式会社、日本シップヤード株式会社、東亜建設工業株式会社とともに、研究開発事業「セミサブ型浮体・ハイブリッド係留システムに係る技術開発及び施工技術開発」※2(以下、本事業)の中で、日本の環境に適した洋上風車浮体基礎の開発や、専用船を用いた洋上風車浮体設置に関する施工技術の開発など、浮体式洋上風力発電設備の製造および施工の低コスト化に向けた技術開発に取り組んできました。
KWS社は本事業の中で、浮体式洋上風力発電設備の風車浮体設置、係留施工技術の研究開発に取り組みました。同設備は係留※3による洋上設置が一般的ですが、係留施工は洋上という不安定な環境下において高重量かつ高張力を取り扱う作業が求められるため、綿密な作業計画の策定、情報共有の徹底および適切な資格と能力を有する作業者の配置が必要になります。そこで本事業では、浮体構造物の係留施工実績が先行している海外の油ガス田事業の施工技術を参考に、同設備に適した係留施工手順の検証を行いました。
本ガイドラインでは、本事業で検証した係留施工手順などを基に、浮体式洋上風力発電設備建設時の浮体曳航、係留施工を安全かつ効率的に計画、遂行するための基準が、標準的な指針として取りまとめられています。なお、本ガイドラインは業界標準としてより広く普及させる観点から、船級関連の認証機関である日本海事協会による監修の下に、同協会より発行されました。
浮体式洋上風力発電設備建設時の実プロジェクトにおいては各プロジェクトに特有な個別条件を踏まえての作業手順書の策定が前提とされますが、本ガイドラインでは標準的な係留施工という観点での要件が整理されております。本ガイドラインの内容は、以下のように構成されております。
図2 本ガイドラインの第6章「作業遂行」の説明図例
本ガイドラインの普及が、係留施工技術の社会実装、国際展開の促進に寄与するとともに、今後想定される浮体式洋上風力発電設備の大量建設、大量導入の一助となることが期待されます。
NEDOは今後もグリーンイノベーション基金事業などを通じて、浮体式を中心とした洋上風力発電の低コスト化および導入拡大に貢献します。
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