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2024年09月13日
株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)とChevron Shipping Company(本社:米国カリフォルニア州サンラモン、以下「Chevron」)は、脱炭素化への継続的な取り組みの一環として、MOL Encean Pte. Ltd.(註1)からChevron Asia Pacific Shipping Pte. Ltd. へ長期用船される新造LNG運搬船(以下「本船」)にウインドチャレンジャー(註2)2基を搭載することに合意しました。本船は、風力補助推進システムを搭載した世界初のLNG運搬船となります。
ウインドチャレンジャー2基を搭載したLNG運搬船(イメージ図)本船は Hanwha Ocean Co., Ltd. (本社:韓国) のコジェ造船所にて建造され、2026年の竣工を予定しています。商船三井は、2024年8月に一般財団法人日本海事協会から世界初となる風力補助推進システムを備えたLNG運搬船の基本設計承認(Approval in Principle、以下「AiP」)を取得しました(註3)。本船は同AiPを取得したデザインをベースとして建造される初めての風力補助推進システム搭載LNG運搬船となります。
ウインドチャレンジャーは、特徴の一つである伸縮式の帆によって本船の燃料消費量の削減と温室効果ガス(以下「GHG」)排出量の削減に寄与します。
安全面に於いては、ウインドチャレンジャーの冗長性を持った設計に加えて、全天候型船橋の採用や船体前方の上甲板に設置予定のLookout stationによる視認性の補助など、複数の安全対策を講じています。
また、既存のメンブレン型LNG運搬船の係留装置の配置に影響を及ぼさない帆の搭載位置と、風圧面積の影響を抑えた設計によって船陸整合性への影響を最小限に留め、配船の柔軟性を確保しています。
Chevron Shipping Companyの社長 Barbara Pickering氏は「Chevronは商船三井との提携によるLNG業界で初となるウインドチャレンジャー搭載を誇りに思います。本件は、低炭素化が困難な産業において新たな取組により我々のLNG船隊を低炭素化する新たな事例となります。」と述べています。
商船三井 代表取締役社長執行役員の橋本剛は「私たちはChevronのご理解とご協力の下、ウインドチャレンジャープロジェクトのLNG運搬船への拡大を、既に竣工済みのウインドチャレンジャー搭載バルカー2隻(註4)と計画中の他船プロジェクト(註5)に加えて、実現したことを喜ばしく思います。トランジション・フューエルとして世界的に需要が高まるLNGの海上輸送に於いてGHG削減を実現していくことは私たちにとって大変重要な使命と考えています。このプロジェクトは、間違いなく商船三井グループの中長期目標である"環境ビジョン2.2"で掲げる「2050年までのネットゼロ・エミッション達成」に向けた重要なマイルストーンとなるでしょう。」と述べています。
商船三井は、9月17日から20日まで、米国ヒューストンで開催される「Gastech Exhibition & Conference 2024」にブースを出展する予定です。ウインドチャレンジャー搭載LNG運搬船の展示や開発担当者によるトークセッションの開催を予定しています。
<本船概要>
船主 | MOL Encean Pte. Ltd. |
全長 / 全幅 | 約286メートル / 約46メートル |
貨物槽容積 | 約174,000立方メートル |
建造造船所 | Hanwha Ocean Co., Ltd. |
ウインドチャレンジャー仕様 | 帆数:2基 高さ:最大約49メートル(3段式) 幅:約15メートル 帆の材質:繊維強化プラスチック |
(註1) 商船三井 100%保有グループ会社
(註2) 詳しくは、風力補助推進システム「ウインドチャレンジャー」 | サービス | 商船三井(MOL) Solutions (mol-service.com)をご参照ください。
(註3) 詳しくは、世界初、ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載LNG運搬船の基本設計承認(AiP)を取得 | 商船三井 (mol.co.jp)をご参照ください。
(註4) 詳しくは、世界初のウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載石炭輸送船「松風丸」の竣工について | 商船三井 (mol.co.jp)、およびウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載2隻目 ばら積み船「Green Winds」が竣工 | 商船三井 (mol.co.jp)をご参照ください。
(註5) 詳しくは、ウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)を電源開発向け石炭輸送船に搭載 ~世界初の既存船への改造工事搭載~ | 商船三井 (mol.co.jp)、および商船三井ドライバルク運航船7隻に風力推進補助装置を搭載 ~2030年までに「ウインドチャレンジャー搭載船25隻」を着実に推進~ | 商船三井 (mol.co.jp)をご参照ください。
<会社概要>
商船三井
商船三井は日本に本社を置き、世界中で800隻以上の船舶を運航する世界有数の海運会社です。商船三井は、環境保全など刻々と変化する社会のニーズに応えるため、海運を中心にさまざまな社会インフラ事業や技術・サービスを展開しています。商船三井の船隊には、ドライバルク船、LNG船、自動車船、タンカーなどが含まれます。また従来の海運事業に加えて、ターミナル、物流、洋上風力発電、などの社会インフラ事業と共に、不動産、クルーズ、フェリーなどのウェルビーイングライフ事業も展開しています。世界最大級の船隊と、約140年の歴史、経験、技術をもって、私たちは、グローバルな社会インフラ企業へと飛躍し、青い海から人々の毎日を支え、豊かな未来をひらき、全てのステークホルダーに新たな価値を届けてまいります。
ホームページ:https://www.mol.co.jp/
Chevron
Chevron(ニューヨーク証券取引所: CVX)は世界有数の総合エネルギー企業です。同社は、人々の生活がより豊かで持続可能な世界を実現するためには、手頃かつ信頼性が高く、恒久的にクリーンなエネルギーが不可欠であると確信しています。同社は原油・天然ガスの生産、輸送用燃料、潤滑油、石油化学製品、添加剤を製造すると共に、これらの事業モデルと産業を向上させるテクノロジーを開発しています。同社は、従来事業でのCO2排出源単位(carbon intensity)の低減に注力すると共に、低炭素ビジネス分野の成長を目指します。
情報提供:JPubb