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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
ただいまから、来る6月13日に議会へ提案する「令和6年度6月補正予算案等」について説明します。
それでは、「令和6年度6月補正予算案等の概要」の1ページをご覧ください。ローマ数字「I」の「補正予算案について」です。
今回の6月補正予算案では、能登半島地震等を踏まえた災害対策や物価高騰対策など早急に対応する必要がある事業について、補正予算を措置することとしました。補正予算案の規模は、上段の表に記載のとおり、「一般会計」で122億2,600万円です。
また、一般会計の財源内訳ですが、下段の表に記載のとおり「国庫支出金」が59億4,000万円、「繰入金」が53億5,200万円などとなっています。なお、「国庫支出金」のうち、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金は53億円となっています。
2ページをお開きください。「2 補正予算案の主な内容」について、説明します。
まず、「(1)災害対策」についてです。
「①備蓄資機材等の緊急整備」として、良好な生活環境を確保した避難所を迅速に開設するため、避難所用テントの備蓄を強化します。また、災害情報管理システムに衛星解析画像を表示する機能を追加するほか、新たにドローンが撮影した映像を伝送するシステムを導入するとともに、赤外線カメラを搭載したドローンを整備します。
次に、「②災害医療における確実な情報伝達のための衛星通信システムの整備」として、大規模災害時の災害医療を円滑に行うため、本庁庁舎及び保健福祉事務所等に衛星通信システムを整備します。
また、「③緊急輸送道路の機能強化」として、住民の避難や救助活動を円滑に行うため、特に孤立化が懸念される地域や高速道路につながる緊急輸送道路について、土砂崩落対策や橋りょうの耐震補強を一部前倒して実施するとともに、沿道建築物の耐震化が必要な路線を洗い出すための調査を行います。
次に、「(2)物価高騰対策」についてです。
まず、今回の支援対象期間は国の激変緩和措置の期間に合わせ、光熱費については4月と5月の2か月、燃料費については4月から6月までの3か月としました。また、その他の経費についても、同措置に準じ、基本的に2か月または3か月としました。
それでは、「ア 生活者支援」から説明します。
まず、「①LPガス料金の高騰に対する支援」として、LPガス料金の高騰による一般消費者等の負担を軽減するため、LPガス販売事業者が実施する利用料金の値引き等に対して支援金を支給します。
3ページをお開きください。「②学校給食等物価高騰対応費補助」として、物価高騰による保護者等の負担軽減を行うため、県立特別支援学校の給食費及び寄宿舎食費の物価高騰分を補助します。
次に、「イ 事業者支援」についてです。
まず、「(ア)医療、福祉、学校に対する支援」です。「①医療機関等の光熱費に対する支援」として、電気代・ガス代の高騰による負担を軽減するため、支援金を支給するとともに、②福祉施設等、4ページの③私立学校、④生活困窮者支援団体等に対して支援を行います。
次に、「(イ)生活衛生関係営業者に対する支援」です。「一般公衆浴場の燃料費等に対する補助」として、物価高騰の影響を大きく受けている一般公衆浴場を支援するため、燃料費及び電気代の負担増に対して補助するほか、5ページの「(ウ)農林水産業者に対する支援」として、①から⑤のとおり、農林水産業者の燃料費等の負担増や省エネ機器等の導入などに対して補助します。
6ページをお開きください。次に、「(エ)中小企業者等に対する支援」についてです。
「①中小製造業等特別高圧受電者支援事業費」として、特別高圧を受電する県内中小企業者の負担を軽減するため、電気代高騰の影響を受けている製造業・倉庫業及び商業施設やオフィスビルに入居する事業者を支援します。
また、「②信用保証事業費補助」として、国の「伴走支援型特別融資」終了後も、同じ水準の信用保証料率で融資を受けることができる「(仮称)かながわ伴走支援型特別融資」を7月から9月まで設け、長引く物価高騰の影響を受ける中小企業者等の資金繰りを支援します。
さらに、「(オ)運輸事業者に対する支援」として、中小貨物運送事業者に対し、燃料価格高騰分の一部を支援します。
次に、「ウ 指定管理施設への費用負担」として、指定管理施設における燃料価格の高騰等の影響に伴う光熱費等の上昇分を負担します。
8ページをお開きください。次に、「(3)その他」についてです。
まず、「ア 運転免許の更新手続き等に関するデジタル化の推進」として、運転免許更新手数料等について、収入証紙による徴収に代えて、警察署等での窓口キャッシュレス決済を導入します。また、運転免許更新手続きの窓口混雑解消のため、オンライン予約サービスを導入するとともに、運転免許とマイナンバーカードの一体化に向けて、免許情報の即日記録が可能な警察署を拡充します。
次に、「イ 感染症法等の改正に伴う協定締結医療機関等への補助」として、新興感染症の発生・まん延時に備えるため、新たに協定締結医療機関が行う個室病床等の整備に対して補助します。また、災害・感染症医療業務従事者を派遣する医療機関が行う派遣用医療機器等の整備に対して補助します。
また、「ウ 保健福祉大学における入学料の見直し」として、優秀で意欲のある学生の県内外からの確保に向けて、令和7年度から入学料を現行の2分の1とするため、公立大学法人神奈川県立保健福祉大学に対する運営費交付金を増額します。
次に、「エ 介護ロボット実用化促進事業費」として、さらなる介護ロボットの導入や実用化等を促進させるため、介護事業所の生産性向上の状況や被介護者のケアの質の変化を把握できるデータ基盤を構築し、横展開を図るとともに、開発企業及び介護事業所に対して研修等を実施します。
さらに、「オ 介護サービス提供体制の整備促進等に対する補助」として、介護施設の大規模修繕・耐震化工事や、大規模修繕の際に併せて行う介護ロボットやICT機器の導入に対して補助します。また、介護職員の宿舎を整備する経費に対して補助します。
最後に、「カ (仮称)浦島合同庁舎新築工事に関する継続費の変更」として、工事等を一部前倒して実施するため、既設定の継続費の年割額を変更します。
以上が、6月補正予算案の概要となります。
10ページをお開きください。ローマ数字の「II」の「条例案等について」です。
「1 提出予定議案の内訳」ですが、表に記載のとおり、条例の廃止1件、条例の改正11件、工事請負契約の変更1件、動産の取得4件、指定管理者の指定4件、その他3件、計24件の提案を予定しています。内容については、「2 条例案等の概要」に記載のとおりです。
次に、「第1回『かながわ脱炭素大賞』の候補者を募集します!」についてです。
県は、2050年脱炭素社会の実現に向けて、県民や事業者など、さまざまな主体と連携して「オール神奈川」で取り組んでいくため、このたび、株式会社テレビ神奈川との共催により、脱炭素に関する優れた取組みを行った個人や事業者、学校等の功績を称える表彰制度である「かながわ脱炭素大賞」を創設しました。
募集の対象となる部門は、脱炭素に向けた実践的な普及・促進活動を表彰する「普及・促進部門」。脱炭素に関する先進的な技術開発や再エネ導入等の取組みを表彰する「先進技術・導入部門」。未来を担う若者世代の取組みに着目し、30歳未満の個人や学校等の将来性ある取組みを表彰する「ユース未来部門」の3部門で募集します。
募集期間は6月12日から9月17日までで、電子申請又は郵送で応募を受け付けます。選考は、有識者等で構成する審査委員会が行い、12月ごろ受賞者を決定します。
なお、表彰式は、令和7年1月に開催予定の「かながわ脱炭素アクションフォーラム」の中で行います。
栄えある「第1回・かながわ脱炭素大賞」に多くの皆様のご応募をお待ちしております。
次に、「『TEAM JAPAN応援フェス2024~神奈川からパリへ届けよう~』を開催します」についてです。
前回の東京2020大会では多くのアスリートの活躍が日本中に大きな感動と興奮をもたらしました。そして、いよいよパリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会が7月26日から開催されます。今年も多くの「神奈川県ゆかり」のアスリートが日本代表として出場しますが、今からその活躍に期待が高まっているところです。
そこで、県では、神奈川からパリ大会を盛り上げ、県民一丸となって日本代表選手を応援すべく、7月14日に応援イベントを三井アウトレットパーク横浜ベイサイドで開催します。
当日は、オリパラ競技の体験やeスポーツを活用した競技体験、プロスポーツ選手や著名人によるステージイベント等を通じて、オリパラの世界を身近に感じていただきたいと思います。
また、会場内に日本代表選手への応援メッセージ寄せ書きコーナーを設置します。このうち、セーリング日本代表選手への寄せ書きは、日本セーリング連盟の協力をいただいて、フランスへ届けます。
ぜひイベントにお越しください。県ゆかりの日本代表選手を全力で応援しましょう。
次に、「2024サマーチャレンジinビオトピアを開催します」についてです。
大井町にある未病バレー「ビオトピア」において、2024サマーチャレンジinビオトピアを初開催します。
主催は、県・大井町・株式会社ブルックスホールディングスの3者で、地域住民向けのイベントを開催することで、地域住民どうしの交流を深めるとともに、ビオトピアの魅力を再認識してもらうきっかけとなる機会を創出します。
開催日時は、夏休み期間中の8月17日と18日の土日2日間で、いずれも10時から16時までとしていますが、17日の土曜日には、株式会社ブルックスホールディングス主催の夕涼み会、盆踊り、キャンプ特別企画など、夜間プログラムもあります。
イベントの概要ですが、こども向け自由研究講座やこども造形教室、よしもと芸人によるお笑いステージ、スポーツ教室など30以上のプログラムを取り揃えており、こどもから大人まで思いっきり笑って学べる2日間とします。
一部、有料・事前申込みプログラムもありますので、詳細は県ホームページからご確認ください。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。
私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。
記者: 6月補正予算についていくつか質問させていただきます。避難所用テントの備蓄を強化されるということなのですけれども、台湾地震でも話題になったプライバシーを考慮するような避難所運営が可能になるということで備蓄を強化されるのだと思うのですけれども、今回は5,000張ということなのですけれども、避難所運営は、もともと主体は市町村がやるものなのですけれども、市町村にどのような形で広げていかれるようなお考えでしょうか。
知事: 避難所用の生活必需品の備蓄は基本的に避難所を設置・運営する市町村の役割であり、県は広域自治体として、市町村が実施する避難対策を支援する立場にあります。そのため、県は、市町村による避難所用資機材等の備蓄に対する財政支援を行っています。しかしながら、このたびの能登半島や台湾での地震を踏まえると、避難所の生活環境の確保は喫緊の課題であることから、災害時に、市町村が指定避難所等で速やかに避難所用テントを設置できるよう、今回は県の備蓄としてあらかじめ市町村へ配備するほか、一定数を県の施設へ配備することとしました。今後も引き続き、市町村と連携協力しつつ、県は広域自治体としての責務を果たしていきたいと思います。
記者: テントを避難所の中に張るというような形になると、これまでの避難所の運営と若干手順が変わってくるとは思うのですけれども、運用の見直しなど、訓練などを通じて確認していくと思うのですけれど、どのように見直していくお考えでしょうか。
知事: このあいだの台湾地震のときにわれわれもびっくりしたわけですけれど、体育館の中に立派なテントがサーッと並べられて、それを即座にやっている。ところが、日本の場合には旧態依然で、せいぜいダンボールで仕切るぐらいであって、皆こういう環境の中でずっといる。それが当たり前という感じでいました。台湾の地震を見て、台湾の総領事の方にお見舞いに行きましたけれども、その時に申し上げましたが、台湾から学ぶべきことがあるなと感じた。そういったことを今回、予算措置として実行に移したわけであります。ただ実際に、従来の避難所の中に建てた場合、どうなるかというところまで、まだ具体に精査する時間はありませんけれども、今後、市町村と一体となって運用をどのようにするかということを検討したいと思います。
記者: やはり物価高対策でいくと、かながわPayが非常に県民にも人気が高いのですけれども、そういった施策というのはどうなのでしょうか。
知事: 確かにかながわPayは非常に人気がありました。ただ、物価高騰による生活者支援という面では、国の定額減税によって1人4万円といった支援策が講じられています。また、直接的な経済支援が必要な方に対しては、6年度当初予算において、私立高等学校等に通う多子世帯の授業料無償化の対象拡充や、ケアリーバー等への生活費用の給付など、支援ニーズに応じたきめ細やかな対応を行っています。こうしたことを踏まえ、今回は、事業者に対する激変緩和措置を中心とした支援を行うこととし、かながわPayは計上していないということであります。
記者: 先月の定例記者会見の方でも、質問をさせていただいたのですけれども、太陽光発電施設の盗難の関係で、先日、県が運営する谷ケ原太陽光発電所の電気ケーブルが盗難の被害にあったということで、谷ケ原の太陽光発電施設の方も、人感センサー付きの防犯カメラを設置していたりとかして、対応はされていたと思うのですけれども、なかなか被害の食い止めが難しいと。そうなったときに他の都道府県、広域自治体の方では、県の条例を新たに制定して、買い手側の古物商業者側に、売主の身元確認をより厳格化するような条例を制定したりといった対応をしている都道府県もあるのですけれども、改めてそのような対応をとられる予定があるかどうか、知事にお伺いさせていただければと思います。
知事: 今ご指摘のあったこの施設は、脱炭素社会の実現に向けて県が設置した大切な再生可能エネルギー発電施設であり、こういった盗難にあったことについては大きな憤りを覚えます。前回の盗難事件の後、大手警備会社の知見を基に、外部からの侵入経路となり得るエリアをカバーするセンサー付きカメラを設置して、さらに対策を強化するため、敷地全体をカバーする機械警備の導入に向け、現在、仕様を固めているところでありました。今回の手口を見ますと、通常想定される経路以外のフェンスを壊して侵入し、センサーカメラがカバーしていない場所で作業を行うなど、手口が巧妙・悪質化しているため、今後、県警等とも相談しながら、再発防止に向け「想定外を想定」して、機械警備の導入等を早急に進めてまいります。
今ご指摘があった条例等については現時点では考えておりませんけれども、そういった先行事例などを研究しながら、そういったものが必要かどうか、今後考えていきたいと思います。
記者: 前回の会見の中で、やりとりがあった死亡された県職員の方について、前回は直前のことだったのでということでしたが、あれから時間も少し経ちましたので、その後調査に進展ございましたでしょうか
知事: 事案発生後2週間については、まずは職員のこころのケアを中心とした産業医の面接などによる対応を行ってきました。調査については、亡くなった職員の周囲にいた職員からの個別の聞き取りなどを順次実施している状況です。今後、県庁内のグループウェアのアンケート機能を活用した調査を実施するほか、内部通報窓口などの既存の制度も積極的に活用するよう呼び掛ける予定です。
記者: 今おっしゃられた周辺も含めた調査ということで、そこにおいては、パワーハラスメントという観点も含めた調査になっているのでしょうか。
知事: まさにそういった面も調査を実施している段階です。お話しできる段階になったらお話しします。
記者: 話をしていただける段階かどうかは別にして、パワハラも含めた調査になっているということであれば、パワハラを疑わせるような事象というか、外形的にそういうものが認められたということなのでしょうか。
知事: いえ、現時点ではそうではありません。そういう情報は入っておりません。
記者: 2次調査、グループウェアを活用してというようなこともおっしゃっておられました。内部通報、公益通報制度を活用してということもおっしゃっておられました。前回の会見でも、県の内部通報制度、公益通報制度については、外部の弁護士に一定の調査権限を持たせたしっかりしたものだということでしたが、これまでに通報制度を活用して、調査に弁護士さんが当たったケースはあったのでしょうか。
政策推進担当課長: 担当がいませんので、後程回答します。
記者: 知事の所感というか、ご感想を伺いたいのですけれども、議案の動産の取得の中で新型インフルエンザにかかる備蓄用の抗インフルエンザウイルス薬の購入が入っているのですけれども、これは備蓄分の入れ替えということで、事前に取材させていただいたところ、同量というか、13万箱分ぐらいを廃棄するらしいのですけれども、取得に当たって1億8,000万円ぐらいかかっているので、13万箱だと捨てる分はもっと高額だったと思われるのですが、一般的な感覚からすると期限切れになる前に使えますよね。ただこれは備蓄分ということで、特にこういう新興感染症に備えるという意味で持ってないといけない。それから、目的外に使用できないという制約もあるとは思うのですけれども、このくらいの大量の量を毎年毎年廃棄して入れ替えていくというのが、納税者的な感覚からするとすごくもったいないなと思うのですけれども、知事として何かその問題意識といいますか、そのまま捨てるのではなくて、何か活用する方法がないかとか、もったいないとかそういう感覚をお持ちでしょうか。
知事: こういった新興感染症は、次にいつくるか分からない。そのための備えです。備えるということは無駄になるということを当然想定した中での話だと思います。食べ物であれば、事前に残りそうだったら破棄する前にいろんな形で使うことがあるでしょうけれど、薬でありますから、それを別の形で使うという発想は、なかなか無いのではないかと思います。ですから、こういうことは、備えるためには、やむを得ないと思います。
記者: 知事に狙いを伺いたいということで、後ろにもプリントしてあるかながわキンタロウがInstagramを始めたらしいのですけれども、その狙いについて改めて伺えればと思います。
知事: かながわキンタロウ、いろんなところで、皆さんキャラクターを持っていますけれど、かながわキンタロウはずっと神奈川県のキャラクターとして運用してきたのですけれども、今ひとつ人気が無いというか、広がりが今ひとつだというところがあって、せっかくキンタロウでずっとやってきたので、もう少し力を入れてキンタロウに頑張ってもらおうではないか。そういったことでキャンペーン展開しているといったところです。
記者: 確か前々回か前回の議会でも、キンタロウの活用、IPビジネスという観点をもって活用したらどうかという意見が出たりですとか、あるいは、一般質問か代表質問の中で、踊ってみたらどうかという意見が出たと思うのですけれども、今後、知事としては、キンタロウに踊らせるというような構想はあるのでしょうか。
知事: 今、キンタロウのInstagram見ていただくとちゃんと踊っています。確認してください。
記者: 合計特殊出生率についてお伺いします。先日、厚生労働省が人口動態統計を出しまして、全国の出生率も1.20ということで過去最低。神奈川県の場合も1.13ということで過去最低、8年連続の減少だということなのですけれども、これに関する受け止めをお願いします。
知事: 少子化の流れに歯止めを掛けたいという思いが非常に強い。この政策がやはり一番難しいです。どうすれば止められるのかといった中で、去年の選挙のときもずっと訴えてきましたけれども、やはり、お一人おひとりの不安ではないか。子どもを産むことに対する不安、例えば「経済的に本当に大丈夫なのかな」とか、出産そのものに対する不安、「ちゃんと育てられるのかな」という不安。「仕事と両立できるのかな」という不安。さまざまな不安があると思います。これは大きな時代の流れとして、核家族化が進んできたということ、コミュニティが希薄化しているということ。かつては、家族の中に、おじいちゃん、おばあちゃんも一緒にいることが多かったり、地域のコミュニティがしっかりしていて、みんなで、地域で育てる雰囲気があった。今は、それがどんどん希薄化しているので、親御さんだけで向き合うことになり不安が取れないのかなと思っています。だから不安を取り除くということが一番の少子化対策ではないかといったことでLINEを使った子育てパーソナルサポートというものを開発して、今使っていただいています。これがかなり好評で、われわれの予定していた倍以上の登録者数になっています。いろんな不安をLINEの力によってお一人おひとり解消していく。そういったことを地道にやっているわけであります。なかなか、これは一朝一夕にすぐ効果が出てくるものではないですけれども、やはりわれわれもそうした少子化の流れに歯止めを掛けるということを忘れないでしっかりと、前向きに進めたい。いろんな知恵があれば、そういうものを採用していきたいと思っています。職員との「ガチトーク」というのもやっております。そういった中での具体なアイデア、そういったものをもっともっとさらにこれからも継続して取り入れながら、やるべきことはどんどんやっていく。そういうことをしっかりやっていきたいと思います。
記者: 東京だと0.99ということで1を割ったということで、神奈川もそうですけれども、首都圏が低いような状況もありますけれど、そのあたりで都市部に位置している神奈川の難しさみたいなものはお感じになっていらっしゃるのか、また具体策みたいのがあるのか教えてください。
知事: まさに都市部の大きな問題だと思わざるを得ないです、データを見れば。その中で、神奈川の特色でわれわれが訴えているのは、「子どもを産むなら神奈川」「育てるなら神奈川」という中で、都会的なところは多いけれども、神奈川では、例えば、湘南海岸、南足柄などの田園地帯とか、そういったある種自然との関わりの中で生活をしながら、子どもたちにとって自然と触れ合える良い環境のもとで、子どもを育てることもできますという、移住を呼び掛けているところです。そういったことをしっかりやっていきたいと思っています。
記者: 愛名やまゆり園の元職員の公判が今やっているのですけれども、きのう、横浜地裁の小田原支部であった裁判で被告人質問が行われて、被告が言っていることなのですけれども、この職員が傷害事件を起こしたときには、この職員が1人で入所者18人に対応していたとか、あるいは職員の半数が虐待をしていたとか、例えば、お茶を飲むのが苦手な人に対して、丼一杯分のお茶を提供したとか、そういうふうに被告は証言をしたようです。県で事実関係みたいなものを確認しているのか、そのあたりを教えてください。
知事: 元職員が証言した「虐待行為」の具体的内容は明らかではありませんけれども、県が昨年度中に行った監査や随時モニタリング調査で把握した虐待の疑いがある事案については、既に虐待通報をしております。また、今ご指摘あった「盃チャレンジ」という行為、これがあったということも把握してはいませんけれども、今回の証言を受けて、新たに虐待が疑われる事案がないか改めて把握するため、本日、職員を現地に派遣して調査を実施しております。なお、かながわ共同会が4月1日に設置した第三者委員会は、同法人から独立した立場で現在も調査中であって、本件について共同会は報告を受けていないと聞いております。本当にこの問題、われわれ津久井やまゆり園事件のところからずっと向き合ってきたわけでありますけども、いまだにこういうことが現場でずっと続いているということ、当事者目線の障害福祉推進条例をつくった中で、こういったものを一般化させていくには、本当にまだまだ大変だなと思います。やはり根が本当に深い問題だと改めて思います。
記者: 先程出生率の関係で、不安を取り除くというようなお話、かねてからおっしゃっていたと思うのですけれども、その関連で教育委員会の話になっちゃうのですけれども、こういう話があるのでどう思いますかというお話なのですけれども、先日、県内の全公立高校が出展する全公立展というのがあって、パシフィコかなにかでやったと思うのですけど、予約の受付があったのです。それがネットを通じてやっていたのですけれども、開始数分で受付を終わってしまったと。県の予約サイトにつなごうと思ったら、トラフィックが溢れて、全然つながらなくて、つながったと思ったらもう締め切っていた。そもそも申し込める上限が3万人だったらしくて、県内の高校の受験生はもっと多いので、参加したくてもできない人が非常に多かったようです。知事は公約の中でも、デジタル行政でやさしい社会をとおっしゃっている中で、いわゆる早い者勝ちですとか、或いは運。つなげたか、つなげなかったという運によって、全公立展に参加できる人とか参加できない人かを、ふるい分けられたような状況になっているのですけれども、こういった状況について、改善を求めるような意見も出ているのですが、事態としてご存じであったかどうかということと、ご存じでしたらどのように対応したらいいかというお考えをお聞かせください。
知事: その話は正直聞いていないです。知らなかったです。少し調べてみます。
政策推進担当課長: 先程の通報制度の外部相談についてのお答えをしたいと思います。
総務局総務室室長代理: 内部通報制度では、外部調査員の弁護士がおりまして、職員は外部調査員に直接、内部通報することができ、外部調査員の指示に基づいて調査等を始めることになりますが、これまで、外部調査員に直接通報があって調査を行ったことがあるかというご質問については、これまでもございます。今年度も1件あり、調査いたしました。そして、昨年度も外部調査員に直接は1件ございまして、調査を行って終了しております。
記者: 過去にも使われているということで、一定周知はできているのかなと思うのですけれども、前回の会見では兵庫県において、いろいろ混乱が起きている。その後、鹿児島県警でもいろいろ問題も起きていて、一般的に公益通報制度というものがまだまだ周知しきれてないのではないかなという気もします。黒岩知事は、そういう問題になっているケースのようなトップではなく、ハラスメント等にはきちんと対峙していくという姿勢だろうと思いますので、ホームページ等でこういう制度がありますと周知するのもそれはそれであるのかと思いますけども、トップとしてきちんと「こういう制度があるので使ってください」というのを、折につけ職員等に呼び掛けていくのも大事かと思いますが、その点についていかがでしょうか。
知事: やはり内部通報でなければ明らかならない出来事もあります。われわれが先程申し上げてきた県立の障害福祉施設の中で起きたああいった虐待事案も内部からの情報があったからこそ出てきたということがある。いつも働きやすい職場づくりをしていくためには、何かもしあったら、内部通報で自分たちが発信できるのだという、そういったことがあるのだということはこれからもしっかりと県庁職員全員が分かるよう、理解できるように、頑張っていきたいと思います。
記者: 先週、知事、沿線の自治体の皆さんとともに総理官邸に訪ねられて総理と面会されたと思います。その時、早期建設に向けて要望されたと思うのですけど、総理は現行の想定時期、2037年ですか、改めて言及があったと聞いていますけれども、実際の要望活動の中で、総理と知事の皆さんの間でどういうやりとりがあったのかというところを教えていただきたいのと、静岡の知事が交代されて改めて機運が高まっているようにも拝見しますけれども、知事の建設促進に向けたお考えというのを改めて伺いたいと思います。
知事: こんなに変わるのかというくらい静岡県知事が変わったら、雰囲気がガラっと変わりました。総理官邸に訪れたときも、沿線の各知事と一緒でしたけれども、終始なごやかでした。われわれも、「神奈川県駅を相原高校に移転してもらってつくったんだ」とか、「準備を着々と進めているんだ」「車両基地の土地買収も8割が終わっているんだ」「着々と進めてきているから早く早期開業を求めたい」という話もしました。記者の皆さんが退出された後も、非常に皆、笑顔があふれていました。「早くやっていきましょう」と。新しい鈴木静岡県知事も当然、環境問題とか、水の問題に言及をされていましたけれども、何度も、「早期着工に向けてやっていきたい」という話をされていました。ここは前の川勝知事とは全然スタンスが違うなというのは明らかでした。そして、そういう笑顔の中に鈴木知事もいたので、やっと前に進むようになってきたのかなと感じているところです。
記者: 今リニアの工事をいろいろやっていて、地下水の水位の低下だとか、そういった環境の問題だとかというのは、今静岡とかあるいは岐阜とか、そういったところで、顕在化していると思いますけれども、当然、神奈川でも起こり得ることだと思うのですけれども、仮定の話ですけれども、もしそういうことがあった場合、知事としては、早期開通と沿線の住民の不安とかそのあたりが起きたときはどのなような対処をしていく、あるいはJR東海にどういう対処をしていくのか、そのあたりの考え方ってありますでしょうか。
知事: 私は今回少し注目したのは、岐阜県知事がどういう対応されるかです。今、岐阜県で水の問題、水が枯れるような現象が起きているということがあって、今一時的に工事をストップしているという状況です。その中で、岐阜県知事が例えば、声を荒げて「冗談じゃない」と水の問題でもし言われるのだったらまた少し新たな問題が出てくるかなと思いましたけど、岐阜県の古田知事、非常に冷静であって、そういうことが起きた後も、JR東海がそれに対する対応措置をやっているということがあって、その中でJR東海との信頼関係がつながっているのだということが分かりました。ですから、今のお話は仮定の話でありますけど、そういうことが起きたとき、JR東海としっかり向き合って、信頼関係をつくる中でどうやったら解決できるのか、しっかりと対応していきたいなと思います。
(以上)
政策推進グループ
情報提供:JPubb