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北海道電力株式会社(代表取締役社長執行役員:齋藤 晋、本店:北海道札幌市、以下「北海道電力」)と株式会社グリッド(代表取締役:曽我部 完、本社:東京都港区、以下「グリッド」)は、AI最適化技術を活用した火力・水力需給計画最適化システム「ReNom Power」のAIエンジン※1の開発が完了しましたのでお知らせします。
北海道電力では、脱炭素社会の実現および発電コストの低減に向けて、水力発電を有効活用することにより、火力発電所の稼働を抑制して化石燃料の消費量が最小となるよう需給計画を策定しています。
需給計画の策定にあたっては、膨大な数に及ぶ発電所の起動・停止や運用上の制約を考慮する必要があり、複雑かつ緻密な検討が求められます。特に、水力発電に関しては、エネルギー源である河川の水が、観光や農業など多様な用途で利用されることから、水系全体の水の流れを計算し発電以外の水利上の制約を考慮した計画を策定するため、高度な知識・スキルが必要となります。また、北海道電力は、14水系53箇所と、日本国内でも多くの水力発電所を保有しているため、日々の需給計画の策定において膨大な時間を要しており、業務効率化が喫緊の課題となっていました。
経営基盤強化策として取り組んでいる、ほくでんグループDXの一環として北海道電力とグリッドは、2022年9月より、火力・水力需給計画最適化システムReNom PowerのAIエンジン開発に着手し、このうち、火力発電の需給計画最適化システムについては、2024年3月に運用を開始し、燃料消費量削減により1ヶ月あたり約6億円の費用削減効果※2が得られることを確認しています。
この度のAIエンジンの開発完了により、火力発電・水力発電を合わせた需給計画の最適化が可能となり、一層の燃料消費量削減とともに、業務効率化効果が期待できます。 また、新たに、需給調整市場をはじめとした電力市場における制約条件を踏まえた需給計画を策定することもできる設計としています。
両社は、今後、さらなる精度向上を図り、2025年春頃の本格導入を目指し、電力エネルギー生産の最適化により、脱炭素社会に貢献してまいります。
※1 人工知能の機能を持つソフトウェアコンポーネント。AIエンジンが全ての制約条件を考慮し、最適な発電計画を探索することで、燃料消費量を削減する発電計画立案が可能となる。
※2 2024年1月の実績とReNom Powerを用いた場合の費用を試算し比較した結果。改善効果としては約3%。
情報提供:JPubb