植物由来のポリカーボネートジオール「BENEBiOL」がAEROX社の風力タービンブレードのリーディングエッジプロテクション用コーティング剤に採用
2024/05/20 事業関連
三菱ケミカルグループ(以下「当社グループ」)は、スペイン・AEROX社との共同研究開発契約(JRDA)に基づく共同研究を通じて、植物由来のポリカーボネートジオール「BENEBiOL™(ベネビオール™)」が同社の風力タービンブレード用コーティング剤「AROLEP® 940シリーズ」のポリウレタン原料として採用されたことをお知らせします。風力タービンブレード用コーティング剤にBENEBiOL™が採用されるのはこれが初めてです。
BENEBiOL™は世界に先駆けて当社グループが開発した植物由来のポリカーボネートジオールで、主にポリウレタン樹脂の主原料として使用されています。今回採用になったAEROX社の「AROLEP
® 940シリーズ」は、ブレードの中でも特に雨風の侵食を受けやすいリーディングエッジ(回転翼の先端)の保護のために使用されるコーティング剤です。BENEBiOL™を使用することで従来品よりも優れた耐久性が得られ、雨風による浸食を受けやすい洋上風力発電で使用されるブレードにおいても極めて高い耐侵食性を発揮し、メンテナンスの頻度やコストを抑えることができると期待されています。
当社グループは今後もBENEBiOL™の展開を通じ、高付加価値な製品を提供するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
スペイン・バレンシアに本社を置き、中国と米国に子会社を持つAEROX社は、風力産業向けポリマー材料のトップサプライヤーになるというビジョンを掲げて2014年に設立されました。風力タービンブレード用の優れた材料の設計・製造に重点を置き、再生可能エネルギー分野におけるイノベーションと持続可能性の推進に取り組んでいます。
BENEBiOL™は「世の中にない画期的な製品を開発し、お客様に付加価値を提供する」というコンセプトで試行錯誤を重ねて開発された、植物由来の原料からつくられる全く新しい化学構造を持つポリカーボネートジオール(ポリウレタン原料)です。BENEBiOL™は最大93%のバイオベース度を有するだけでなく、従来の石油由来の製品よりも耐久性や耐薬品性などに優れています。自動車、家具、アウトドア用品向けの塗料・コーティング剤、合成皮革、人工皮革などに採用されています。
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