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2024-05-16 00:00:00 更新

AIを活用した空調最適化により、ビルの快適性と省エネの両立を実証 [株式会社NTTデータ/キヤノンマーケティングジャパン株式会社/株式会社日立製作所]

AIを活用した空調最適化により、ビルの快適性と省エネの両立を実証

2024年5月16日

株式会社NTTデータ
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
株式会社日立製作所

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株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)、キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)と株式会社日立製作所(以下、日立)は、AIを活用した空調最適化により、ビルの快適性と省エネの両立をめざし、NTTデータのAI空調最適化サービス「HUCAST」、キヤノンMJが提供するネットワークカメラと映像解析ソフトウエア「Crowd People Counter」を組み合わせた人流解析ソリューション、日立のビルIoTソリューション「BuilMirai(ビルミライ)」を活用した実証実験(以下、本実証)を実施しました。本実証は、2024年3月22日から29日の期間、日立のグループ会社である株式会社日立ビルシステム(以下、日立ビルシステム)の亀有総合センター(東京都足立区)で行い、その結果、快適性を維持しつつ空調関連のエネルギー消費量を平均16%削減※1できました。

実証スキーム
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本実証実施の背景

2021年に閣議決定された地球温暖化対策計画では、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、2030年度の「業務その他部門※2」における「エネルギー起源CO₂排出量」を、2013年度比で51%削減すると目標・目安設定しています。目標達成にあたっては、オフィスビルにおける電力消費量の約49%と最も大きい割合を占める※3空調関連の電力消費量の削減が大きな課題です。

オフィスビルなどにおける空調の制御は、センサーで現在の室温を測定し、その値を目標値と比較して空調機器を制御し、少しずつ現在の状態を目標に近づける「フィードバック制御(後追い制御)」が一般的です。しかし、設定温度に達するまでに時間がかかってしまうため、過剰冷房/暖房になりやすいという課題があります。また、設定温度は季節によって固定であることが一般的のため、日・時間帯によって適切な設定温度になっておらず、エネルギー消費量が増加する原因となります。

NTTデータでは、AIの予測を基に室内環境を再現し、快適性(PMV※4評価)と消費エネルギー量を考慮した空調運転を実現する「フィードフォワード制御(先回り制御)」で、快適性を保ちつつ消費エネルギーを削減できるAI空調最適化サービス「HUCAST」を開発、提供しています。HUCASTは、各ビル管理システムとの連携を進めており、本実証では、日立、キヤノンMJの技術を活用したスキームにより検証を行いました。具体的には、キヤノンMJが提供するネットワークカメラと映像解析ソフトウエア「Crowd People Counter」を組み合わせた人流解析ソリューションを用いて、カメラ映像から人流情報をデータ化し、日立のビルIoTソリューション「BuilMirai」のプラットフォーム上で人流データと、外気温データ、室内温度データを一元管理し、「HUCAST」と連携させて空調を制御する実証実験を行い、快適性と省エネ効果について検証しました。

本実証の概要

実証目的 AIを活用して制御するビル空調のエネルギー消費量測定と従来比較
実施期間 2024年3月22日から29日
実施内容 日立ビルシステム亀有総合センターのロビーにネットワークカメラを設置。
映像解析ソフトウエア「Crowd People Counter」でデータ化した人流情報を、ビルIoTソリューション「BuilMirai」のプラットフォーム上で外気温データと室内温度データと共に一元管理、AI空調最適化サービス「HUCAST」と連携し、空調を制御。
使用機器・ソリューション NTTデータ:AI空調最適化サービス「HUCAST」
キヤノンMJ:ネットワークカメラと「Crowd People Counter」を組み合わせた人流解析ソリューション
日立:ビルIoTソリューション「BuilMirai」
測定項目 快適性(PMV※4値)、エネルギー消費量(kWh)、外気温湿度、室内温湿度、空調設定温度

本実証の結果

快適性(PMV※4値) -0.5~+0.5
エネルギー削減率 期間中平均16%削減

一定の設定温度で空調制御をしている既設ビルにおいて、AIを活用して空調をフィードフォワード制御することにより、PMV-0.5~+0.5という快適性を維持しつつ、エネルギー消費量を平均16%削減し、その有効性を確認しました。

今後の展開

本実証では、人流データをはじめとしたビル情報を一元管理し、AIを活用して空調をフィードフォワード制御することで、ビルにおける快適性と省エネを両立できました。NTTデータとキヤノンMJと日立は、今回の実証結果を踏まえサービス化をめざすとともに、さらなる精度向上のために検証を続けていきます。そして、快適性の観点でオフィスにおけるウェルビーイングを向上させるとともに、ビルのエネルギー最適化を通じて社会全体のカーボンニュートラル達成に貢献していきます。

  • ※1

    本実証期間内に実施期間と未実施期間を設け、測定結果を比較したもの。

  • ※2

    商業・サービス・事務所等。

  • ※3

    出典:経済産業省資源エネルギー庁 省エネ・節電メニュー事業者向けリーフレット

  • ※4

    PMV(Predicted Mean Vote): 温冷感の評価方法に関する国際規格(ISO 7730)で、人の熱的快適性を数値化した指標。寒いを-3、暑いを+3とし、その中間を程度に従って、-2、-1、0、+1、+2に割り振って数値化して平均した値。ISO7730では、PMVが±0.5以内となるような温熱環境を推奨。

関連情報

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NTTデータについて

NTTデータは、豊かで調和のとれた社会づくりを目指し、世界50ヵ国以上でITサービスを提供しています。
デジタル技術を活用したビジネス変革や社会課題の解決に向けて、お客さまとともに未来を見つめ、コンサルティングからシステムづくり、システムの運用に至るまで、さまざまなサービスを提供します。

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キヤノンマーケティングジャパングループは、グローバルキヤノングループの中で日本国内を中心とするマーケティング活動を担い、キヤノン製品事業とITソリューション事業を組み合わせることで事業を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。マーケティングの力で未来を創る「未来マーケティング企業」として、グループパーパス「想いと技術をつなぎ、想像を超える未来を切り拓く」を掲げ、多様なステークホルダーとともに持続可能な社会の実現を目指しています。

日立製作所について

日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。
詳しくは、日立のウェブサイトをご覧ください。

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