2 0 2 4 年 4 月 2 5 日
関西電力株式会社
美浜発電所3号機における国際原子力機関(IAEA)の
SALTOチームによる調査終了
IAEA※1のSALTO※2チームによる調査が本日終了しましたのでお知らせいたします。
当社は、美浜発電所3号機の安全な長期運転に対する客観的、国際的な評価を受けるべく、同チームを招へいしました。2024年4月16日から25日までの調査の結果、良好事例の抽出や、さらなる改善に向けた推奨事項の提言をいただきました。
当社は、今回の調査で得られた知見を今後のプラント設計や設備保全に反映していくことで、原子力発電所の安全性・信頼性の向上に取り組んでまいります。
※1:IAEA(International Atomic Energy Agencyの略) 1957年に国連加盟国により、世界的な“平和目的の原子力”組織として設立された。当機関の役割は、加盟国および世界各国が協力して、核技術の安全、保障および平和利用の促進を図ることである。
※2:SALTO(Safety Aspects of Long Term Operationの略) IAEAが行う安全な長期運転のための支援プログラムであり、長期運転に対して、各発電所の経年劣化管理等の活動がIAEAの最新の安全基準を満足しているかどうか評価し、事業者に更なる改善に向けた推奨事項、提案事項を提供することで、安全な長期運転に役立てることを目的としている。
以上
添付資料:SALTOチームによる調査概要
SALTOチームによる調査概要
1.調査期間
2024年4月16日(火)~25日(木) 10日間
2.調査対象
①組織・体制
②設備全体の管理プログラム
③機械設備の経年劣化管理状況
④電気・計装設備の経年劣化管理状況
⑤コンクリート構造物の経年劣化管理状況
⑥人的資源・力量・知識管理 計6分野
3.メンバー構成
IAEAの職員およびIAEA加盟国の専門家 計11名(8ヶ国※1)
リーダー IAEA 原子力安全担当官 マルティン ・マルチェナ氏
副リーダー IAEA 原子力安全担当官 ブライス・リーマン氏
※1:アメリカ、アルゼンチン、イギリス、スウェーデン、チェコ、 フィンランド、フランス、韓国
4.調査を終えたSALTOチームリーダーの講評内容
・関西電力が安全な長期運転に向けた対策をタイムリーに実施していること、また、発電所の職員がプロフェッショナルかつオープンな姿勢で、改善のための提案を受け入れていることを観察した。
・経年劣化管理と長期運転活動の大半は、すでにIAEAの安全基準を満たしている。
・プラントがレビュー結果に対処し、安全な長期運転に向けて残りのすべての活動を計画どおり実施することを奨励する。
5.SALTOチームが抽出された良好事例等 (良好事例)
・設備等の設計の古さ※2を特定し、管理するための総合的な方法を開 発・導入している。
・原子炉格納容器の経年劣化管理等に関するベンチマーキングを行い、経年劣化管理を強化している。
・社員の能力とスキルを向上させるために退職者をメンター(相談者)として効果的に活用している。
※2:時間の経過により設計や運用等が最新の考え方と比較して古くなっていくこと。
(さらなる改善に向けた推奨事項)
・長期運転プログラム※3のさらなる発展・実施を提案する。
・機械、電気、計装制御機器、土木構造物の経年劣化管理レビュープロセス※4の充実・実施を提案する。
・過酷な条件に対する機器の耐性を確認するためのプログラム※5の改善を提案する。
※3:40年を超えて運転するために必要となる点検・改善工事や定期安全レビュー等
※4:経年劣化管理が効果的に行われていることを検証するプロセス(経年劣化事象の特定、機器・構造物の現状把握等)
※5:重大事故等が発生した際に、機器が確実に機能することを確認するための手法や手順
6.今後の予定
今後、フォローアップ調査が行われ、今回の調査で受けた推奨事項の取組状況を確認いただく予定です。
以上