2024 年 3 月 27 日
出光興産株式会社
EV・蓄電池の充放電と空調出力制御を連携したエネルギーマネジメントシステムを自治体・企業向けに2024年4月から提供開始出光興産株式会社(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役社⾧:木藤 俊一、以下「当社」)は、「idemitsu CN支援サービス」のソリューションの一つとして、CO2削減・カーボンニュートラル(CN)実現に取り組む自治体・企業向けに、EV・蓄電池の充放電と空調出力制御を連携したエネルギーマネジメントシステム (以下、本EMS)の提供を、2024年4月から開始します。
「idemitsu CN支援サービス」は、当社グループが提供する商品・サービスを組み合わせ、「利用電力のCN化」、「モビリティのCN化」、「災害レジリエンス(強靭性)向上」の推進をワンストップで支援するサービスです。
「idemitsu CN支援サービス」のソリューション群新たに「idemitsu CN支援サービス」に追加する本EMSは、国富町(宮崎県東諸県郡、町⾧:中別府 尚文)と国富町役場で行った電力利用の最適化実証実験(注2)において、契約電力の約16%の削減を確認したシステムです。契約電力は過去1年間における最大需要電力により決定され、これに料金単価を乗じたものが基本料金となります。本EMSは、電力需要の常時監視・予測により電力需要ピークの時間帯にEV・蓄電池から放電するとともに、空調消費電力を削減する自動制御により最大需要電力の削減を実現しました。また、EV充電をピークの時間帯以外に自動的に行うことで、基本料金の上昇の抑制にもつながる結果を得ました。
今回、効果を確認できた「EV・蓄電池の充放電と空調出力制御を連携したEMS」をソリューションに加えることで、当サービスの更なる充実を図ります。
当社は今後も、「idemitsu CN 支援サービス」を通じて自治体や企業に向け、再生可能エネルギーや EV 導入を促進することで、CN 社会の実現に貢献します。
注 1:当効果は天候や電力利用の変化の影響、空調、EV・蓄電池充放電器等の機器の構成によって異なります。
注2:実証実験期間:2023 年 8 月から 2024 年 3 月まで
■実証実験の概要
・実証期間:2023 年 8 月~2024 年 3 月
・実証場所:国富町役場(宮崎県東諸県郡国富町大字本庄 4800 番地)
・実証機器:ソーラーカーポート 1 式、EV 充放電器 2 台、EV 充電器 1 台、蓄電池 2 台、 公用車 EV3 台、エネルギーマネジメント用 Gateway 機器 1 式、空調制御機器一式(制御対象空調 27 台)
<目的>
電力需要の常時観測と予測を活用した EV・蓄電池の充放電制御と室外機の出力制御の連携による電力利用の最適化の確認
<方法>
① EMS による電力需要の常時監視・予測
② ①の情報から電力需要がピークの際に自動で EV 充電を停止
③ 電力需要がピークの際に自動で EV と蓄電池から放電を実施
④ ③に加えて、自動で室外機の出力制御を行い、ピーク時の電力需要をさらに抑制
⑤ EV 充電は自動で電力需要ピークの時間帯を避けて実施
結果
実証実験期間中の最大電力需要を、実験開始前と比べ約16%削減しました(下記図)。 また、電力需要ピークの時間帯のEV充電による、最大電力需要の増加も回避できていることを 確認しました。
<国富町からのコメント>
本システム導入後、空調制御による不快さを特段感じることはなく、なおかつ電気代を抑えることができました。また、本取り組みを通じて、町総合計画の主要施策である、クリーンエネルギー車の導入による CO2削減や省エネルギー化により温暖化防止対策を推進することができました。省エネルギー機器の導入や太陽光発電などの再生可能エネルギー利用の推進には、出光興産の持つトータルソリューションが重要であり、今後、他の自治体にも広く波及し、カーボンニュートラルの実現に繋がることを期待しています。
(ご参考)
・宮崎県国富町役場での EV・蓄電池の充放電と空調出力の連携制御による電力利用の最適化実証実験を開始 ~電力需要の変動に柔軟に対応する電力需要制御システムの構築~
(2023 年 9 月 28 日)
https://www.idemitsu.com/jp/news/2023/230928.html
・自治体・企業向けに EV を活用した「idemitsu CN(カーボンニュートラル)支援サービス」の提供を開始します ~EV×エネルギーマネジメントシステムで地域の脱炭素化に貢献~
(2022 年 8 月 4 日)
https://www.idemitsu.com/jp/news/2022/220804.html
出光グループは 2050 年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030 年ビジョン「責任ある変革者」、2050 年ビジョン「変革をカタチに」を掲げています。中期経営計画(対象年度:2023~2025 年度)では、下記の「3 つの事業領域」の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていくことを表明しました。
本取り組みは上記3つの事業領域のうち「多様な省資源・資源循環ソリューション」の開発と社会実装に向けた取り組みと位置付けています。
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出光興産株式会社 広報部広報課
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