2024年3月 15日
沖縄電力株式会社
吉の浦マルチガスタービン発電所において
水素混焼発電実証を開始当社は、吉の浦マルチガスタービン発電所(中城村、定格 3.5 万 kW)における水素混焼発電実証を 2024 年 3 月 13 日から開始しました。3 月 14 日に実施した試験において、定格出力で体積比 30%の水素混焼を達成しました。国内事業用既設火力発電所における水素混焼(体積比 30%規模)としては、全国に先駆けた※取り組みとなります。
本実証は、当社が 2050 年 CO2 排出ネットゼロの実現に向け策定したロードマップの柱の一つ「火力電源の CO2 排出削減」における「クリーン燃料の利用拡大」に寄与する重要な施策の一つであり、水素混焼発電の運用技術確立を目指し、引き続き検証を行ってまいります。
また、当社が沖縄エリアにおける水素利活用のファーストムーバーとなることで水素社会構築に積極的に寄与するとともに、持続可能なエネルギーシステムを構築し、エネルギーの安定供給と地球温暖化対策の両立に向けた取り組みを進めてまいります。
※ 当社調べ(国内事業用既設火力発電所における水素混焼実証(体積比 30%規模)として)
【ロゴマークについて】
次世代を担うクリーン燃料の一つとして位置付けられる水素を活用した発電や水素社会構築に関する当社の積極的な取り組みを情報発信し、広く認知していただくためにロゴマークを制定しました。
【参考】
本実証は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/地域モデル構築技術開発」に応募し採択された、「実商用系統を用いた調整力電源の水素混焼運用技術開発と沖縄地域水素利活用モデル構築」(2023年6月16日プレスリリース済。事業期間:2023年度~2025年度)の一環で実施しております。
【別紙】
本実証試験の概要について
以 上
水素の化学式をシンボライズし表情をつけた親しみやすいデザインとしております。
本実証試験の概要について ①吉の浦マルチガスタービン発電所の概要
1
別 紙
1
多様な燃料の活用が可能
LNG(通常)、灯油、バイオエタノール
2
多様な用途に活用が可能
電力ピーク対応、沖縄本島全電源喪失からの復帰、
電源喪失時の発電所保安電源、ボイルオフガス処理
3 県内唯一のLNG基地内に立地
◼ 沖縄本島の中心である那覇市近郊の中城村に立地する沖縄電力 吉の浦LNG火力発電所
内に設置された3.5万kWマルチガスタービン発電所。
体積比率30%
程度の水素混焼
化改造を実施
他地域、島嶼部への展開も期待できる数万kW級ガスタービンでの水素利活用を目指し、パイロットケースとして水素混焼
化し、実商用系統接続下での燃焼試験を実施。
本実証試験の概要について ②実証試験の全体像
2
◼ 吉の浦マルチガスタービンで水素を混焼するための改造工事および水素受入供給設備の設置
工事を実施。
◼ 燃料となる水素は、県外から輸送した圧縮水素ガストレーラーにて供給。
◼ 実商用系統下にて水素混焼試験を行い、調整力電源における水素混焼発電運用技術の確
立を目指す。
本実証試験の成果については、地域における水素供給利活用のモデル構築に寄与するとともに、規模の大きな島嶼部やマ
イクログリッドを志向する地域、さらには産業用途含む多数の既存および新設ガスタービン等への展開が期待される。
圧縮水素ガストレーラー
吉の浦マルチガスタービン
本実証試験の概要について ③実証試験の意義
3
◼ 再エネ導入拡大に伴い、電力系統の負荷変動、周波数変動は増加し、調整力としてのバックアップ火力電
源の必要性は更に増加する。
◼ 調整力電源への水素混焼運用技術確立は、再エネ導入拡大と調整力電源のCO2排出削減の2つを獲
得できるカーボンニュートラルの実現に向けた重要な取り組みとなる。
再生可能エネルギーの
大量導入
調整力(火力電源)
の脱炭素化
調整力電源としての水素混焼発電運用技術開発によるカーボンニュートラルへの寄与
ガスタービンでの
水素混焼技術
LNG H2
水電解・メタン直接改質等
調整力の提供
水素初期
需要創出 再エネ電力の
活用
再エネ主力化
へのサイクル
<課題>
⚫ 電力系統の負荷変動、周波数
変動の増大
⚫ 余剰電力(出力制御)による
再エネの採算性悪化
出所:三菱重工業
出所:経済産業省
本実証試験の概要について ④沖縄電力CO2排出ネットゼロロードマップ
4
本実証試験での取り組み