2 0 2 4 年 1 月 3 1 日
関西電力株式会社
高浜発電所1号機の出力降下に関する調査状況について
(給水ブースタポンプの調査状況)
高浜発電所1号機(加圧水型軽水炉)は、定格熱出力一定運転中、1月21日にB給水ブースタポンプ※1(以下、ポンプ)入口配管(2次系)の一部から僅かな蒸気漏れを確認したため、1月22日に待機中のCポンプを起動し、Bポンプを停止しました。
その後、Aポンプのグランド部※2からの2次冷却水の漏えい量(以下、排水量)が通常よりも多いことを確認したため、当該ポンプを停止した上でグランド部の点検等を行うこととしました。このため、電気出力を40%にすることとし、1月22日9時5分から負荷降下を開始しました。本事象による環境への放射能の影響はありません。
※1:主給水ポンプの吸込みを補助するために設置している装置
※2:ポンプの軸シール部であり、2次冷却水が、回転軸の貫通部から外部に必要以上に流出しないよう水で封じている。
(2024年1月22日お知らせ済)
1.調査状況
1月22日12時22分に電気出力が40%に到達した後、運転員が現場を確認したところ、Bポンプ入口配管のベント管※3付け根付近からの蒸気の僅かな立ち昇りを確認しました。 その後、蒸気の立ち昇りがなくなったことを確認し、外観観察等の詳細調査を実施しました。また、Aポンプについても、グランド部からの排水量増加の原因を調査するため、グランド部を点検しました。
※3:入口配管への通水時の空気抜きを目的として設置された管
(1)Bポンプ入口配管の調査
(外観観察等)
当該配管のベント管付け根付近に有意な外面腐食はありませんでした。ベント管付け根付近の浸透探傷試験※4の結果、同配管に接続するベント管と管台をつなぐ溶接部に沿った浸透指示模様(周方向:長さ約35mm)を確認しました。その後、浸透指示模様が認められた当該部を切り出し、現在、メーカー工場において破面観察等の調査を実施しています。
また、ベント管の外観観察の結果、エルボ頂部に凹みがあることを確認しました。
なお、Aポンプ入口配管のベント管についても外観観察および浸透探傷試験を実施した結果、異常は認められませんでした。
※4:試験体表面に開口しているきずを目で見やすくするため、可視染料の入 った高浸透性の液を浸透させた後、余分な浸透液を除去し、現像剤により浸透指示模様として観察する方法
(過去の点検履歴等の確認)
当該ベント管の施工履歴を確認した結果、プラント建設当初から設置されており、これまで取替え等の実績がないことを確認しました。
過去の点検実績を確認したところ、第21回定期検査(2002年11月)の直前に配管の振動計測を実施しており、問題はありませんでした。また、第27回定期検査中(2011年1月)にポンプ入口配管の減肉調査に合わせ当該部を目視にて確認した結果、漏れ跡等の異常は認められませんでした。
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https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2024/pdf/20240131_4j.pdf