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~約37%の消費電力削減で、システムグリーン化への貢献を確認~
トピックス
2023年11月24日
株式会社NTTデータグループ
株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、日本ヒューレット・パッカード合同会社(以下、HPE)と共同で、Armサーバー(Armアーキテクチャー採用プロセッサーを搭載したサーバー)をグリーン化の観点で評価したホワイトペーパーを2023年11月24日に公開しました。評価にあたっては、エンタープライズアプリケーションで利用実績の多いJavaを用いてベンチマークを行いました。
サステナビリティへの取り組みが求められている昨今、NTTデータグループではグリーンコンサルティングサービスをはじめ、お客さまの脱炭素戦略を支援してきました。中でも企業活動の中核で稼働するICTシステム、特に基幹部分を支えるサーバーの消費電力削減は、脱炭素社会の実現に向けて不可欠です。
今回、組み込み機器を中心に省電力で定評のあるArmアーキテクチャーをエンタープライズシステムに活用する際の省電力効果について、評価を行いました。その結果、従来型(x86)サーバーと比較して約37%の消費電力削減効果を確認しました。NTTデータグループは、今後もハードウエア・ソフトウエアの両面で技術ナレッジを蓄積し、サステナビリティ実現に向けて貢献していきます。
ICTは今や世界各国・企業・個人の活動を支える社会インフラとなり、新しい技術も次々と登場しています。一方で、世界の総消費電力に占めるICT関連(データセンター、PC等デバイス、製造、ネットワーク)の割合は増え続けており、2030年には約21%に達するとの予測もあります(図1)。サステナブルな社会の実現が世界共通の方向性となる中、特にカーボンニュートラルに焦点をあてると、ICT分野でも脱炭素を意識した取り組みが不可欠です。とりわけICT社会の根幹を支えるサーバーの消費電力は、大規模データセンターの増加に伴って大幅に増えると予想され注1、脱炭素エネルギーの活用だけでなく、消費する電力そのものの削減が求められます注2。今回、直接的なアプローチとしてサーバー自体の消費電力削減の可能性を検証しました。
図1:ICT関連の消費電力注3
スマートフォンをはじめとした小型・低電力機器のイメージが強いArmアーキテクチャーですが、スーパーコンピューター「富岳」への採用や、Amazon Web Service(AWS)など主要なクラウドプロバイダーがArmアーキテクチャーの仮想マシンインスタンスを提供するなどエンタープライズ領域でも存在感を増しています。NTTデータグループでは以前から、サステナビリティ観点で低消費電力のArmアーキテクチャーの活用に着目しており、活動に参画してきました注4。
今回、HPEのArmプロセッサー搭載ラックマウント型サーバー「HPE ProLiant RL300 Gen11」を用いてJava製Webアプリケーション実行時における消費電力を従来型(x86)サーバー注5と比較・検証しました。Armサーバーは従来型サーバーに比べ、同一性能を保ちながら消費電力を約37%低減できることが確認できました(図2)。
ベンチマークにJavaを選んだ理由は、アプリケーションの実行エンジンとなるJVM(Java Virtual Machine)をArm用に差し替えるだけで、特別な改造やチューニングなく動作させることができるからです注6。これはJavaベースのアプリケーションが、従来型サーバーからArmサーバーへの円滑に移行可能であることを示しています。
ホワイトペーパー(英語)
Power Efficiency of Java on Arm-based server
図2:実行時における従来型サーバーとArmサーバーの消費電力比較
ソフトウエアを効率的に動作させるためには、ハードウエアを見据えた最適化が必要です。NTTデータグループではハードウエアの最新動向をにらみつつ、OpenJDKをはじめとした各種OSS(オープンソースソフトウエア)の開発に引き続き貢献していきます。それら最新技術を提供することで、お客さまのサステナビリティ実現に貢献していきます。
株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
技術開発本部
E-mail:java@hml.nttdata.co.jp
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