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2023-11-17 15:00:00 更新

原子力発電の安全性向上にかかる進捗状況(2023年度上期)

2 0 2 3 年 1 1 月 1 7 日
関西電力株式会社


原子力発電の安全性向上にかかる進捗状況(2023年度上期)


当社は、2014年に作成した「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取り組みのさらなる充実」※1(以下、ロードマップ)に沿って、安全性向上の取組みを進めています。今回、2023年度上期の進捗状況を取りまとめました。主な内容は、以下のとおりです。


(1)安全性向上に関する活動の実施


原子力発電所では毎年、原子力災害対策特別措置法に基づき訓練を実施しています。今年9月22日に開催された美浜発電所防災訓練は、協力会社社員を含む約300名が参加し、対策本部の運営や送水車を用いた事故収束活動等を実施しました。


今回の訓練では、他事業者※2を評価者として受け入れることにより、第三者の視点で訓練の内容や実施方法を含めた、包括的な評価を受けました。


(2)リスクマネジメントをはじめとするマネジメントシステムの確立・改善美浜発電所では、客観的評価・外部知見を活用した安全性向上を目的に、「e-PM※3」という仕組みを国内で初めて導入しました。2023年4月から、作業管理や設備信頼性等について第三者機関による継続的なモニタリングをしています。これにより、劣化兆候を早期に検知し、必要な是正策がとれるよう今後も継続的に評価を受ける予定です。


また、美浜発電所での導入経験を活かし、高浜発電所・大飯発電所について2024年度に導入を予定しています。


当社の原子力安全にかかる「ありたい姿」の実現に向けて、各取組みの定着およびさらなる充実に努めてまいります。


※1 2004年8月9日の美浜発電所3号機事故の反省および東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえて、原子力発電の安全性向上に向けた取組みとして公表しているもの。


※2 日本原子力発電株式会社、四国電力株式会社、中国電力株式会社の3社。


※3 enhanced Performance Monitoringの略称


以 上


(添付資料)


・2023年度上期のロードマップの進捗状況


本件の詳細な内容はこちら ⇒ リンク


2023年度上期のロードマップの進捗状況


Check & Act ロードマップの進捗状況概観


 2023年度上期については、高浜発電所1号機、2号機の再稼動に向け、安全最優先で作業工程を進めるなど、5つの柱に沿った取組みを計画どおり進めています。


5つの柱 2023年度上期の主な取組状況 掲載頁
安全最優先の理念の
浸透および定着


 「安全の誓い」の日の、全社員が事故の反省と教訓に学ぶ取組みなど、安
全最優先の理念の浸透、定着に取り組みました。
安全性向上に関する
基盤整備
 高浜発電所1号機、2号機の再稼動に向けて、トラブルの未然防止を図
るべく重点的な現場点検を実施するなど、安全最優先の工程で作業を進
めました。
安全性向上に関する
活動の実施
 防災訓練において、訓練者の実践能力の強化を図るシナリオ設定の工夫
など、事故時対応能力の向上に取り組みました。
リスクマネジメントをは
じめとするマネジメント
システムの確立・改善
 原子力発電所の安全性に関するパフォーマンスをWANO等が継続的に監
視するしくみの構築など、客観的評価・外部知見を活用した安全性向上
の取組みを進めました。
コミュニケーションの充
実など
 原子力発電所の公募見学会を開催し、参加者の疑問や不安のお声に丁
寧にお答えするなど、双方向コミュニケーションに取り組みました。
3
2
Do / 2
Check & Act
The Kansai Electric Power Co., Inc.
今後に
向けて
安全性向上に関する活動の実施
訓練結果等から更なる課題抽出・対策立案を実施し、事故時対応能力のさらな
る向上に繋げてまいります。
他事業者による評価者を受け入れた防災訓練の実施
• 原子力発電所では、毎年、原子力災害対策特別措置法に基づく訓
練を実施しています。
実 績
背景等
効 果
安全性向上に関
する活動の実施
• 9月22日に美浜発電所で実施し、協力会社社員を含む約300名が
参加しました。
• 訓練では原子力発電所の運転中に原子炉の冷却機能の一部が喪失
してしまうという条件の下で、事故収束戦略の決定等の対策本部の運
営、送水車を用いた事故収束活動等を実施しました。
• 他事業者※から評価者を受け入れ、第三者の視点で訓練の内容や実
施方法を含めた、包括的な評価を受けました。
• 過酷な条件における対応判断や、突発的な機器故障への臨機な対
応等を経験することで、訓練者の実践能力の強化に繋がりました。
• 訓練の実施方法について、他事業者からいただいた意見を反映するこ
とで、効果的な訓練を実施することができました。また訓練中の評価に
ついても、今後、現場作業へ反映できるような気付きを得ました。
詳しい情報はこちら
※日本原子力発電株式会社、四国電力株式会社、中国電力株式会社
発電所対策本部(緊急時対策所内の様子)
現場実動訓練
(送水車の接続訓練で、海水取水用のホースを敷設する様子)
Do / 3
Check & Act
The Kansai Electric Power Co., Inc.
今後に
向けて
リスクマネジメントをはじめとするマネジメントシステムの確立・改善
WANO等※1による発電所の継続的なモニタリングを導入
• 原子力発電所の安全性を、WANO等が継続的にモニタリングする仕組み
※2を、 2022年度下期、国内で初めて美浜発電所で導入しました。
高浜発電所、大飯発電所への2024年度の導入に向けて、準備を進めてまいり
ます。
実 績
背景等
効 果
• 発電所の安全性を示す指標や改善活動の進捗状況等を、定期的に
WANOおよびJANSIに報告しました。
• 運転、保修、エンジニアリング等の分野毎の専門家とのコミュニケーション
では、現場観察や文書・記録類の確認、インタビュー等が行われました。
• これらのモニタリングを踏まえた発電所の安全性について、 2023年4月、
WANO・JANSI代表と発電所幹部が対話を実施しました。
• WANO等による発電所の安全性の継続的なモニタリングにより、劣化兆
候の早期検知・早期対処につながるものと考えます。
開催会議の様子
工事用仮設足場の設置状況の確認
※1 世界原子力発電事業者協会(WANO)と原子力安全推進協会(JANSI)
※2 「enhanced Performance Monitoring(e-PM)」と呼ばれるしくみ
4 原子力安全のありたい姿と3ヵ年(2022~2024年度)の取組項目
コミュニケーション
の充実など
リスクマネジメン
トをはじめとする
マネジメントシス
テムの確立・改善
安全性向上に
関する活動の
実施
安全性向上に
関する基盤整備
安全最優先の
理念の浸透
および定着
安全最優先の理念の共有
原子力安全に対する経営のガバナンス強化
安全文化の発展
資源の充実
- 人財育成
- 体制整備
稼動プラントの自主的安全性向上対策の
推進
事故時対応能力向上のための防災訓練の
実施
リスクマネジメントシステムの継続的な改善
リスク管理・評価等のツールの整備・改善
その他マネジメントシステムの確立・改善
客観的評価・外部知見等の活用
リスクコミュニケーションの推進
経営層の安全最優先の理念に対する明確なコミットメントのもと、全
社を挙げた理念等の浸透活動が展開され、原子力事業本部を含む
本店と発電所、また当社と協力会社社員との間のコミュニケーションな
どを通じて、理念等が現場第一線にまで浸透・定着し、日々の活動に
おいて実践されている。
安全の基礎となる安全を支える人財を継続的に育成するとともに、
環境の変化に応じて、柔軟に組織・体制の整備や設備投資を行うな
ど、経営資源を適切に投入することで、安全最優先の事業運営基盤
の維持・向上を図っている。
安全性向上のために国の定める規制基準の枠組みに確実に対応す
ることに留まらず、世界最高水準の安全性実現に向け、事故の発生、
進展、拡大を防止する対策の充実、および万が一に備える事故時対
応能力の向上に向けた諸施策を自主的・継続的に実施している。
安全性向上のために必要となる運用管理や有効性の評価システム
に加え、オーバーサイトの仕組みや国内外の情報を活用することで、マ
ネジメントシステムを継続的に改善している。
社会のみなさまとのコミュニケーション活動を通じて、原子力に係るリス
ク認識等を共有し、頂いたご意見を事業運営に反映することで、安全
性向上を図っている。地域に根ざした事業運営を行うことで、立地地
域をはじめとした社会のみなさまとの信頼関係の維持・向上を行ってい
る。


















































































ありたい姿 2022~2024年度
ロードマップの取組項目





5つの柱

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