あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
一般社団法人日本再生可能エネルギー地域資源開発機構
株式会社スマートエナジー
2023年10月27日
中小企業向けの自家消費型太陽光発電設備の導入スキーム
「Roof Plus」を共同開発 MS&ADインシュアランス グループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(代表取締役社長 新納啓介、以下「あいおいニッセイ同和損保」)と一般社団法人 日本再生可能エネルギー地域資源開発機構(代表理事 境内行仁、以下「RDo」)、株式会社スマートエナジー(代表取締役社長 大串卓矢、以下「スマエネ」)は、中小企業向けの自家消費型太陽光発電設備の導入スキーム「Roof Plus」を開発し、10 月より提供を開始します。
1. 背景
2050 年のカーボンニュートラル実現を目指し、再生エネルギーの普及に向けた動きが国内で活発化する中、政府は 2021 年 6 月に「地域脱炭素ロードマップ」を制定し、地方自治体には主体となって脱炭素に取り組み、先行事例等を周囲の地域に波及させていく「脱炭素ドミノ」の対応が求められています。
そのような中、地域でのカーボンニュートラルの実現において、企業の屋根上に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を自ら消費する自家消費型太陽光発電が注目を集めています。一方、自家消費型太陽光発電の普及にあたっては、大手企業を中心に PPA 事業者によるイニシャルレス導入スキーム※1 の導入が進んでいますが、PPA 事業者数が限られており、営業効率の観点から大手企業を優先して提案を行っているため、中小企業は提案を受ける機会が少ないといった課題があります。
そこで、地方創生取り組みに強みを持ち、リスクマネジメントのノウハウを有しているおいニッセイ同和損保、地域再エネに関する知見と金融スキームの組成ノウハウを持つ RDo、太陽光 O&M※2 国内最大手で、RPA(「Robotic Process Automation」)を駆使した常時発電監視に強みを持つスマエネが協業し、自家消費型太陽光発電の普及を後押しする「Roof Plus」を開発しました。
※1 自治体や企業等の再エネ需要家が保有する施設の屋根や遊休地に発電事業者(PPA 事業者)が太陽光発電設備を設置し、発電された電力を需要家に供給する仕組み。需要家にとっては、太陽光発電設備を初期費用なしで設置し、独占して安価に再エネを確保できるメリットがあるため、自治体や企業を中心に導入が拡大
※2 Operation & Maintenance の略称、太陽光発電施設の運用および保守点検
2. 概要
(1)特長
メリット 内容
幅広い企業が導入可能
・RDo はこれまでに地域再エネ事業を多数展開し、小規模工事にも対応できる施工業者等の幅広いネットワークを有しており、中小企業も含めた、より多くの企業への提案が可能
コスト削減
・リース会社による割賦契約により、初期費用の一括負担をなくし、初年度から電力料金削減効果が発現Scope3 に対応
・スマエネが開発した RPA(「Robotic Process Automation」の略)を駆使した遠隔監視で、常時稼働状況の確認するほか、O2 削減量の定期報告サービスをパッケージ化し、社会課題であるサプライチェーンの脱炭素化対策(Scope3)にも対応
<参考>CO2 削減量の定期報告サービスについて
定期報告サービスでは、15 年間にわたり CO2 削減量を毎月計測し報告します。Scope3 は、サプライチェーンによる CO2 排出量の中で、Scope1 と Scope2 以外の間接排出量を示す指標です。
サプライチェーンによる CO2 排出量は、事業者自身が直接排出する温室効果ガスだけでなく、事業活動に関連するすべての段階で排出される温室効果ガスの総量を指します。
大企業は Scope3 排出量に対処する際、自社のサプライチェーン全体にわたる排出を管理し、削減する必要があり、中小企業による定期的な CO2 削減量の報告は、サプライチェーン全体にわたる CO2 排出削減に貢献します。
(2)普及方法
地域のカーボンニュートラル推進の担い手として、地元中核企業や、地銀等の金融機関と連携し、取引先の電力高騰化対策として「Roof Plus」の導入を提案します。
(3)各社の役割
企業名
役割
あいおいニッセイ同和損保
・「Roof Plus」スキーム構築に関わるリスクマネジメントにおいて、ノウハウを提供
・全国の地方自治体と連携し、代理店・扱者およびお客さまへ「Roof Plus」を活用した自家消費型太陽光発電の導入を提案
RDo
・「Roof Plus」と中小企業向け SDGs 支援スキームの企画、開発、運営を担当
・地方自治体における地域脱炭素の実行状況ならびに中小企業の脱炭素化の実態とニーズを継続調査し、SDGs 支援スキームに反映させる
スマエネ
・RPA 技術を活用した遠隔監視により、太陽光発電の常時稼働を確認
・CO2 削減量の定期報告サービスを毎月提供、CO2 削減認証サービスを年 1 回提供し、サプライチェーンの脱炭素化対策(Scope3)を支援
3. 今後の展開
(1)地域の再エネ推進者(「地域の担い手」)の認定
「Roof Plus」の第一歩は、地域の再エネ推進の担い手を創出することです。あいおいニッセイ同和損保と RDo は、地元の中核企業、地方銀行、生損保代理店などを、「地域の担い手」として認定し、取引先への「Roof Plus」の導入を推奨いただきます。
(2)無償充電スポットの提供
「Roof Plus」の導入企業には、災害時に太陽光発電設備を携帯電話の無償充電スポットとして提供する「ローカル SDGs 経営」を推奨します。これにより、地域社会におけるエネルギー供給の安定性を高め、緊急時に役立つインフラを整備します。
(3)地域協力の強化
今後、「Roof Plus」を推進するため、「地域の担い手」と地方自治体との連携を深め、中小企業の自家消費需要に応える地域の脱炭素化に向けた戦略を共同で開発し、実行に移します。
(4) SDGs への貢献
「Roof Plus」を採用した企業を「SDGs 経営企業」として認定し、企業名を RDo のウェブサイトで公開することで、他の企業にも積極的な参加を促します。「地域の担い手」ならびに「SDGs 経営企業」の認定・公開を通じて、より持続可能な未来への一歩を支援していきます。
以上
あいおいニッセイ同和損保の概要
企 業 名:あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
U R L:https://www.aioinissaydowa.co.jp/
所 在 地:東京都渋谷区恵比寿1-28-1
設 立:1918年6月30日
事業内容:MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社の中核事業会社として、自動車保険、火災保険、傷害保険などの引き受けを行っています。「CSV×DX」をコンセプトに、これまで築き上げてきた「先進性」「多様性」「地域密着」の取り組みを国内外でさらに拡大していくことを目指しています。今後も、気候変動の緩和と適応をすべく、カーボンニュートラルに取組む企業と協業することにより、脱炭素に向け取り組んでいきます。
RDoの概要
団 体 名:一般社団法人日本再生可能エネルギー地域資源開発機構
U R L:https://rdo2050.org/
所 在 地:奈良県奈良市七条西町1-18-15
設 立:2021年5月19日
事業内容:初期の費用負担ゼロとなる脱炭素事業モデルの開発と、地域の推進リーダーの養成をとおして脱炭素に関連する新産業創造を支援する再エネ普及団体です。再エネのみならず、金融、新電力、スマート農法などの新しいビジネスモデルを組み合わせ、誰もが扱いやすい独自の脱炭素ビジネスパッケージを開発、組成、公開し、カーボンニュートラル社会実現にむけ貢献してまいります。
スマエネの概要
企 業 名:株式会社スマートエナジー
U R L:https://www.smart-energy.jp/
所 在 地:東京都港区西新橋1丁目18-17
設 立:2007年4月
事業内容:太陽光、水力等の再生可能エネルギー電気の販売
発電施設、設備ならびに同システムの企画、設計、施工、管理、保守ならびに販売
環境ファンドへの出資の募集、その運営と対策
ESG関連及び排出量制度の調査・コンサルティング