2023 年 10 月 19 日
日本冶金工業株式会社
大江山製造所ロータリーキルンのエネルギー転換(石炭→LNG) 当社は製造工程における CO2 削減の一環として、大江山製造所(京都府宮津市)で稼働中の ニッケル製錬用ロータリーキルン(回転式窯)のエネルギー源を、現行の石炭から LNG に転換することを決定いたしました。なお、本投資は環境省の「SHIFT 補助事業」における補助金対象に採択決定されております。
1.経緯
大江山製造所では「カーボンレス・ニッケル製錬への挑戦」を掲げ、以下①~④の施策を進めております。詳細は 2022 年 3 月 25 日付の IR ニュース(以下 URL)をご参照願います。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/5480/tdnet/2099171/00.pdf
①エネルギー転換/エネルギー源の石炭から LNG、再生燃料等へのシフト
②カーボン代替/ニッケル還元材料の石炭(無煙炭)から廃プラ等へのシフト
③リサイクル原料の多様化と使用拡大/使用リサイクル原料の多様化による、ニッケル鉱石からリサイクル原料(ニッケル含有都市鉱山)へのシフト
④副産物・廃棄物低減、活用/副産物(ナスファインサンド)の再利用、低減等
今回は
①エネルギー転換として、ロータリーキルンのエネルギー源を石炭から LNG へ転換するための設備導入を進めるものです。
2.投資の概要
(1)投資内容
①LNG サテライト設備(LNG 貯蔵タンク、気化器、配管敷設工事など)
②キルンバーナー、ガバナユニット設置など
(2)投資金額:約 5 億円
本投資に関しましては、環境省の令和 5 年度工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT 補助事業)のうち、省 CO2 型設備更新支援の B 事業(大規模電化・燃料転換事業)に 2023 年 8 月 23 日付で採択され、同年 9 月 27 日付で令和 5 年度分の補助金交付が決定されました。
■省 CO2 型設備更新支援の B 事業について(環境省の「令和 5 年度 SHIFT 事業概要」より)
主要なシステム単位で i)ⅱ)iii) の全てを満たす CO2 削減計画に基づく設備更新を補助
(補助率: 1/3、補助上限:5 億円)
ⅰ)電化・燃料転換
ⅱ)CO2 排出量を 4,000t-CO2/年以上削減
ⅲ)CO2 排出量を 30%以上削減
(3)完成予定:2025 年 7 月
3.期待される効果
石炭から LNG へのエネルギー転換により、大江山製造所での CO2 排出量は従来比で約 16%の削減を見込んでおります。
また、不純物含有極低のクリーンエネルギーにより、生産物であるフェロニッケル中の忌避元素(リン、硫黄)の低減化を図ることが可能となります。 さらに燃焼時の無煙により、キルン炉内の視認性良化で監視精度の向上を図ることが可能となります。
大江山製造所では、今後も「カーボンレス・ニッケル製錬への挑戦」の施策を進め、資源循環型ものづくりおよび CO2 排出量の削減に努めてまいります。
本件に関するお問い合わせ先:
大江山製造所製造部(電話:0772-46-2421)