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2023年9月26日(火曜日)
10時48分~11時19分
於:本館10階記者会見室
私から冒頭3点申し上げます。
まず、1点目、令和4年度二次補正で措置しましたバイオものづくり革命推進事業の第一次公募申請について、予算額3,000億円に対して約1,500億円の申請があり、今回6テーマ、302億円の採択を決定しました。
バイオテクノロジーは、カーボンニュートラルの実現など、社会課題を解決しながら、我が国の産業競争力を高める鍵となる技術であります。本事業では木材あるいは廃油など、国内で十分活用されていない資源を活用し、微生物などによってCO2の排出量を抑えながら、燃料や素材、化学品の生産を行う、そうした技術開発を支援するものです。
また、必要な表示制度、標準化などの整備も併せて進めながら、いわゆるサーキュラーエコノミー、循環型経済の社会実装を一層加速していきたいと考えています。
本日13時にNEDOのホームページにて公表しますので、ご御覧いただければと思いますが、第2回の公募は10月中に開始をする予定です。詳細は事務方にお問合せいただければと思います。
2点目、今週、27日から30日まで、IEAの重要鉱物クリーンエネルギーサミットへの出席のため、フランスに出張いたします。この会合は、クリーンエネルギー移行、蓄電池などにとって重要な不可欠な重要鉱物について、特定国に依存しないサプライチェーン構築の機運が高まっている中、重要鉱物について、各国連携のハブとなっておりますIEAが開催する初の会合であります。G7のエネルギー大臣会合などでも、IEAは積極的にこの重要鉱物についてのデータを示してくれています。G7以来、大きなテーマとなっている重要鉱物について、IEAの役割についても言及し、G7においても言及しているところです。
IEAの会合では、我が国が強みを有する重要鉱物のリサイクル、あるいは関連の技術、こうした取組について発信したいと思っています。また、併せて、重要鉱物分野におけるIEAの機能強化の必要性についても訴えていければと考えているところです。
また、この機会に各国のエネルギー、鉱物担当大臣、あるいは資源、グローバルな大手資源会社のCEOとも会談を行う予定にしています。日本の資源確保、サプライチェーン構築に向けたそうした取組について、連携を強化していければと考えています。
3点目、10月1日、科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム、いわゆるSTSフォーラムは、亡くなられた尾身幸次先生が主導しておられたフォーラムでありますけれども、これに参加するため京都市に出張します。今回、記念すべき20回目ということで、私は「AIの光と影」というテーマのプレナリーセッションに登壇をする予定です。
AIについては、生成AIを始めとして、ものすごいスピードで進化してきていますし、私たちの働き方、また社会構造、経済構造を一変するような可能性のある画期的な技術であると認識しています。経産省としても、もう御案内のとおり、計算資源の拡充、あるいは民間企業の取組なども支援してきているところです。グローバルの中で先頭集団にいると思っていますので、しっかりとこのAIの分野でも技術開発、そして新たなビジネスモデルなども支援していきたいと思っております。
一方で、G7でも議論されているとおりAIの抱えるリスクもありますので、しっかりとバランスよく管理しながら、社会実装していくことの重要性について発信していきたいと思いますし、中堅、中小企業の皆さん方にも使えるような仕組みも作っていかなければならないと思っています。
また、AIには必要な半導体、蓄電池についての取組や、科学技術フォーラムですので、核融合などについても新しいスタートアップが活躍してくれていますし、様々な日本の技術についても取組を発信したいと思っています。
私からは以上です。
Q:福島第一原発の処理水放出から1か月がたちましたが、依然として中国の禁輸措置が続いております。そのため、行き場を失ったホタテが倉庫にあふれているという事態も起こっているという話も聞きます。事業者は政府に早期の支援を求めておりますが、今のところ支援実績は1件にとどまっていると思われます。経産省としての現状の御認識と、今後支援を円滑に進めるための追加策について何か御検討されているものがあれば教えてください。
A:北海道のホタテについては中国向けがかなりありますので、その分が止まっているということで、オホーツクエリアの倉庫に保管していますけれども、かなりいっぱいになってきていると聞いています。一方で、広域でもう少し南や西の方を含めて空いている倉庫なども活用し始めていると聞いております。
既に御指摘のように、800億円の基金に加えて207億円の予備費もありますので、できるだけ迅速に的確にタイミングよく必要な予算を執行したいと思っていますので、様々な相談をしています。いろいろなことを想定しながら対応していますが、整い次第できるだけ早く支援をしたいと思っていますので、事業者の皆さん、あるいは団体の方々と緊密に連携を取って対応しているところですし、今日も話したところですが、宮下農水大臣とも連携をして、対応していきたいと思っています。
国内消費を応援しようという動きも広がってきています。私も経団連、日商にお願いしたところですが、いろいろな取組が広がってきています。もちろんそれで輸出分が全てカバーできるにはまだ至っていないのですが、宮下大臣が言っておられましたけれど、国内で平均すると年間にホタテを1人当たり7個か8個食べているらしいのです。これをもう7個か8個、つまり倍にしてもらえれば、かなり賄えるということですので、是非ホタテラーメンなど食べて応援をしていただけると有り難いなと思いますし、宮下さんも率先して食べていると言っておられましたので、私も是非実践したいと思います。
併せて、アメリカ大使館も非常に協力してくれていまして、もう一部報道もなされていますけれども、中国で殻をむいてアメリカに輸出しているものがかなりありますので、これについて、例えばアジアのベトナムとかタイとかアメリカの認定を受けた工場もあります。そのリストもリストアップされていますので、また日本の商社にもそうした情報がありますので、私ども、大使館あるいは商社と連携しながら、いわゆる殻むきの事業・業務を、アジアの国々に移管できないかといったことも今対応を急いでいるところです。
また、機械を導入して国内で殻むきをやるということも検討しているのですが、差し当たっては人海戦術で人を手配しながら対応していますので、そうした追加の費用について予算を活用して支援してきていますので、少し残業してもらった分とか、あるいは新しい人を雇った分などについて、支援を行ってきています。何とかこの厳しい状況を乗り越えるように対応していきたいと思っています。
加えて、ナマコも中国向けが止まっておりまして、これも基本的に中国の人たちが食しますので、アジアの華僑の方々向けに、マレーシアとかシンガポールとか、そういったところに輸出を更に広げられないかということで、これも私どもJETRO、中小機構などに相談窓口を設けていまして、既に250件ほど相談を受けているということです。そうした中から新たな販路拡大、多角化につながるような支援を行っていきたいと思っています。
日本政策金融公庫などもセーフティネット支援・貸付がありますので、その要件も緩和していますから、是非必要な方はお使いいただけるように、きめ細かに相談に乗りたいというふうに思っております。
いずれにしても、何とかこの状況を打破していければと思いますし、中国に対しては、直ちに撤廃してもらえるように、引き続き外交上も努力していきたいというふうに思っております。
Q:昨日示され、今日閣議決定された経済対策についてお伺いします。半導体を始めとする戦略分野に国内投資を促す新たな減税など、そのほか電気やガス、家計の負担の軽減策についてどのようなものを目指すのか、お願いします。
A:今朝、閣議で総理から総合経済対策の策定に向けて指示がございました。五つの柱はもう御案内のとおりだと思いますが、私のところでは、まず足元のエネルギー高騰対策・物価対策、これについて対応をどのようにしていくかを考えていきたいと思います。
その上で、需給ギャップはもうほとんどないということですので、需要対策ということではなく、景気対策というよりは成長に向けた経済対策、つまり新しい時代の構造を作っていく、そういう経済対策にしたいと考えています。
コロナ禍、そしてロシアのウクライナ侵略を経験し、先ほどのサプライチェーンの強靱化の話もあります。また、新しいDX、GX、昨日から東京GXウイークが始まりましたけれども、各国とも水素、アンモニア、CCS、様々なイノベーションへの挑戦の表明がありました。新しい時代を切り開いていくための、その成長軌道に乗せていくための、そういう総合経済対策にしたいという思いがあります。
DX、GXを進めるに当たっても、半導体も必要でありますし、蓄電池も必要です。半導体についていえば、毎日のようにいろいろな投資の相談を受けております。兆円規模での投資の民間意欲を国内外から感じているところですので、その投資を着実に実行してもらえるよう、さらには、民間のそういう意欲を引き出す、呼び水となる政府の支援を考えていきたいと思っています。
いずれにしても、イノベーションで新しい時代を切り開いていく、そのための技術で世界をリードしていく。そして日本が持続的に経済成長していく、豊かになっていくための新しい構造を作っていく、そんな総合対策にしたいなと思っています。
中小企業の人手不足を乗り越えていけるような省人化、省力化、省エネ、こういった投資を是非果敢に挑戦をしてほしいと思いますし、事業再構築補助金については、これまで2.4兆円予算を確保しておりますが、毎回倍率が2倍ぐらいで、非常に強い意欲を感じているところです。まだ5,600億円程度残っておりますので、また公募もしますし、必要であればこうした中小企業の省人、省力、省エネ、こういった果敢な挑戦に是非支援をしていきたいと思っています。
いずれにしても技術、イノベーションで世界をリードしていく、そして日本が成長軌道に乗っていく、そのための対策にしたいと考えています。
Q:経済対策のところで、ちょっと追加で聞かせてください。
今、大臣がおっしゃったように足元の物価高騰、それからエネルギー価格の高騰に対して対応したいということなのですが、ガソリン価格の補助金など延長が決まっているので、従来から言われているように、そういったことでインフレを抑えるという一方で、日本銀行ではずっと持続的な2%のインフレが達成できないということで、粘り強く緩和が必要となっているのですが、そこはバッティングしないのか、それはどういうふうに、いい意味でのインフレというのを構築していくのかというのを経済対策の方でどういうふうにケアしていくのかというところが1点。
それから、もう1点は半導体のところでおっしゃったのですけれども、今までのところ、主に補助金などを積み上げて政府の方でサポートという側面が多かったと思うのですけれども、今回では税制などほかの部分でも含めて多角的にサポートの体制を整えていくという姿勢なのかというところ、その2点をお願いします。
A:一つ目は、やはり急激な物価高、燃料油、電気料金の価格高騰がありましたので、激変緩和措置ということで継続してきております。やはり国民の皆さんの負担を軽減していくということは非常に重要です。もちろん持続的な賃上げも行っていきますので、物価高を超える賃上げが行えるような環境を作っていくことも大事でありますけれども、緩和策として継続しているものについて、今後どのように考えていくかというところで、しっかりと検討したいと思っています。
併せて、総理からの指示にもありますけれども、厳しい状況にある方々もおられますので、そうした生活支援などについては、地方交付金の追加などで検討していくということで指示が出ていますので、そういったことも考えていきたいと思っています。
日本銀行の政策につきましては、金融政策は独立した日本銀行が対応されますので、私からコメントすることは控えたいと思いますが、総裁のコメントの中にあったと思いますが、賃金に着目していくということでありますし、外的な輸入物価で上がってきているものの影響と、国内の経済が要は加熱をして物価上昇につながっている部分とを、分けて考えなければいけないと思います。今は海外からの輸入物価で、これは為替の影響ももちろんありますので、そういったことを含めて上がってきているということだと思います。そのあたり、日本銀行が的確に分析をして判断されると思います。
いずれにしても、私も立場で申し上げれば、地方、そして中堅、中小企業を含めて、今の人手不足やこうした物価高を、乗り越えていける、そうした体力をつけてもらう、そのための構造を変えていく、正に事業再構築補助金のような考え方で新たな挑戦を是非応援をしてきたいと考えています。
国内投資については、もちろん補助によって投資を引き出していくというこれまでの政策も考えていきたいと思っていますが、諸外国、アメリカ、ヨーロッパをはじめとして、いろいろな政策が取り入れられていますので、そうしたものも参考にしながら、減税であるとか、あるいは制度・規制も併せて是非考えていきたいと思います。
半導体の投資なども特に地方で、それも1か所ではなく各地で行われていますので、そういう意味ではそれぞれの地域にいわば良質な雇用が生まれ、一定の所得もあるということです。令和の時代にふさわしい新たな時代の列島改造的な投資が今進んでいますので、これは地方経済にとっても、そして所得向上にとってもプラスになる、そうした投資を促していくための予算、税、そして制度を考えていきたいと思います。
Q:大阪・関西万博について、2点伺わせてください。
まず1点目ですけれども、建設費が再び上振れするとの報道が出ているかと思います。1,850億から2,300億程度というような数字もよく見られます。
昨日、官房長官会見では、国、それから自治体、経済界が3分の1ずつ負担するという閣議了解に沿って対応を協議するというふうにおっしゃっていましたが、この増額となった場合、今度の、あるいは補正予算等で対応する方向なのでしょうか。
2点目は同じく万博の警備費についてです。警備費については大臣が先日の会見で建設費や運営費とは別に国が前面に立って確保するというふうにおっしゃいました。これは全額国費という理解でよろしいでしょうか。また、警備費に関しては国がその全面的に負担する、面倒を見るというその理由を教えていただければと思います。
以上です。
A:まず建設費用ですが、現在博覧会協会において精査を行っている段階です。今の時点で増額の有無やその金額についてはコメントできる段階にはないということです。
他方で、精査された内容をしっかりと確認の上、必要があれば官房長官が発言されているとおりでして、国、自治体、経済界で対応を協議していくことになります。
そしてその協議の結果を踏まえて、対応の方向については検討していくということになりますので、まずは博覧会協会において、しっかりと精査してもらいたいと思っています。
それから、警備費についてですが、来場者の安全確保、これは万博成功に向けて最も基本的なことであり、また重要なことであります。安倍総理の銃撃であったり、岸田総理への襲撃の事件であったり、あるいは韓国で雑踏で亡くなられる方も出て、また、私の地元明石でもかつて大変な人出で、雑踏で亡くなる方があったということでありますので、やはりこの安全確保については国が前面に立って対応するということです。
こうした考えの下、会場内の安全確保に万全を期すために必要な費用について会場の建設費や運営費とは別に、国が前面に立って確保するということにしています。この警備費、警備関連の範囲、費用、金額についても、精査を進めているところです。
Q:高レベル放射性廃棄物の処分地選定に向けた関連で2点お伺いします。
まず1点、今、文献調査をめぐって、長崎県対馬市の方で、明日にも閉会予定の市議会の中で市長が調査受入れについての意見を表明する見込みとなっております。
政府としては、取組の基本方針の中で、現状の北海道の2町村に加えた調査地の拡大を目指していると思いますけれども、これはどのような判断を期待されているかということと、改めて政府として文献調査に関する取組、どのように進めていきたいと考えていらっしゃるか、教えてください。
もう一点が、関連して細かい点なのですけれども、対馬市の比田勝市長は、現段階でその判断に当たって、調査の受入れが、すなわち最終処分場の誘致を意味するという前提で判断するという旨、発言されています。これは制度の立てつけといいますか、調査を受け入れたら処分場を受け入れなければならないということではないというような、これまでの制度の説明ですとか、先行する北海道2町村の認識とはやや隔たりがあると思っていますけれども、この点に関して、政府の見解あれば教えてください。
以上です。
A:まず、対馬市長が最終処分の文献調査に意見表明を予定されていると聞いていますが、対馬市の様々な方々が関心を示していただいて、検討を重ねていただいているということは、率直にありがたいと思っております。その上で、最終処分事業に関しては、様々な意見があるものと思います。地域で丁寧に議論を深めていただくことが何より重要だと考えています。
国としては、そうした地域の声を踏まえながら、文献調査の実施地域の拡大を目指し、全国で必要な情報提供などに取り組んでおります。各地で説明会などを開いているところです。
そして、この文献調査ですけれども、地域の地質に関する文献データを調査、分析して情報提供することによって、最終処分についての議論を深めていただくためのものですので、言わば対話活動の一環です。仮に、次の概要調査に進もうとする場合には、法令に基づく手続きに従って、知事と市町村長の意見を聞き、その意見を十分に尊重することとしておりますから、その意見に反して先に進むことは一切ありません。したがって、文献調査は、処分地選定に直結するものではないということです。結果として、仮に文献調査だけを実施することとなった場合でも、今後の理解活動の促進や技術的なノウハウ蓄積の観点から非常に意義があるものというふうに考えています。
いずれにしても、地域の皆さんの声、思い、地域に寄り添った対応をしていきたいと考えています。
Q:1点、政治資金収支報告書関連でお伺いします。
大臣が代表を務める自民党兵庫県第9選挙区支部が、2021年の衆院選公示日に、国と取引があった兵庫県明石市の医療法人から10万円の寄附を受けていたことが確認されたとの報道があります。
公職選挙法は、国と契約を結ぶ当事者が国政選挙に関連して寄附することを禁止していますが、この件の受け止めをお願いいたします。
A:御質問の法人が委託契約を結んでいることは知りませんでした。誤解を受けるのは本意でありませんので、当該法人と話をした上で、道義的見地から返金いたしました。
今後、そういったことがないように万全を期していきたいと考えています。
Q:洋上風力の事件に関して、改めてなんですけれども、風力発電の整備を進めている地元からの国の制度がですね、事件によって何らか、地元の理解を受けるときに負のイメージで見られてしまわないかというような不安を口にするような声を取材の中で聞いております。
脱炭素を進める政府としてですね、そういった不安にどのように対応されるか、御意見をお聞かせいただけますでしょうか。
A:2030年に再生可能エネルギーを36から38%するということで、風力も、特に洋上風力が非常に大きなウエートを占めることになります。
2040年に原発数十基分に相当するような組成を目指し、我々取り組んでいるところですので、国の政策としてしっかりと進めていきたいと考えています。
今回の事件については、経産省として何かゆがめられたことはないと事務方から報告を受けておりますし、有識者が最終的に判断をしたものだと報告を受けておりますが、いずれにしても、まず捜査には全面的に協力をしていますし、今後もしていきたいと思います。
その上で、地元の皆さんが不安や懸念を感じることがないよう、国として透明性高く、そして丁寧に説明を重ねながら、洋上風力についても案件の組成に向け、これまで以上に力を入れて取り組んでいきたいと考えています。
(以上)
最終更新日:2023年9月26日
情報提供:JPubb