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2023-08-24 00:00:00 更新

リアルな空間再現に貢献する大型で高精細な1.3型4K OLEDマイクロディスプレイを商品化 [ソニーセミコンダクタソリューションズ(株)]

報道資料
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2023年08月24日

リアルな空間再現に貢献する大型で高精細な1.3型4K※1OLEDマイクロディスプレイを商品化
~VR/AR向けヘッドマウントディスプレイの体験価値を拡大~

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)は、4K※1の高解像度によりリアルな空間再現に貢献する大型で高精細な1.3型OLEDマイクロディスプレイ(Organic Light-Emitting Diode Microdisplay) 『ECX344A』 を商品化します。

本製品は、主にVR(仮想現実)/AR(拡張現実)向けヘッドマウントディスプレイでの活用を想定したOLEDマイクロディスプレイです。SSSが、カメラの電子ビューファインダー(EVF)の開発で培った微細化プロセスと独自の画素駆動回路の採用により、大型な1.3型ディスプレイにおいて4Kの高解像度を実現しました。さらに、4Kにおいても高フレームレートを実現する新開発の高速駆動用ドライバー回路を搭載したことで、リアリティを高めた滑らかな映像を可能にします。また、独自の画素構造により、高色域と高輝度性能を両立しました。

本製品を通じ、当社はVR/AR向けヘッドマウントディスプレイによるリアリティ溢れる新たな体験価値の提供に貢献します。

※1:水平3,552画素×垂直3,840画素。

1.3型 4K OLEDマイクロディスプレイ

型名サンプル出荷時期
(予定)
サンプル価格
(税抜き)
1.3型 4K(3,552×3,840)
OLEDマイクロディスプレイ 『ECX344A』
2023年11月150,000円


<主な特長>
■独自の微細化プロセスと画素駆動回路による、4K解像度の高画質で滑らかな映像
一般的にディスプレイデバイスにおいて、高解像度化を進め画素数が増えると、画素ごとの輝度などの特性にばらつきが生じ、画質が劣化します。本製品は、トランジスタのレイアウトやプロセスを最適化し、さらに独自のばらつき補正回路を採用しました。これにより、トランジスタ特性のばらつきを改善し、4Kの解像度を有しながらも均一な輝度特性による高画質を実現しました。さらに、新開発の高速駆動用ドライバー回路を実装することで、毎秒90フレームの滑らかな映像を実現しています。

また、この高画質性能を1.3型の大型なディスプレイで実現したことにより、搭載製品における広視野角な映像表現に貢献します。

ディスプレイの画像比較(イメージ図)
従来品(約40µmピッチ:参考)(左)と 新商品(6.3µmピッチ)(右)



独自の画素構造による広色域と高輝度の両立
従来技術では色域と輝度の性能はトレードオフの関係にありましたが、本製品では色域を広げながら、光の利用効率を改善する独自の画素構造を採用しました。これにより、DCI-P3※2を96%カバーした広色域と高輝度の両立を実現し、高精細とあわせることでリアルな映像による没入感を高めた体験を可能にします。

※2: DCI-P3: デジタルシネマ向けにアメリカの映画制作業界団体Digital Cinema Initiativesが策定した、RGB色空間の規格の1つ。

搭載製品に求められる特性・機能の充実
VR/AR向けヘッドマウントディスプレイにおける体験価値向上に向け、本製品では以下の特性・機能を充実させました。

  • 仮想空間では、周りの景色を見まわしたときに、映像の遅延や残像があると、没入感が失われ、脳が違和感を抱くことがあります。本製品では、残像感を低減させた滑らかでクリアな映像を提供するために、毎秒90フレームの高フレームレートに加え、画素の発光時間を従来比※3で1/5(Duty 20%駆動)と短くしました。一方で、5,000cd/㎡の高輝度を実現する独自技術を生かすことにより、Duty 20%駆動においても、一般的に搭載製品の明るさとして求められる1,000cd/㎡の輝度を実現することで、明るさと残像感の低減を両立させました。
    ※3: 当社のOLEDマイクロディスプレイ『ECX339A』(0.5型UXGA(1,600×1,200))との比較。
  • 4K高解像度を表示するためには、搭載製品側で高いデータ処理能力が必要になります。搭載製品側の負荷を軽減するために、用途に合わせて選べる3つの表示モードを用意しました。
    - Normal mode: 4K解像度の入力データを、解像度を落とさずにディスプレイに表示。
    - Upscale mode: 2K~2.5K解像度の入力データを、4Kにアップスケールしてディスプレイに表示。入力データ量を抑えることで、搭載製品のデータ処理負荷を軽減します。また搭載製品において、高い処理能力を要さないため、幅広いアプリケーションプロセッサーへの対応を可能にします。
    - Foveated scan mode: 人の視野中心は高解像度で表示し、視野の外側に向かうほど解像度を落として描写します。視覚的な没入感を維持しつつ、転送データ量を約60%削減※4し、搭載製品側の画像処理における負荷を軽減します。
    ※4: Foveated scan ×2.5表示モードを選択した場合。


<関連リンク>
当社のOLEDマイクロディスプレイ技術について;
https://www.sony-semicon.com/ja/technology/display/oled-high-resolution.html

OLEDマイクロディスプレイを活用したアプリケーションについて;
https://www.sony-semicon.com/ja/application/electronics/arvr.html


<主な仕様>
型名ECX344A
表示サイズ1.3型 (対角33.0mm)
画素数(水平×垂直)4K(3,552×3,840)
画素ピッチ6.3µm
最大フレームレート数90fps
ビデオインターフェイスMIPI®D-PHY
最大輝度(Duty 20%駆動)1,000cd/㎡
コントラスト100,000:1以上
色域DCI-P3包含率: 96%

* 本プレスリリース上の製品名やサービス名は全てそれぞれの所有者に属する商標または登録商標です。

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