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2023-03-08 00:00:00 更新

新たな燃料電池ユニットと圧力容器ユニットを開発[帝人]

2023年 3月8日


帝 人 株 式 会 社


新たな燃料電池ユニットと圧力容器ユニットを開発[帝人]


帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:内川 哲茂)は、このたび、燃料電池の利用を促進し活用範囲を拡大することを目的に、燃料電池の稼働に必要な機材を一体にした燃料電池ユニットと同ユニットに水素を供給する圧力容器ユニットを開発しました。各ユニットは東急建設株式会社と共同で実施する、燃料電池を建設工事現場の電源として活用する実証実験にて使用される予定です。


1.背 景


(1)燃料電池は、次世代エネルギーとして注目されている水素を使用する発電装置であり、軽油・ガソリン発電機と比較して静音性に優れ、CO2などの温室効果ガスを排出せず、臭気なども無いため、さまざまな分野で活用が検討されています。


(2)燃料電池を使用するためには、バッテリーや制御装置と組み合わせた発電機システムを構築する必要がありますが、既存の発電機システムはサイズや重量が大きく運搬時には重機が必要となるなど、実用面では多くの課題があります。


(3)また、水素を貯蔵するボンベは、発電機システムと安全な距離を保ちながら運搬・設置をする必要があることや、残量確認を適宜行う必要があることから、ボンベを使用する作業員の工数が多くなるなど、運用のしづらさが課題となっています。


(4)こうした中、英国の Intelligent Energy Limited(以下、IE 社)が開発した燃料電池の代理店販売を進める帝人は、グループ会社の帝人エンジニアリング株式会社と共同で、利用者のユーザビリティ向上に資する製品の開発を進めてきました。


2.このたび開発した燃料電池ユニットと圧力容器ユニットについて


■燃料電池ユニット
(1)燃料電池ユニットは、燃料電池の稼働に必要な機材を一体にした可搬型の発電システムです。IE 社の新型燃料電池「IE-LIFT 1T」を搭載し、小型・軽量化を実現しています。


(2)また、大容量バッテリーを搭載しているため、機器トラブルや水素ボンベの残量不足などで燃料電池が停止した場合でも定格出力で約 1 時間の稼働が可能です。


(3)同ユニットは通信端末を内蔵しているため、離れた場所からでも「ボンベの残量」や「稼働状況」などのデータを、クラウドを介して携帯端末から確認できます。これにより、ボンベの残量確認に伴う工数の削減や、警報アラームの聞き逃しといったリスクの回避が可能となります。


(4)また、独自の算出方法に基づいた「運転時のCO2削減効果」も確認できるため、同ユニットを使用した際の環境負荷低減の効果を見える化することも可能です。


■圧力容器ユニット
(1)圧力容器ユニットは、水素ボンベを 3 本搭載できる可搬型の水素燃料供給装置です。ボンベには、帝人エンジニアリングの複合材料容器「ウルトレッサ」を採用しています。「ウルトレッサ」には炭素繊維が使用されており、耐圧性を保ちながら軽量性に優れるため、同ユニットの運搬時における作業員の負荷を軽減します。


(2)ボンベには高圧の水素を充填していますが、同ユニットの減圧装置により、簡単なバルブ操作のみで圧力を降圧し、安全に燃料電池ユニットへ水素を供給します。


【主な仕様】
出 力
連続定格出力 700~800W, 最大出力 1,500W
サ イ ズ
燃料電池ユニット:450(幅) x 570(奥行) x 910(高さ)mm
圧力容器ユニット:510(幅) x 765(奥行) x 814(高さ)mm
重 量
燃料電池ユニット:約 60kg
圧力容器ユニット:約 80kg


3.今後の展開


(1)当社は、東急建設がすすめる渋谷駅周辺開発の建設工事現場において、2023 年6 月より東急建設と共同で燃料電池に関する実証実験を実施し、各ユニットの実環境下における検証を行う予定です。


(2)検証結果などを踏まえて、2024 年春頃の販売開始を目指します。


当社は、CO2排出量削減などの環境負荷低減に向けて、建設工事用途をはじめとした新たな用途への燃料電池の普及をすすめ、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指すとともに、SDGsの目標達成に貢献していきます。


以上


【 報道関係のお問合せ先 】
帝人株式会社 広報・IR部 TEL:(03)3506-4055
【その他のお問い合わせ先】
帝人株式会社 スマート&セーフティ事業推進班 TEL:(03)3506-4398


帝人グループは、本年 3 月 15 日から 3 月 17 日まで東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催される「第 19 回 FC EXPO 国際 水素・燃料電池展」に出展することとしており、燃料電池ユニットと圧力容器ユニットを展示します。


また、出展ブースでは、このたび開発した各ユニットのほか、燃料電池ユニットに搭載する「IE-LIFT 1T」や圧力容器ユニットに搭載する「ウルトレッサ」の展示も行います。(ブース番号:1-40)

情報提供:JPubb

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