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2021-04-07 00:00:00 更新

地中熱活用プロジェクトに関する覚書を小樽市と締結

2021年04月07日

地中熱活用プロジェクトに関する覚書を小樽市と締結

住友商事は2020年12月21日、北海道小樽市と地中熱を活用した次世代スマート熱供給網構築プロジェクトの事業化可能性を探る調査に関して、覚書を締結しました。小樽市の協力を得て、地産地消型の再生可能エネルギーである地中熱の活用可能性を検討します。

求められる再生可能エネルギーと分散型エネルギーモデル

地球温暖化は喫緊の社会課題で、脱炭素化・再生可能エネルギーの普及が世界中で求められています。地震や台風などの災害多発国である日本では、従来の大型発電所を中心とした集約型エネルギーモデルから、分散型エネルギーを組み合わせたモデルへの移行が望まれています。このような状況を受け、日本では、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに加え、水素などの次世代エネルギーの活用が急がれています。

冷暖房の当たり前を変える地中熱

再生可能エネルギーである地中熱は、浅い地盤に存在する低温な熱エネルギーです。地下1000~3000メートル程度に存在するマグマ由来の熱を活用して電気エネルギーなどに変換して利用する地熱とは異なり、地表面に近いところに蓄積した太陽光による低温の熱を取り出して活用するのが地中熱です。地下10メートル以深の地中の温度は、年間を通じて15度程度と一定です。ヒートポンプシステムや空気循環、熱伝導、水循環、ヒートパイプなどの利用方法を用いることで、地中熱による効率的な冷暖房や給湯を可能にします。

1次エネルギー(※1)の半数近くが最終的に冷暖房・給湯を含む熱エネルギーに消費されていると言われており、また、企業や家庭で使用される熱エネルギーの多くは、建物内で電気や化石燃料を用いて作られています。地中熱の活用により、地域単位での熱供給網を確立、再生可能エネルギー熱の面的利用を促進することによって、化石燃料の使用量削減に寄与すると期待されています。

地中熱利用は1980年代より欧米で普及し始め、節電や二酸化炭素排出削減などのメリットを背景に、現在では中国や米国、スウェーデンを筆頭に約60の国・地域で広まっています。日本では2012年に開業した東京スカイツリー地区でのヒートポンプシステム導入など、徐々に地中熱利用施設も増えてきていますが、諸外国と比較するとまだまだ地中熱の知名度は低く、利用実績も少ないと言わざるを得ない状況です。

ヒートポンプシステムによる地中熱利用のイメージ図。 地中熱は冷暖房の他、給湯や融雪にも活用できる

小樽市と目指す街づくり

このプロジェクトでは、地中熱利用によって小樽市内で日本初の第5世代地域熱供給網(※2)を構築することを目指しており、AIやビックデータを活用した効率的な熱供給の実現に挑戦します。

小樽市の冬季平均気温は3度未満で、暖房には多くの化石燃料が使用されています。地中熱の活用は、脱炭素化だけでなく、エネルギーの地産地消による地域経済の活性化にもつながります。小樽市の迫市長は2月1日の市長記者会見で「事業化が実現すれば小樽市のまちづくりに貢献するものと大きな期待を寄せている」とコメントしました。

住友商事は小樽市と協力し、市内での地中熱供給網の構築に向けて、事業化可能性の調査を進めていきます。また、このプロジェクトを通して地中熱の認知度の向上に努めていきます。

地中熱は生活の中で幅広く活用できる。 出典:地中熱利用促進協会

  1. 1次エネルギー:電気やガスに変換される前の自然から得られるエネルギー。石炭や石油、天然ガス等の化石燃料と太陽光や風力などの再生可能エネルギーから得られるエネルギーの総称
  2. 第5世代地域熱供給網:個々の施設単位のみならず地域単位で熱を生産・供給する地域熱供給のなかでも、第5世代地域熱供給は地中熱や太陽光などの低温・分散型地域熱源を取り組み、温熱と冷熱の負荷融通により、熱供給システム全体の熱効率を改善、再生エネルギー熱及び電気導入の促進とコスト削減を目指すもの。また、各施設に備わったヒートポンプシステムなどを活用し、太陽光などの再生可能エネルギーを熱エネルギーに変換、貯蔵を可能とすることで季節性規模のエネルギー需給ギャップの解決にも貢献するもの


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情報提供:JPubb

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