2021.3.2
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
丸紅ユティリティ・サービス株式会社
川崎重工業株式会社
ウズベキスタンで中小型ガスタービン高効率コージェネレーションシステムの
実証運転を開始
―従来比 38%の省エネ化と電力・熱の安定供給を目指す―
NEDOと丸紅ユティリティ・サービス(株)、川崎重工業(株)は、ウズベキスタン共和国フェルガナ市の実証サイトに設置した17MWの中型ガスタービン高効率コージェネレーションシステムの実証運転を1月から開始しました。
この実証事業では、すでに同市内のRK3熱供給所で2019年12月から7MWの小型のガスタービンコージェネレーションシステムを導入して実証運転中です。これら2カ所の中小型のガスタービンコージェネレーションシステムで電力供給の分散化を図ることにより、従来は遠方の大型発電所から送電していた地域へ近傍からの電力供給が可能となります。これにより、施設のエネルギー効率の改善だけでなく、送電距離の短縮による送電ロスの改善が見込まれ、従来比38%の省エネルギー化と電力・熱の安定供給の実現を目指します。
1.概要
ウズベキスタンでは、経済発展のために電力と熱の安定供給が不可欠となっています。特に同国フェルガナ地域では人口の集中・増加を背景に電力や熱の需要が拡大している反面、電力は遠方からの送電に依存しており、熱供給も設備の老朽化によってエネルギー効率が低いという課題がありました。このため、同地域ではエネルギー効率が高い熱電供給によってエネルギーを地産地消する仕組みの確立が求められてきました。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこうした課題を解決するため、2015 年 10 月に安倍首相(当時)がウズベキスタンを訪問した際にウズベキスタン政府と協力合意書を締結し、さらに 2016 年 10 月には電力と熱の安定供給を目指してガスタービンコージェネレーションシステム※1の普及に向けた実証事業※2の基本協定書(MOU)を締結しました。これと同時に、本実証事業を実施する委託先の丸紅ユティリティ・サービス株式会社と川崎重工業株式会社はウズベキスタン国営発電会社と協定付属書(ID)を締結し、中小型ガスタービン高効率コージェネレーションシステムの設計から製作、輸送、据え付け指導、立ち上げに取り組み、エネルギー消費の効率化を実証するためにプロジェクトを進めてきました。
今般、2カ所目の実証サイト先であるフェルガナ熱電併給所で、17MWの中型ガスタービンコージェネレーションシステムの設備設計と設備機器製作、据付および試運転を完了し、1月から実証運転※3を開始しました。すでに2019年12月からはフェルガナ市内のRK3熱供給所において7MWの小型ガスタービンコージェネレーションシステムの実証運転を行っており、熱供給所の近代化(熱電併給所化)と併せて近隣地区に安定した電力、熱エネルギーを供給する体制を整えました。
本実証事業は2020年度末まで実施し、中小型ガスタービン高効率コージェネレーションシステムの有効性を検証します。2カ所の中小型ガスタービンで電力供給の分散化を図ることにより、従来は遠方の大型発電所から送電していた地域に対して、近傍からの電力供給が可能になります。これにより、施設のエネルギー効率の改善だけでなく、送電距離の短縮による送電ロスの改善が見込まれ、従来システム
に比べ38%の省エネルギー効果の達成と電力・熱の安定供給を目指します。
2.実証事業の内容
【1】実証サイトおよび主要導入設備
ウズベキスタン共和国フェルガナ市内の熱電併給所と熱供給所各 1 箇所
ガスタービンコージェネレーションシステム 発電出力 17MW:1 基、7MW:1 基
【2】相手国協力機関
監督機関:ウズベキスタン共和国 エネルギー省
サイト先企業:ウズベキスタン国営発電会社、フェルガナ熱電併給所
【3】事業期間
2017 年 1 月~2021 年 3 月(予定)
【4】実証体制
公式ページ(続き・詳細)はこちら
https://www.marubeni.com/jp/news/2021/release/20210302.pdf