2020年11月25日
関西電力株式会社
「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」に関する進捗状況について(2020年度上期)
当社は、美浜発電所3号機事故※の反省を踏まえ安全最優先の事業運営を行ってきましたが、その中で、東京電力福島第一原子力発電所事故から、原子力発電固有のリスクへの認識や向き合う姿勢が十分ではなかったことを学びました。これを踏まえ「原子力発電の安全性向上に向けた自主的かつ継続的な取組みのさらなる充実」(以下、ロードマップ)を策定し、これに沿った取組みを進めていくこととしました。
[2014年6月20日 お知らせ済み]
当社は、ロードマップの取組みを全社一体となって確実に実施するとともに、進捗状況を定期的に公表することとしており、今回、2020年度上期(2020年4月から2020年9月実施分)の進捗状況を取りまとめました。
主な内容は、以下のとおりです。
- (1)防災訓練の結果を踏まえた継続的な事故時対応能力の向上
- 防災訓練を通して、事故対応時の原子力規制庁との情報伝達をさらに迅速かつ正確なものとしていく必要があるという課題が抽出されたことから、説明者の役割分担見直しや、ホットラインの設置による情報伝達ルートの充実、適切な情報発信を行うためのポイント集の作成等を実施しました。下期中に実施する訓練において反映し、改善効果の確認を行います。
- (2)発電所のリスクを定量的に評価する手法の活用
- 発電所の設備改造や運転手順変更の際にリスク評価手法※を活用し、安全性への影響を確認する運用を、高浜3、4号機および大飯3、4号機で開始しており、上期中の改造や変更について安全性に影響を及ぼすものがないことを確認しました。
- ※発電所で想定されるあらゆる事故の要因を特定し、その要因が進展して炉心損傷等の事故に至るシナリオを整理することで、発電所のリスクを定量的に評価する方法(確率論的リスク評価)
- (3)双方向コミュニケーション活動の展開に向けたご説明資料の整備・活用
- 発電所の事故等のリスク情報を地域の皆さまと共有する取組みを継続的に行っており、上期中に美浜発電所で実施した訪問活動では、発電所の状況のお知らせに加え、原子力防災パンフレットを用いたご説明を行いました。また、お客さまからのお声を踏まえ、原子力やエネルギーに関する解説等を読みやすく工夫した広報パンフレット「エネたび」を新たに発刊し、各地の説明会等で配布を行っています。
当社は、今後も引き続き、ロードマップにおける取組みを含め、規制の枠組みにとどまることなく、全社一体となって、原子力発電の安全性向上に向けて、自主的・継続的に取組みを進めていくとともに、これらの取組状況について、分かりやすくお知らせしてまいります。
- ※2004年8月9日、美浜発電所3号機のタービン建屋において、2次系配管が破損し、配管から熱水と蒸気が噴出した事故。事故当時、定期検査の準備作業をしていた協力会社の方が被災し、5名の方がお亡くなりになり、6名の方が重傷を負われました。
以 上
- (添付資料)
- (参考資料)
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