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2019/05/30
株式会社村田製作所
代表取締役会長兼社長 村田 恒夫
株式会社村田製作所は子会社の株式会社東北村田製作所が開発したオリビン型リン酸鉄リチウムイオン二次電池『FORTELION』が、第三者安全科学機関であるUL*1からバッテリーセルに起因した火災リスクを検証する「UL9540A」レポートを日本国内で初めて*2取得したことをお知らせします。
*1米国イリノイ州ノースブルックに本社を構え、評価試験や検査、認証を行う企業。1894年創業。詳細はページ下部をご覧ください。
*2 2019年5月1日時点。
『FORTELION』結晶構造
当社が開発した『FORTELION』は正極に安定した結晶構造を持つオリビン型リン酸鉄を採用し、「高安全性」「長寿命」「高速充放電特性」を実現したリチウムイオン二次電池です。子会社の東北村田製作所で同電池を使用したバッテリーセル、蓄電池モジュールの製造を行っています。国際防火規制(2018 IFC - International Fire Code)や全米防火協会のエネルギー貯蔵システムの設置に関する技術基準(NFPA 855)に採用する新たな試験方法として開発された「UL9540A」のテストレポート取得により、厳しい安全基準を求める米国市場で『FORTELION』が安全な蓄電池システムの構築に貢献します。
2017年11月に発行された「UL9540A」は、UL社が世界の業界団体から意見を集めて試験方法を定めた規格で、安全性を重視する米国大都市圏のビルオーナーや自治体などからも高い評価を受けています。実際に、米国ニューヨーク市の消防当局では蓄電池システムを設置する際に、「UL9540A」で定められた燃焼試験の実施とレポートの提出を必須事項として求めています。
・14,000回の充放電後も70%電池容量を維持し、15年以上の耐用年数を実現*3
・高い電流の入出力性能(4C*4以上の出力、1C以上の入力)を実現
・正極に鉄を主成分とすることでコバルトフリーの電池として開発*3 気温23℃で充電・放電を行う場合
*4 バッテリーの容量と同じ電流で1時間かけて充放電する場合の単位
当社は2012年4月に『FORTELION』を用いた蓄電システムで据置型蓄電池の安全規格「UL1973」の認証を蓄電システムとして世界で初めて取得するなど、優れた性能と安全性を両立させた蓄電池システムの導入に取り組んできました。
日本で初めての事例となる「UL9540A」レポートを活用し、今後『FORTELION』を採用したリチウムイオン蓄電池システムの米国都市圏でのさらなる拡販に取り組み、再生可能エネルギーの普及、BCP対策に貢献していきます。既に販売している日本国内は引き続き電力・産業向け販促活動へ精力的に取り組み、瞬間的な電圧低下時の補助電力、停電時のBCP対策への有用性を訴求していきます。産業用に加え、国内での再生可能エネルギーの自家消費ニーズの高まりを受け、6月より家庭向けの販売も予定しています。
当社は今後も優れた性能・安全性を持つ製品開発に努め、持続可能な社会の実現に向け、据置型蓄電池市場の拡大に寄与に向けた取り組みを進めていきます。
2018年2月20日
高安全性・高出力・高サイクル寿命の蓄電システムを開発
https://www.murata.com/ja-jp/products/info/power/dcdc/2018/0220
2019年2月25日
大型蓄電池システム導入 - パイオニア・マイクロ・テクノロジー株式会社様 -
https://www.murata.com/ja-jp/products/info/batteries/ess/2019/0225
2018年2月26日
瞬時電圧低下対策向けコンテナ型大型蓄電システムの提供開始
https://www.murata.com/ja-jp/products/info/power/dcdc/2018/0226
情報提供:JPubb