三菱化工機ニュース
(プレスリリース情報)
令和元年5月21日
企画部 経営企画課
嫌気性MBRと一槽式アナモックス処理から成る
省エネ・創エネ排水処理システムの技術開発・実証事業を実施中三菱化工機(社長:髙木 紀一)は、環境省が実施している「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に参加しております。本事業は、CO2排出削減量の拡大及び地球温暖化対策コストの低減を促すとともに、当該技術が社会に広く普及することにより、低炭素社会の創出に資する取組です。本事業により、将来的な地球温暖化対策の強化につながるCO2排出削減効果の優れた技術の開発・実証を主導し、CO2排出量の大幅な削減を目指しています。
三菱化工機(株)は、他3者と共同で、本事業のバイオマス・循環資源低炭素化技術開発分野に、課題名「革新的な省エネ・創エネ生活排水処理システムの開発」で応募して採択され、平成29年度から平成31年度までの3か年、技術開発、実証事業を進めています。
本事業の概要は、以下の通りです。
概要
環境省『CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業』委託業務として
平成29年度 STEP1 小型試験機による実下水処理運転。
平成30年度 STEP2 小型試験機による実下水処理運転と1次評価及び、 実証機建設。
平成31年度 STEP3 実証機による実下水処理の実証開始。
実証能力 処理下水量 20㎥/日。 実証機規模 嫌気MBR槽 : 5㎥、一槽式アナモックス槽 : 2㎥
今年度は実証機による実下水処理運転を開始しました。
プロセス説明
汚水(下水)は嫌気性MBR内の嫌気性菌で、汚水中の有機物をメタンガスとCO2に分解させます。浄化された排水は膜を通り、膜透過水は一槽式アナモックス槽内で、アンモニア性窒素の一部が亜硝酸性窒素に酸化され、アナモックス菌によって未反応のアンモニア性窒素と反応させて、窒素に分解されます。これらの処理により有機物濃度やアンモニア濃度の低い処理水を得ることができます。これらの処理は嫌気処理が主体であり、好気処理の様に曝気の為に多量のエネルギーを必要としない省エネルギーシステムです。また、嫌気性MBRから発生するメタンガスは創エネルギー化が可能です。
本技術の期待される導入効果(目標)
・エネルギー消費量 :従来法※の67%
・エネルギー収支※※ :従来法の35%
・CO2削減量 :0.108kgーCO2/㎥ー下水
※ 循環式硝化脱窒法
※※ 収支=消費量ー回収量