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2019-03-18 00:00:00 更新

学校等における省エネルギー対策に関する検討会(第5回) 議事要旨

学校等における省エネルギー対策に関する検討会(第5回) 議事要旨

1.日時

平成30年12月26日(水曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎4階 文教施設企画・防災部会議室

3.議題

  1. 学校等のエネルギー消費原単位設定のまとめについて
  2. 学校等における省エネルギー対策[仮称](案)について
  3. その他

4.出席者

委員

飯塚委員、伊香賀委員、川瀬委員、鳥本委員、高村委員(主査)、判治委員、松本委員、渡邉委員

文部科学省

平井文教施設企画・防災部長、山﨑技術参事官、山川施設企画課長、渡邉施設企画課課長補佐

オブザーバー

百田教授

5.議事要旨

【議事】
(○:委員、●事務局)



議題1 学校等のエネルギー消費原単位設定のまとめについて


・事務局より資料1に基づき説明
●学校の原単位の主な増加要因である高機能化・多機能化による変化に対し、教育委員会の事務職員が比較的簡単に取り扱えるデータを活用した原単位設定に絞ってまとめた。また、原単位を求める際の分母であるエネルギー使用量と密接な関係をもつ値については、これまでの議論を踏まえ、高機能化については、エネルギー使用量への影響が大きい空調設備、また、多機能化については、地域開放に着目して、学校の変化に応じた密接な関係をもつ値(案)を作成し、概ね良好な結果が得られたものと考えている。


・事務局からの説明の後、以下のような意見があった。
○原単位設定については、分子を直接補正することは難しく、分母の方で何らかの補正が必要ということが前提条件としてあった。今回のモデルケースではかなりうまくいったように見えるが、条件が異なる学校もあると思うので、そういった実態を見ながら作り込んでいくということも有効と思われる。学術的にはもっと望ましい数式などがあると思うが、スタートラインとしては良いのではないか。


○11ページのA教育委員会から提供いただいた30校のデータが、エアコンと全熱交換器も同時に設置・運転しているのかを確認したい。前回も室内空気質のことを問題視しており、エアコンと全熱交換器のセットで設置・運転した場合は温熱環境と室内空気質環境が改善される高機能化と言えるが、エアコンだけの設置・運転で換気をしない場合には、温熱環境のみ改善され、空気質環境は改善されない。その際のCO2濃度は、学校衛生基準の1500ppmをはるかに超える場合の学校が多く、空気質環境を改善するために換気すると、冷暖房エネルギーが増加する要因になることからの質問である。
また、3ページの高機能化のグラフについて、既存校への冷房設備に加えて、教室の空気環境改善の観点から、今後は全熱交換器を設置していくことになると思われる。そのため、冷暖房エネルギーの中に換気設備によって増えるエネルギーを明示した方が良いのではないかと思う。
⇒●頂いたデータには、換気までは入っていないと聞いており、御指摘のとおり、空調を設置した場合の換気への影響というのは、今後検討していかなければならないと考えている。ただし、空調と換気は連動するため、今回の原単位の算出に関しては、空調の中に換気がある程度含まれていると考えている。


○5ページのエネルギー消費原単位の式は、分数を分解していくと、「エネルギー使用量」は、「延床面積に原単位を掛けたもの」と「空調面積掛ける空調以外のエネルギー分の空調エネルギーに原単位を掛けたもの」になるが、「空調以外のエネルギー」は「総エネルギーから空調エネルギーを引いたもの」であることからほぼ固定値となる。「空調エネルギーは空調面積によって変わる数値」とすると、「空調面積掛ける空調面積」となって空調面積が二乗に計上されてしまう。空調面積が増えれば、それに応じてエネルギーが増えるというのは分かるので、「空調以外のエネルギー」を「空調面積に係る空調以外のエネルギー」とすることで、空調面積が二乗に計上される違和感はなくなるのではないか。
また、例えば、空調面積が倍に増加した場合は、空調エネルギーもおそらく倍になるが、空調以外のエネルギーは変わらないとすると、5ページのエネルギー消費原単位の式で計算すると、面積が2倍になるとエネルギーが4倍になってしまう。そのため、空調面積が増える程、実態よりも、より数値が大きくなってしまうのはどうかと思う。
⇒●検討する。


○教育委員会の立場では、空調が設置されたときにその増加分をどのように算出すればよいのかと思っていたところ、10ページにある概算での算出方法であれば、教育委員会でも十分把握可能だと思う。
多機能化の方は、実際に地域開放で使う場所は体育館等の限られたスペースであるが、それらの部屋の授業時間を個別に求める必要がないのであれば、把握可能な時間だと思う。
⇒●授業時間に関しては、測れる範囲は限られてくると考えている。今回の検証に関しても、情報を頂いたB小学校の一般的な授業時間が1日約7時間、それに対して夏休み、冬休み、春休みという長期休暇を大まかに2か月として除いた形での試算をしている。この数字に関しては、どこまで正確なものを活用するかというよりは、実際のベースとなる基準を変更しない形で原単位を算出し、毎年の変化を比較するということが大事だと考えている。余り細かいデータを求めても活用できなくなってしまうため、各教育委員会、また学校の方で捉えられる数値の中で活用していただくことが大事だと考えている。


○高機能化に関しては、こういう形での数値の把握であれば可能だと思う。ただし、多機能化の地域開放に関しては、エネルギーの消費をしている場所を建物の中としてベースは延床面積になっているが、例えば、グラウンドの開放で照明の電気代が増えても、密接な関係を持つ値としての延床面積には入っていないため、この式は使えないのかなという印象を持ったがどうか。
⇒●いくつかの教育委員会にヒアリングしたところ、夜間照明を設置している学校は少なかった。今回は、校舎・体育館の時間外使用というものが多く挙げられたことから、グラウンドに関しては検証から除外している。


・高村主査より、議題1については今後も川瀬委員に相談しつつ検討はするものの、基本的にこの方法でまとめることでよいか確認あり。(一同、了承。)



議題2 学校等における省エネルギー対策[仮称](案)について


・事務局より資料2に基づき説明
●第4回検討会にて、専門用語が多く、少し内容が難しいといった御指摘もあったことから、教育委員会の方、学校の教職員の方にも抵抗なく使っていただけることを踏まえた形で、さらに分かりやすくなるよう整理した。


・事務局からの説明の後、以下のような意見があった。
◯3ページ図表の棒グラフについて、従来型の学校のエネルギーの比率が暖房と照明が半々になっているが、実際は大体、照明が7割で、空調エネルギーは7%ぐらいなので、そのような表示にした方が良いかと思う。


○我々が読んでも、引っ掛かるところなく読んでいけるので、とても分かりやすくなったと思う。


○管理標準を管理マニュアルという言葉に置き換えたことで、現場にとって、とても分かりやすい表現になった。
10、11ページの全体のフローについて、学校の責任者は校長先生や教頭先生といった管理職の教師になるのだが、実際に教育委員会と連携してこのマニュアルを活用していく実質の担当者を学校に置かなければ、なかなか進んでいかないと思うので、担当者を置く旨の明示があった方がよいと思う。学校には防災マニュアルというものもあるが、そちらではそれぞれの教職員の役割なども明示されているので、この省エネのマニュアルにも盛り込めれば、学校が取り組む1つの具体的な指標になると思う。
また、多機能化にも通じるが、地域との関係性についても盛り込めればなおよいと思う。


○11ページのエネルギー管理マニュアルの運用サイクルについて、STEP-0からスタートして、1、2、3、4、5と行って、また1に戻るということだが、2がいいのか3がいいのかというのは、判断しかねるところはあるが、1まで戻るのは、少し戻り過ぎではないか。
⇒●このサイクルで1に戻るとしているのは、管理マニュアルを見直す際には、一度、学校と教育委員会が連携をして確認をする必要があると思い、そのようにしている。ただし、ご指摘のように、活用の中では2に行くこともあれば、実施の中で見直しを掛けていくという場合もあろうかと思うので、あくまで1つの大きな流れの例として示している。


○我々の教育委員会、また学校現場でも、非常に理解しやすい内容になっていると思う。さきほどの原単位の数値に関してもいえるが、現場の方にもなるべく手を煩わさない配慮をしていただきありがたい。


○昨今、小・中学校にもSDGsへの取組が推進されてきているので、「はじめに」に、SDGsやパリ協定といったキーワードが入っている方が親しみを持ってもらえるのではないか。具体的にはゴール7がエネルギーの話で、省エネの取組がダイレクトに関係している。ゴール13の気候変動もセットで関係している。ゴール4も国際的に見ると少し次元の違う扱いではあるが、質の高い学校施設の環境を整えるという観点では関連した取組だと思われる。
⇒●整理の上、検討する。


○「記録」に関しての記載があった方がよいのではないか。ISOなどのマニュアルを作成する場合においても記録はとても重要とされている。少なくとも把握して何らかの形で記録して積み上げていくというのが、省エネを推進する上で重要だと思う。
3ページの図表の高機能化・多機能化の進んだ学校で、「冷房・暖房」という言葉が残っていて、他のページでは「空気調和設備」などになっている。この「冷房・暖房」を「空気調和設備」などにして、もう1つは「換気」にした方がよいのではないか。
⇒●原単位に関する議論でもあったが、「換気」も重要な要素となるので、ご指摘の方向で検討する。


○題名が、「学校等における省エネルギー対策について」という仮称になっているが、これについて何か提案はないか。


○「対策について」という部分は硬い感じがする。もう少し学校が主体的、自主的に取り組んでいけるイメージを持てるようなタイトルが良いと思う。


○「対策」とするよりも、「省エネルギー対策を進めるための基本的考え方」などの方が良いと思う。さきほど「記録」に関する指摘があったが、エネルギー消費原単位においても記録は非常に重要な部分である。また、原単位による管理も重要であり、原単位の変化の状況をきちんと分析し、その変化の要因を把握することが重要な旨を明示した方が良いのではないか。
⇒●原単位に関しては、御指摘のとおり、変化状況を分析して、記録を取って管理していくことが重要であり、原単位の活用については可能な範囲で検討する。


・高村主査より、次回の最終回に第4章と参考資料まで含めた形で提示していただき、第1章から第3章までは今日の意見を踏まえた最終のとりまとめをすることについて確認。(一同、了承。)



議題3 その他


・事務局より資料3に基づき今後のスケジュール(案)について説明

お問合せ先

大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課

エネルギー対策企画係
電話番号:03-5253-4111(内線2324)

(大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課)

-- 登録:平成31年03月 --


情報提供:JPubb

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