当社はこのたび、国内電力会社が導入を開始したスマートメーターと家庭内のHEMS機器を接続するために、PLC とイーサネット及びUSBとの間をつなぐリピータ(変換アダプタ)を、国内で初めて開発いたしました。年度内をめどに製品出荷を開始する予定です。スマートメーターは、電力消費量をデジタルで計量する電力量計として、2014年度以降、国内電力会社が順次設置しており、今後10年間ですべての電力量計がスマートメーターに置き換わる計画です。スマートメーターが持つ通信機能により、電力会社による自動検針が可能になることに加え、電力使用量の見える化や家庭内のHEMS(*1)機器との連携による省エネの実現、新たな生活情報サービスの普及などが期待されています。当社は、スマートメーター内に実装される通信モジュールを電力会社向けに開発、既に提供しており、特に電力線を通信回線として利用するPLC(*2)方式の通信モジュールについては、国内トップシェアを有しております。 今回、当社が開発したPLCリピータは、スマートメーターの情報を家庭側から取得するための通信経路となるBルート(*3)で使用する装置となります。このBルートにてPLC方式が使われている場合、PLCリピータは、スマートメーターとHEMS機器などを接続するために、PLC信号をイーサネットまたはUSBに変換します。 現在商用サンプルを製作中で、年度内をめどに製品出荷を開始する予定です。 スマートメーター接続用PLCリピータの特長について- 1.スマートメーター通信部の標準規格「G3-PLC(*4)」に準拠
- 「G3-PLC」は、すべての国内電力会社で通信標準として採用されているPLC方式であり、BルートにPLCを採用されているご家庭であれば、どこでもご使用いただけます。
- 2.家庭でご利用いただけるよう小型・軽量化を実現
- 3.汎用的なインターフェイス(イーサネット、USB)に対応
- 家庭内にあるコンセントに挿すだけでPLCをイーサネットやUSBに変換可能です。
- 4.920MHz省電力無線 Wi-SUN(*5)にも対応可能(オプション)
- スマートメーター用無線通信方式として採用されているWi-SUNにも対応可能となります。
<主な仕様について>項目 | 仕様 |
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Bルート側I/F | PLC | ITU-T G.9903 | HAN側I/F | 有線LAN | Ethernet | LED | POWER、ACT、HAN | 押しボタン | INITボタン | ペンシルボタン | 環境条件 | 動作温度 | 0~40℃ | 動作湿度 | 20~80% (結露なきこと) |
<外観イメージ>※上記製品(イメージ)は、イーサネットタイプのものです。 *1 HEMS(Home Energy Management System): 家庭内のエネルギー管理システム。太陽光発電の電力売買や機器の管理、消費電力の見える化などを実現するシステムのこと。 *2 PLC(Power Line Communications): 電力線を通信回線として利用する技術。家庭内の配電線や電力会社の送電線を使って、高速インターネットやスマートメーターの通信技術としての利用が可能。 *3 Bルート: スマートメーターは通信機能を有しているが、家庭の電力利用情報を取得するための通信ルートは以下の3つが定義されている。 •Aルート:スマートメーターと電力会社を結ぶネットワーク •Bルート:スマートメーターと建物内の電子機器を結ぶネットワーク •Cルート:電力会社や第三者が各家庭にサービスを提供するためのネットワーク Bルートは家庭側からスマートメーターの情報を取得するための通信経路のこと。 *4 G3-PLC: 業界団体「G3-PLC Alliance」が推進する電力線通信(PLC)の方式の1つ。ITU(国際電気通信連合)がスマートグリッドの構築に向けた狭帯域電力線通信(NB-PLC)の新たな標準規格として2011年12月下旬に承認した。 *5 Wi-SUN: Wi-SUNアライアンスがIEEE802.15.4g規格をベースに利用モデルに応じて策定している規格。日本の920MHz帯無線を対象とした規格が策定されている。Wi-SUNアライアンスでは、Wi-SUNを利用する無線機等の製品に対し、メーカー間の相互接続性について認証している。 - Ethernet/イーサネット は、富士ゼロックス株式会社の登録商標です。
- Wi-SUN は、米国 Wi-SUN Alliance, Inc. の米国及びその他の国における、商標または登録商標です。
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